風邪を引いたら大病院!は迷惑行為!?賢い病院の通い方

2015/12/03
桜井すぺいし

「ちょっと体がだるい…風邪ひいたかな?」

そんな時あなたは、「病院」「診療所」のどちらに行きますか?

 

迷わず「名医のいる大病院へ」なんて方はいませんか?実はソレ。ちょっとした迷惑行為なんですって!

 

意外と知らない”賢い病院の通い方”についてちょっとだけ考えてみましょう。

診療所と病院は役割が違う!

そもそも、診療所と病院の違いを知っていますか?

ざっくり言うと「ベッド数の違い」です。

入院のためのベッドが19床以下の病院を「診療所(クリニック)」。

20床以上をあるのが病院とされています。(他にも医師の数など規定がある)

 

そして重要なのが、診療所と病院では「役割」が違うということ。

診療所は「初期医療」といわれる、風邪などちょっとした体の不調を診る外来が中心。

病院は、入院や救急のほか、診療所では診られない手術や化学治療などの「高度医療」を担当。(他、教育や研究の役割も兼ねる大学病院や、高齢者医療など病院ごとに機能・役割がある)そう国が決めているんです。

医療施設の9割が診療所

現在日本には、8480の病院と10万995※の診療所があり、医療施設の9割が診療所なんです。

大抵の診療所は連携する病院があり、異常があればスムーズに病院へバトンタッチするという仕組みが作られています。

ですから、わざわざ遠くの大学病院へ行かずとも、まずは近くの診療所に通うというのが基本ルールというわけです。

※(【外部リンク】厚生労働省 医療施設動態調査

 

ですが「名医に診てもらいたい」「施設が立派だから」と、軽症でも大病院を選ぶ患者さんは後を絶たず、待合室はいつでも大混雑。

 

このしわ寄せは、専門治療を必要とする患者さんにまで影響しているそう。大病院と診療所では「役割」が違うということをもっと認知しなければならないですね。

診療所が”お得”にできている!

もちろん国としても、何でもかんでも病院に行くという慣習を変えようとあれこれ知恵を絞っています。その一つが「特別料金の加算」です。

ちょっと乱暴な言い方ですが、診療所の方が”お得”になる作戦です。

特別料金がお得

同じ治療を受けても、大学病院など、ベッド数が200床以上ある大病院に紹介状なしで行くと、通常の医療費のほかに「特別料金」を取っていいことになっています。

 

これは該当する病院が各自で値段を決めるもので、大体、2、3千円というところが多いそうですが、5千円や8千円、1万円というところもあるんですよ。

保険は効かないので全額自費です。これは、何が何でも大病院派の人にとってもかなり厳しいハードルですよね。

(厚生労働省「平成27年度主な選定療養に係る報告状況」より)

意外と知らない診察料の”加算”

また病院や診療所に共通することとして、手厚いケアをしていたり、施設を十分に備えていたりと、色んな規定をクリアするごとに料金を上乗せできる”○○加算”というものが沢山あります。

 

その中で注意したいのが、診療の時間!いつ受診したかによって随分と値段が変わってくるんです。

 

初診料は、病院でも診療所でも「282点」。

 

1点は10円なので2820円。保険証があれば3割負担で850円。

 

で、す、が!

 

病院の決めた診療時間外に受診すると(お昼休みの間なども含む)

⇒「時間外加算」850円(3割負担で255円)

 

日曜・祝日・年末年始に受診すると

⇒「休日加算」2500円(3割負担で750円)

 

深夜に救急患者を受け入れた場合などは(22時〜6時)

⇒「深夜加算」4800円(3割負担で1440円)

 

また、診療時間内であっても、

⇒早朝6時から8時、夕方18時から22時、土曜日の12時から22時などに「夜間・早朝加算」として500円(3割負担で150円)上乗せされています。

(※医療機関ごとに設定している時間が違います)

 

平日18時から、土曜はお昼すぎから、というのはびっくり。気づかないうちに加算されていたんですね。安く済ませたい場合は、平日の夕方までに行くのがお得ということですね。

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桜井すぺいし
この記事を書いた人

桜井すぺいし

東京都出身。ロックとお笑いとアイドルが大好きな放送作家。ど真ん中よりも隅っこの吹き溜まりを好み、斜め下から世間を注視。世の中にはまだまだ天才が埋もれている。 そんな方たちと出会うたびに長生きしたいと思っています。

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