コロナ禍による貧困で、生理用品を買うことができなくなる女性が続出し、自治体や教育機関で無料配布するなど、支援の手が差し伸べられています。けれどその一方で「そのくらいも買うことができないの?」という冷たい声も。女性の生理経費について考えてみました。
生理用品以外にもかかる費用
女性の生理というと、生理用品代だけだと思われがちですが、それは大きな誤解です。確かに生理用品だけなら月々数百円程度かもしれません(数百円といったら1食のランチ代にも匹敵する額ですので決して安くはありませんが)。
そのほかに、生理用の下着も必要です。経血が漏れることのないようお尻を優しくガードしてくれるしっかりした作りのもので、これはものにもよりますが1枚1000円以上が複数枚は必要ですし、古くなったら買い替えもしなくてはなりません。
さらに、貧血になる人は鉄分サプリなどで補う必要がありますし、体調がしんどかったらタクシーを使わざるをえない時もあります。腰が張って苦しい時は温湿布を貼ることもありますし、PMSがひどい場合は医者による治療費や薬代も支払わなくてはなりません。
生理の年間経費約11,760円
『エルジャポン』2021年9月号「みんなのフェムテック」コーナーでは、生理の経費について取り上げていました。女性の生涯の生理の回数は約500回。41.6年間も生理と付き合わなくてはならないのです。そして生理の生涯経費は約49万円。およそ1年で11.760円が生理費用として使われています。月に約1000円という計算です。
長い目で見ると、49万円もかかるのですから、積み重ねると決して安くはありません。生理用品を買えなくなる女性が続出するのも無理はない話なのです。49万円もあったら、いろいろなことに使うことができるからです。
世界でも無料化の動き
生理のつらさは人それぞれ違いますが、重い人の場合は医療費もかかり、想像以上に経費は膨らみます。また、生理休暇を取る場合、企業に勤務している場合は手当が出ることもありますが、自営業やフリーランスの場合は休んだら収入減となってしまいかねません。
記事では世界の支援状況について触れられています。イギリスでは生理用品の課税を廃止しましたし、スコットランドでは世界で初めて生理用品の無料化法案が可決されました。少しずつですが女性の生理による困難が知られるようになったことはうれしいことです。ブルーデーをできるだけ快適に過ごせるような配慮は、今後もさらに進むのではないでしょうか。