2016年3月5日、アメリカのプログラマー、レイ・トムリンソン(74)さんが亡くなったと世界で報じられました。
「誰それ?」と思う人も多いかもしれませんが、実は電子メールのアドレスに“@”を使うと決めた人なのです。
- レイモンド・サミュエル・トムリンソン(Raymond Samuel Tomlinson, 1941年4月23日 - 2016年3月5日)。ニューヨーク州アムステルダム生まれ。1963年にレンセラー工科大学(RPI)で電気工学の理学士号を取得。在学時はIBMのインターンシップに参加した。RPI卒業後もマサチューセッツ工科大学(MIT)に入学し電気工学の研究を続け、1965年に電気工学の修士号を取得。電子メールのさきがけとなるシステムを開発した。
出典 Wikipedia
“@”は何故できたのか?
トムリンソンさんが“利用者名@所属名”という電子メールの原型を発明したのは1972年頃、なんと約45年前のことです。
トムリンソンさんは、利用者と所属を区切るには何を用いればいいか悩んだそうです。というのもアルファベットは使えないし、新しい記号を作ると普及に時間が掛かるし、何かないものか…と思っていたところで、すでにタイプライターなどにも並んでいた@を選びました。
そもそも@とは、物の単位を表す時に使用される記号で、
例)3 Apples @ $1.00
と表記すると「1つ1ドルのりんごを3個」という意味になります。
こんな風に@は今でもお店などで使われています。
“@”はいつ頃からあるのか?
実はかなり古く、1448年にヨーロッパで書かれた文書で見受けられるのでその頃には既に存在したと思われます。また、それ以前にもギリシアの水量の単位として使われていた記録もあるようで起源となると諸説あって特定できないようです。
“@”アットマークと呼ぶのは日本だけ?
“@”をなんと読みますか?
「アットマーク」と言う人が殆どでしょうけど、これは日本だけで使う和製英語だって知っていましたか? だから外国人には通じません。
しかもアットマークとは通称で日本での正式名称は「単価記号」と呼ぶんだそうです。
アメリカでは「at sign(アットサイン)」と呼ぶのが普通のようで、しかも、メルアドを口頭で伝える時は◯◯at△△としか言いません。
「at」は英単語で“場所や位置”を意味することから、トムリンソンさんも@が電子メールに使用する記号に適当と考えて用いたようです。
日本で“アットマーク”と呼ぶようになったのは、英単語のatと@記号が印のように見えたから“at mark”と誰かが言うようになり広まったのではないかと推測されます。
“@”THE WORLD!
@を日本ではアットマーク。アメリカではアットサイン。じゃあ、他の国は? これが更に面白いのです。(※国内でも地域によって違いがあるようです)
イタリア@【エスカルゴ】
- イタリアのアットマークは【エスカルゴ】
オランダ@【猿のしっぽ】
- オランダのアットマークは【猿のしっぽ】
出典http://www.my-panorama.com/slideshow/130orana/itiran130.htm
スウエーデン@【シナモンロール】
- スウエーデンのアットマークは【シナモンロール】
デンマーク@【象の鼻】
- デンマークのアットマークは【象の鼻】
出典http://ylem-work.com
ノルウェー@【豚のしっぽ】
- ノルウェーのアットマークは【豚のしっぽ】
出典http://yoltuti.hamazo.tv/e1283497.html
その他に、なぜそう呼ぶのかちょっとわからないものも……
ロシア@【仔イヌ】
ギリシア@【小さなアヒル】
フィンランド@【猫の鳴き声】
世界共通の記号と言える@。
目視だけなら世界共通ですが、口に出して言うと国によってバラバラで分かりにくいというのもなんだか面白いものです。