
紫外線対策への意識が薄れがちな冬の季節ですが、紫外線は一年を通して降り注いでおり、肌や体に影響を与えています。また、冬は乾燥や寒さの影響で肌のバリア機能が低下しやすい時期。そこで、冬こそ意識したいのがスキンケアに加えた内側からのケアです。今回は冬の紫外線対策を意識した栄養素や、その働きについて管理栄養士の尾澤真紀さんに聞いています。

管理栄養士・尾澤真紀さん
Jリーグの名古屋グランパスにて専属栄養士として活動するなど、アスリートのパフォーマンスやコンディショニングのサポートに従事。現在はフリーランスの管理栄養士として活動。
冬も紫外線への対策を

実は冬の紫外線も油断は禁物。量は夏より少ないものの、雲や窓ガラスを透過する性質があり肌の奥まで届く「UV-A」は一年を通して安定して存在しています。このUV-A は、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を支える成分に影響を与え、シワやたるみなどを引き起こす要因のひとつとされています。
冬の紫外線対策におすすめの栄養素
冬は紫外線でダメージを受けた肌を乾燥から守り、バリア機能を保つためにも、保湿ケアの重要性が高まります。また、肌の外側からのケアに加えて欠かせないのが、内側からのインナーケア。肌の修復や保護に役立つ栄養素を意識して摂ることが大切です。ここからは具体的な栄養素について詳しく紹介します。
・健やかな肌作りをサポートする「ビタミンC」

ビタミンCは、体内で発生する活性酸素を抑える働きを持つ抗酸化ビタミンのひとつ。酸化による細胞へのダメージを防ぐことで、体や肌の調子を保つのに役立ちます。※1 また、紫外線を浴びると、体内では活性酸素が発生しやすくなり、肌のハリを保つコラーゲンに影響を与えることが知られています。ビタミンCは、このコラーゲンの合成に関わる重要な栄養素です。※1
ビタミンCは水溶性で体に蓄積されにくいため、毎日の食事でこまめに摂ることが大切。果物や野菜など、手軽に取り入れやすい食品からバランスよく摂取しましょう。
※1参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・皮膚や粘膜の維持をサポートする「β-カロテン(ビタミンA)」

β-カロテンは、体内で発生する酸化ストレスから細胞を守る抗酸化作用を持つ栄養素。また、体内で必要に応じてビタミンAに変換される「プロビタミンA」としても知られています。※2 ビタミンAは皮膚、粘膜の健康維持や、網膜での光刺激反応に重要な役割を果たします。さらに、体内でレチノイン酸として作用することで、細胞の増殖や分化をサポートします。※3
にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に豊富に含まれており、脂溶性のためオリーブオイルやごま油などの油と一緒に摂ると吸収率が高まります。また、長時間の加熱や保存で一部失われることがあるため、調理法や保存方法を工夫して摂ることが大切です。
※2参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」
※3参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・炎症性物質の生成を抑える「n-3系脂肪酸」

n-3系脂肪酸は体内で作れない必須脂肪酸で、皮膚の健康維持に関わる栄養素です。高トリグリセリドの人では、中性脂肪値を下げる作用が報告され、血中脂質の改善に寄与する可能性があります。※4 EPA・DHA は、サバ、イワシ、サンマなどの青魚に豊富に含まれています。刺身や煮る・蒸すといった調理で摂ると脂質を損なわず効率的です。
※4参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
専門家おすすめのメニュー

・ツナかぼちゃサラダ
かぼちゃの甘味にツナの旨みとナッツの香ばしさがマッチしたサラダ。かぼちゃに豊富なβ-カロテン(ビタミンA)が皮膚や粘膜の健康維持をサポートし、ビタミンCが酸化ストレスを抑え、体や肌の調子をサポートします。さらに、ツナやナッツに含まれるn3系脂肪酸(EPA・DHA)も、皮膚の構造や健康を保つ栄養素です。 彩りもよく、作り置きも可能で忙しい日でも手軽に栄養を補給できるのが魅力のサラダです。
冬の季節も紫外線ダメージに気を配り、一年を通して肌の健康を守っていきましょう。 WEBサイト「大塚製薬 栄養素カレッジ」では健康と栄養素についての正しい知識を発信しています。
URL: https://www.otsuka.co.jp/college







