北陸新幹線が開通し観光客で賑わいを増す石川県金沢市。
年末年始は金沢で日本海の幸を食いだおれ計画中という方も多いでしょう。
さて、冬の金沢で人気急上昇中の逸品があります。
それが『香箱(こうばこ)ガニ』
- 香箱ガニとは石川県での名称。いわゆるズワイガニのメスのことで、 地元では昔からオスの加能ガニよりメスの香箱ガニを好む人も多いんです。
なぜ地元で香箱ガニが人気なのか?
香箱ガニ漁は、石川県では11月上旬に始まりますが、産卵するメスは自然保護のため年内で禁止となります。
食べられる期間が限定されているので特に珍重されています。
珍重され始めたのはここ数年のこと。
一般的には身が大きい加能ガニが人気なため、小さな香箱ガニはとても安価でした。
香箱ガニは足の身はもちろん、特に内蔵が美味く、昔から金沢庶民は沢山買い込んで食べるのが冬の醍醐味だったのです。
ところが、今年の北陸新幹線人気で、雑誌やテレビで香箱ガニがピックアップされ急激に人気に。
金沢庶民としては、あまり人気になってほしくないのは本音ですが、今年も食べられる期間が残り僅かということで「金沢の秘宝 香箱ガニ」の美味さをお伝えしようと思います。
これが、金沢庶民の香箱ガニの食べ方だ!
小ぶりですが、でも庶民が一番手に入れやすいサイズ。
じつは、これくらいがちょうど良いという理由があるんです(その理由は後ほど)。
香箱ガニのさばき方と食べ方をうまそうな画像を交えて解説します!
- はい、これが香箱ガニ。ゲットしてきたのは4匹。自撮り写真なのであしからず
【以下、さばき方 手順】
- 茹でた香箱ガニを裏向けにし、前かけという部分をめくります 卵(外子)がたっぷり! 珍重品!
- 裏向けのまま甲羅の尻に親指をかけてギュッと押し、ベリっとめくると…
- 内臓のお宝がたっぷり!
- この赤い内子が香箱ガニで最も美味とされる部分です!言うなれば 赤いキャビア
- 胴(右側)の身を甲羅に移して盛り付けます。胴の両サイドにあるヒモ状の付着物やガニ(えら)は食べられないので捨てます。
- 真ん中から半分に切るとワタを出しやすい
- 赤紫の粒が卵(外子)・オレンジのが未熟性の卵(内子)・わた(みそ)は茶色の部分。小さくても内蔵はびっしり詰まっているから食べごたえがあります。
- 足を切り落とし、ふたつに裂く。足は裏(白い方)を上にして包丁を入れると切りやすいです。それぞれの部位を皿にわければ、出来上がり‼
- 香箱ガニ 実食!そして4匹ズラリ。いただきまーす!
- 最も美味しいのが、この内子!まさに紅色のキャビアや~~。コリッと歯ごたえがあって、コクがある食べた人にしかわからない美味!とにかくココが香箱ガニの魅力! 食べて欲しい!
- もちろん身も美味しいですよ。酢醤油でいただきます。
香箱ガニは小ぶりがちょうど良いという理由は?
実は、殻が小さいと『お猪口として使いやすい』が正解。
大きいとお酒が飲みにくく、香箱ガ二ぐらいが丁度いいステキなパフォーマンスです。
この甲羅に金沢の地酒をトクトク注いで……これからが宴会の本番です!
- 美味しくいただいて空っぽの甲羅。捨てちゃいけません!至福の宴がここから始まります!
- ここに、熱燗を注ぎこむのです!そう「甲羅酒」!
- 甲羅にまだ残っている内臓をこそげ取り、これをキュ~ッといただきます!
- 蟹の甲羅を盃代わりに日本酒をいただく甲羅酒。たっぷり二杯いただいちゃいました。ごちそうさま!
金沢(石川県)はおしい酒の宝庫。立山、白山両山系からのおいしい雪解け水と、厳しい冬の寒さが絶品の酒を育てるんです!香箱ガニと、カニのエキスが溶け合った甲羅酒。地元民に愛されてきた金沢秘伝のグルメ、こっそり……おススメです!