創刊31周年!『オレンジページ』が提案し続ける昭和・平成流”おふくろの味”

2016/11/18
わたなべもも

気が付けば、お世話になっている家庭も多いのではないでしょうか?

我が家では、母から二世代に渡って折々に購読していた『オレンジページ』((株)オレンジページ)。私も初めての一人暮の際には、家庭料理の基礎から学べる連載『お料理一年生』に世話になった記憶が…と思ったら、今年で31周年を迎え今や三世代に渡る読者もいるとか。

 

31年前といえば、ケータイ・スマホの元祖、電電公社から民営化されたNTTのショルダーホンがやっと流通し、DCブランドや太眉が流行った時期。世代も時代も越えた人気の秘密は何なのか? 昨年30周年の節目に編集長になった鈴木善行さんに話を伺いました。

 

オレンジページの31年間

―― 記念すべき第一号の『ステーキ特集』から31年。やはり、ライフスタイルの変化とともに、編集方針も変わっているのでしょうか?

 

90年代に節約がブームになり取り入れたことがあるのですが、それほど反響が無くて最近はやっていません。オレンジページの読者の方は節約というよりは、ひと手間かけて家族に喜んでもらうという考えの方が多いので、それは編集方針として30年以上変わっていないですね。今は時短料理などが流行していますが、人気企画は“つくりおき”です」

 

――  雑誌も読者もコンセプトがブレない。それが長続きの理由かもしれませんね

 

「そうかもしれません。もともとはスーパーのダイエーの消費者サービス事業として始まり、出版社であっても当初は、売り場の店員さんと同じネームバッジをつけていたんですよ。なので、現場のお客様の声、つまり読者の声を大事にするという視点は今も変わっていません。新しい情報はどんどん取り入れていますが、時代に流されずに、読者が今何を求めているかを一番大事にしたらそうなったという感じですね」

 

―― 読者の立場になって、どのような工夫をしたら喜ばれるかが大切なんですね。

 

「はい。例えば他社に先駆け、わりと早い時期からレシピ特集などの小冊子を付けていますが、文字を大きくしたところ完売するほどの大人気でした。実際に声を聞いてみると、料理初心者の若い女性からも「見やすい」と評判が良かったんです」

 

――  わかります!初心者は細かい文字を見ながら作ると、一工程間違えたりするんですよね…ここからは弱火だったのか!強火のままにしちゃった!のような(笑)そんな読者の声を聞き続けた長い歴史の中で、一番ヒットしたと自負する企画・レシピなどを教えてください。

 

「やはり『フライパンひとつで何でもできる』シリーズですね。1991年から始めたので、もう25年になります。鍋や道具類を使い分けるのは意外と面倒だという読者からの声がありまして、オレンジページが先駆けだと思います」

※写真は『フライパンひとつで何でもできる』シリーズ“フライパングラタン”のつくり方

 

 ―― そういえば、うちの母もあるときから突然「揚げ物はフライパンで少しの油で出来るのよ!」なんて自慢気に言っていましたが、オレンジページを見たのかもしれません。

 

「それはうれしいです。最近だと『ちぎりパン』。読者から「オーブンはあるけれど、ふだんはあまり使わない」と声があり、フライパンひとつでパンができてしまう!という手軽さから生まれました。あとは『パエリア』。家庭料理としてレシピを特集したのはオレンジページが初めてかも知れません。今でもときどき掲載するのですが、やはり毎回好評なんですよ」

 

―― 確かにパエリアは専用の大きい鍋でつくるイメージで、スペイン料理店などに行かないと食べられなかったです。今やすっかりフライパンでつくれる家庭料理ですが、それをオレンジページが提案していたとは!

 

「“ウチが最初”と自負しているレシピや企画、結構あるんです」

包まれる多幸感 オレンジページ編集部の裏側とは…!?

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わたなべもも
この記事を書いた人

わたなべもも

構成作家。外資系企業を渡り歩いた後に、テレビの新人作家オーディションのファイナリストになったことがきっかけで構成作家に。かつて年間200冊以上の本を読んで培った雑学や一般常識を活かし、地上波・BS・ラジオ・ネット配信までメディアにこだわらず幅広く活動。

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