
7月24日、すみだ水族館で夏季限定イベント「東京金魚~時代を泳ぐ、小さなミューズたち~」が開幕。初日に実施されたメディア内覧会では、関係者や報道陣に向けて展示の見どころや体験コンテンツが公開された。
会場全体を彩るのは、江戸時代から続く日本の金魚文化。金魚を単なる観賞用の魚として捉えるのではなく、アートや歴史、そして食と結びつけることで、体験型のカルチャーイベントとして構成されている。

会場の一角に設けられた「パネル展示」では、江戸時代から続く日本の金魚文化を、浮世絵や古文書、戯画を通じて紹介。この監修を手掛けたのは、金魚専門店「金魚の吉田」を運営する株式会社ヨシダの代表取締役・吉田信行氏だ。中でも注目すべきは、江戸時代に広がったとされる「上見(うわみ)」の再現展示。これは、水面越しに上から金魚を鑑賞するという、当時の生活文化に根ざした楽しみ方である。

「江戸」をテーマにした和を感じる幻想的な装飾が特徴の、100mに渡る金魚展示エリア「江戸リウム」では、約15種類の金魚が鑑賞できる。同イベントに合わせて、各水槽横にスタッフによる金魚の解説パネルが追加されており、それぞれの特徴や個性を学ぶことも可能に。また、金魚を美しく撮影するためのアドバイスも掲示されており、来場者のSNS投稿を促す仕掛けも随所に見受けられた。

親子向けのコンテンツとしては、ペンギンカフェ横に設置された「親子向けワークシート」だ。これは、館内を巡りながら金魚の観察を通じてレポートを完成させていくもので、子ども用と保護者用の2種類が用意されている。同コンテンツは、子どもの自由研究としても推奨されていた。さらに、同イベント期間中は、無料のワークショップ「きんぎょ色合わせ」と、実際に制作したきんぎょ作品を展示できる「きんぎょ色合わせ展」が開催。金魚の形をした台紙に、赤や白、黒など5色の色紙をちぎって貼り付け、ちぎり絵で金魚の模様を作るという内容だ。

そして、同コンテンツの横にある「ペンギンカフェ」では、金魚をモチーフにした期間限定メニューが登場。花火をモチーフにしたフルーツソーダ「みつけて金魚花火ソーダ」や、涼しげなビジュアルの「冷やしきんぎょやき」など、視覚からも金魚気分を楽しめる構成になっている。
グローバルな来館者に向けた取り組みとしては、館長による「インバウンドツアー」が実施される。英語、スペイン語に対応した15分程度のガイドツアーを、不定期ながら金魚展示エリアで行うことで、日本文化としての金魚を海外の観光客にも伝えている。
