良い薬を、より早く、よりスマートに。製薬特化クラウドVeeva Japanが事業戦略説明会を開催

2025/06/13
マガジンサミット編集部

ライフサイエンス業界に特化したクラウドソリューションの世界的パイオニア、米国 Veeva Systems の日本法人である Veeva Japan 株式会社は、直近の製薬業界やテクノロジーの課題を踏まえ、どのように解決を図り日本の創薬に貢献していくのか、その具体的なビジョンを紹介する事業戦略説明会を5月27日に開催しました。

併せて、今年5月にリニューアルした新オフィスのお披露目も行われました。

ライフサイエンス業界の変革と成長を支える真のパートナーに!

まず、General Manager の千葉 弘崇氏より、Veeva Japanの概要と戦略について説明がなされました。

Veevaは2007年にアメリカで設立され、日本法人は2011年に設立。ライフサイエンス業界に特化したクラウドソリューションを提供し、世界165カ国以上、1000社以上の顧客を持ち、グローバルで7000人以上の従業員を抱えています。2025年度の売上高は約27億ドル(約4000億円)で、前年比16%成長を実現されています。

Veevaの特徴として、パブリック・ベネフィット・コーポレーションの法人格を取得していることを強調。これは社会貢献を企業の目的として法律に明記できるアメリカの制度で、短期的な利益よりも長期的な信頼関係構築を重視する姿勢を示しています。

また、「Veeva Club」というユーザーコミュニティについて説明し、10年以上前から活発に活動していることを紹介しました。このコミュニティでは、業界全体が直面している課題やDXを進める上での問題をユーザー同士が共有し、会社の枠を超えてつながる仕組みとなっています。

千葉氏は製薬業界を含む日本のビジネス界全体の課題として、「2025年の崖」と呼ばれる問題を挙げました。これは古いシステムの維持や分断された業務システムが経済損失を生む可能性があるという課題です。
この解決策として「Fit to Standard」という考え方を紹介し、業務をツールに合わせて標準化することでスピードアップを図る方法を説明しました。

Veevaの「Vault Platform」は、ソフトウェアとデータが真につながった統合型基盤であり、50以上のクラウドアプリケーションが搭載され、一日当たり50万人以上のユーザーに利用されているそうです。
2030年に向けた戦略として、ライフサイエンス業界の真のパートナーになることを目指していると述べました。その一環として、今年12月にはコマーシャル製品における「Veeva AI」の搭載を予定しているそうです。

また、今年5月には東京オフィスの面積を2倍に拡張し、全従業員がオフィスに戻れるキャパシティを確保。新オフィスはフリーデスク制で役員室はなく、人間工学を考慮したデスクチェアや広い休憩スペース、健康管理のための部屋も設置されています。この場所で人と人とのつながりをこれまで以上に重要視し、働きやすい環境を整えていくといいます。

創薬・製造・品質管理を支援!R&D領域でのVeeva Japanの取り組み

続いてR&D and Quality部門の統括を務める島田善規氏が、「Development Cloud」について説明しました。このクラウドは臨床試験以降のフェーズをサポートし、グローバルの様々な法規制に対応しています。

CLINICAL OPERATIONS・CLINICAL DATA・REGULATORY・DRUG SAFETYの4つの領域に分かれており、特にDRUG SAFETYは昨年から日本で本格的に製品の提供を始められたそうです。

さらに、「Quality Cloud」についても説明がなされ、これは主に製薬会社の工場向けのアプリケーションで、品質管理の維持向上に貢献。以前はDevelopment Cloudの一部だったそうですが、今年から独立したクラウドとして提供されていて、これはユーザーの80%が工場からのアクセスであることを考慮した戦略だそうです。

生産性を大幅に向上させる実用的な「Veeva AI」をデモを用いて紹介

最後にCRM製品を担当する内田洋亮氏から、5月にボストンで開催されたコマーシャルサミットで発表された「Veeva AI」についての説明がなされました。

Veeva AIにはAI AgentsとAI Shortcutsの2つの機能があると紹介され、これらはVault Platform上に実装され、各アプリケーションがこれらを利用して顧客に価値を提供します。
内田氏はデモを通じて、AI Agentsの一種である「CRMボット」の機能を紹介しました。

このボットはMRが医師とのエンゲージメントを高めることを目的としており、情報の要約、必要なアクションや適切なスライドの提示を行う他、音声でのコントロールや、コンプライアンスに配慮したフリーテキスト入力機能も実装される予定です。

最後に、7月10日に東京でVeeva コマーシャル&メディカルサミットを開催する予定であることが発表されました。このイベントでは、新製品の発表やロードマップの紹介、顧客事例の発表などが行われる予定だそうです。
薬の開発から流通に至るまで、一気通貫で製品やサービスを提供するのがVeevaの強みであり、最大の価値だと語る千葉氏。
Veevaは顧客である製薬企業がより良い治療や薬をより早く届けることを目指し、私たちの健康を陰でサポートしてくれています。

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