『モア・リポート』は、集英社刊行の雑誌『MORE』が女性に性についてのアンケートを行うものです。1980年年代から行われてきたこの調査が、4年ぶりに実施されました。過去のデータと比べると明らかな違いがそこにはありました。
性の情報、昔は何で得ていた?
昔も今も、性については、秘められがちなテーマです。昭和の頃は、学生の頃は、男女に分かれて保健の授業が行われるなんてこともありました。好奇心が旺盛なクラスメイトから情報を得たという人もいるでしょう。
また、性の知識を特集した雑誌が話題になることもありました。友達の間でそうした雑誌をドキドキしながら回し読みをする、それが昭和の頃の性の知識の仕入れかたでした。1987年の「モア・リポート」では性の知識を得る方法は1位が友人から(48.6%)、2位が本・雑誌・テレビから(45.2%)、3位が学校の性教育(5.2%)だったのです。
平成の性情報収集方法
『MORE』2021年9月号では、1987年と2017年と2021年のデータを比較しています。それによると性の情報を得る手段として既に2017年には「友人から」が消え失せ、3位に「ネットから」(46.3%)がランクインしているのです。
友人とそうした話をすることを回避する傾向がはっきりみてとれますが、これは、知らなかったり情報が間違っていたりしてバカにされたり恥をかくことを恐れているのもあるかもしれません。ひとりでそっとネットで検索し、情報を集める人が半数近くいるのは驚きです。
令和はネットが不可欠
令和である2021年になるとさらにその傾向は強まり、ネットは性の情報を集める手段の第1位(78.4%)へと、一気にランクアップします。2位は「友達」(40.1%)、3位は雑誌(29.1%)です。ネット全盛期であっても、雑誌の性の特集を信頼しているのが見て取れます。
そして心配なのは、どのサイトで情報を得ているのかというところです。ニュースサイトなど、信憑性のあるところならいいのですが、匿名のサイトなどでの情報を鵜呑みにしてしまうのはリスクがあります。信頼できる肩書きの人が発信している情報を選ぶためのレクチャーが必要です。
この「モア・レポート」最新版では、マッチングアプリ性関係の相手を見つけたという女性が12.5%もいます。これについても、本名も住所もわからないような相手と密室でふたりきりになるのですからとてもリスキー。ネットで便利になった反面、多くの危うさも含んでいるので、情報の真贋を見極める目を持つことが必要です。