前回のマガジンサミットで『ラジオ投稿で読まれるコツ』について色々教えてくれた2人のディレクター。
業界歴7年のHさんと業界歴8年の女性ディレクター・Aさん。
色々と伺っているうちに、普段、秘密のベールに包まれているラジオ業界に興味が湧いてきた。
そこで彼らの仕事やラジオへの想いについて聞いてみた。
休みがほとんどない
ラジオと言えば、生放送も多く、放送自体も2時間3時間はある長丁場。どんな勤務体系なのだろう。
「普通のサラリーマンと違って、土日や夜間、早朝の仕事も多く泊まり込みも多いです。お正月も普通に働くことが多いですし」とHさん。「丸一日プライベートということはほとんどないです」とのこと。
それでも続けられるのはやはり「ラジオが好きだという想い」というAさん。好きで始めないと離職率も高いそうだ。
掛け持ちが多い
テレビと違って、1本の番組に対する拘束は少ないというラジオ業界。よって番組を複数掛け持ちするのが普通だとか。
なので「人によってはスポーツからバラエティまで幅広いジャンルを任されることもあり、頭の切り替えが大変」(Hさん)だとか。
自分のアイデアが通りやすい
そんなHさんいわく「テレビが通常100人くらいスタッフがいるとしたら、最少でディレクターとパーソナリティの2人で成り立つ放送局もあるラジオ業界。
自分の意見がダイレクトに反映されたり、やりたい企画が通りやすかったりするのが醍醐味」だそう。
ラジオ業界に入るコツ
テレビよりも少ないマンパワーで成立する業界なので、ラジオ業界への門戸は非常に狭いのだとか。
それでもラジオ業界に興味がある人たち向けに入れるコツを教えてもらった。
「よくハガキ職人から作家になりたがる人はいますが、なれるとは殆ど聞きません。もしかしたら深夜番組にはいるかも。特に最近は少ないかね」とAさん。
ラジオ局への新卒入社も相変わらず倍率が高いそうだ。
それでも強いて言えば、と訊いてみたところ
「ラジオを作成している制作会社を調べて、募集していないか問い合わせてみる」「新卒で制作会社に入社する」(Aさん)「専門学校で技術を勉強しながら、OBや先生を通してコネづくりを頑張る」(Hさん)などがオススメだとか。
どちらにしろ、コミュニケーション能力と行動力が必要だそうだ。
クセがある人が多い
そんな狭い門戸をくぐり抜けてきた人はどんな人たちなのだろうか。
「メディアだったら、他(出版社やテレビなど)の方が給料がいいですしね。やはり、本当にラジオが好きじゃなきゃ続けられないですよ」とHさん。
「その分、変わっているというかクセのある人が多いですね」そういう人間でないと付いていけないかも…と他業種を経験したこともあるHさんは言う。
最後に、リスナーの皆様にメッセージ
ラジオ業界の裏側を色々教えてくれた2人のディレクター・AさんとHさん。最後にこんなメッセージをくれた。
「最近若い人たちのラジオ離れが言われていますが、忙しいサラリーマンの方もぜひ聴いてほしいですね。なぜなら、ラジオは究極の『ながらメディア』なので。通勤時間、待ち時間、歩いている時でも、簡単に聴くことができますから、忙しい社会人の皆さんには本当にオススメなんですよ」(Hさん)
「最近はアプリの「radiko」を無料ダウンロードすれば、いつでもスマホでラジオを聴くことができますし、有料サービスならば全国のラジオ局が聴けますから、本当に便利ですよ」「学生時代に聴いていて、最近は聴いていないという社会人の皆さんのカムバックもお待ちしています」(Aさん)
そして「ラジオは、聴くだけでもリスナーさんも番組作りに参加しているようなもの。そんなメディアは他にないのではと自負しています!聴くだけでも、投稿してみるのも、懸賞に応募するだけでも好きなスタイルでラジオを楽しんで欲しいです」と2人で締めくくった。
ますます気軽に楽しめるようになったというラジオ生活。2人の話を聞いていると意外にハードルが低く、忙しい現代人にピッタリなメディアかもしれない。多忙な生活を送っている皆さんもぜひラジオ生活を楽しんでみてはいかがだろうか。
< 取材・文 / わたなべもも >