超高齢化社会まっしぐらのニッポン。家族や大事な人の葬儀で、ある日突然、喪主になるというケースも少なくない。新入学や新入社、異動、転勤といった節目もこの時期に、「葬儀リテラシー」なる意識・実態調査を実施し、結果が公表された。
調査を行ったのは、85年以上の歴史と、年間1万件超えの葬儀実績をもつ、公益社。同社は、ことし3月7・8日、喪主の経験がある20~80代の男女500名を対象に、葬儀リテラシーに関してインターネット調査を実施。次のような結果が明らかになったという。
調査結果サマリー
喪主決定は「通夜の直前」、心の準備ができないままが半数
葬儀について故人と「話ができていなかった」という喪主が6割超
喪主を務めた葬儀で「後悔している」が半数
葬儀知識の有無が「葬儀の内容や満足度に影響する」が7割超
―――さらに、喪主たちからは、「葬儀費用が2倍」や「火葬場難民」といった声も出てきたという。
では、昨今の「葬儀リテラシー」には、どんなリアル事情があるか。
喪主決定は「通夜の直前」、心の準備ができないままが半数
まず、喪主を初めて務めたときの年齢については、平均が47.1歳で、50歳未満で喪主を務めた人が52%で半数以上に。初めて喪主を務めたときの故人は、どのような続柄の方だったかを聞くと、父が61%で最多。母23%、配偶者7%と続く。
また、喪主になることが決まったのは、「通夜の直前(当日・前日)」が47%と約半数。心の準備ができないまま、急に喪主を務めることになったというケースが多いという。
葬儀について故人と「話ができていなかった」という喪主が6割超
故人と生前、葬儀について十分な話ができていたかについては、「十分にできていた」が15%と、わずか1割台。
61%が、「話ができていなかった」と。その理由は「話すきっかけがなかったから」が39%と最も多く、「話す時間的なゆとりがなかったから」が35%、「話をする必要性を感じなかったから」が28%、「縁起が悪いと感じたから」が21%、「自分が考えたくなかったから」が20%と続く。
喪主を務めた葬儀で「後悔している」が半数
喪主を務めた葬儀に「後悔している」が49%。その理由はこうだ。
「本人の希望を聞けなかった」「親戚や知人などを把握できていなかった」(44歳・女性)
「安易に近所の葬儀会社へ依頼してしまったが、もっと事前に葬儀について調べておくべきだった」(60歳・男性)
こんな声から、同社は「事前の準備不足を後悔する人が多い」とコメント。また、「費用が想定の2倍以上になった」(61歳・男性)、「冬場の混雑期で、火葬場がなかなか押さえられなかった」(73歳・男性)など、「想定外のことがあった」という人が53%もいたという。
葬儀知識の有無が「葬儀の内容や満足度に影響する」が7割超
喪主になってから葬儀に関する知識不足を感じた人は、68%。
厚生労働省認定の技能審査「葬祭ディレクター」の資格を持つ社員が250名以上在席する公益社は、「葬儀リテラシーが低いまま喪主になった人が多い」とコメント。
また、同社はこうしたデータから、「葬儀会館に足を踏み入れる機会は、普段なかなか無いもの。事前に会館内の設備やようすを確認しておくと、いざというときも安心。『葬儀リテラシー』を高めるイベントやセミナーを定期的に開催中。詳細は公益社ホームページへ」と伝えている。