生真面目な性格ゆえか、日本人は休むのが下手だ。インフルエンザが流行した今年初旬には、「インフルエンザだけど出社する」という趣旨の投稿を見つけて驚いた。もちろん、これは極端な例だが、つまりは、それほど世の中に「休む=悪いこと、申し訳ないこと」という意識が広がっているのだろう。
とはいえ、政府もようやく本格的な“テコ入れ”に乗り出した。今後はキッズウィークや有給取得日の増加といった制度設計も進められるだろう。休み下手な人が気兼ねなく休むためにも、まずは個々人で意識を変えていく必要があるだろう。
「〇〇だから休みます」が間違っている理由
昨年末、あるtwitterユーザーの投稿が話題を集めた。免許更新を理由に有給を申請したところ、上司から理由はいらない。出し直せと却下されたという内容だ。休むのに理由がないことを行動で示したカッコいい例として共感する人が多かったという。
たしかに周囲が忙しそうなときほど、休みづらいものはない。無意識に休むのにふさわしい理由を探してしまう。だが、本来は「私用で」「私事都合で」が認められるのが普通なのだ。“空気を読み過ぎる”のは良くも悪くも日本人の特徴かもしれないが、休む際に理由はいらないと自分で納得できれば、ちょっぴり心が軽くなるはずだ。
正しい休み=時間を潰すではない
仕事一筋の反動なのか、働き方改革によって残業せずに帰る人が増えると思ったら、真っ直ぐに家に帰りたくない“フラリーマン”なる会社員が街に増え始めた。思い思いに時間を潰して帰るようだが、これこそ、休み下手の典型だろう。
なぜなら、自分が何でリフレッシュできるかを知っていれば、ムダに時間を使おうとは思わないはずだからだ。「勉強する」「ドラマを観る」「スポーツをする」「小説を読む」。本当に休みを満喫したければ、まずはなんでもいいので、どうすればストレスがなくなるかを見つめ直す必要があるといえるのだ。
「今度は自分の番」と思えばいい
「休み方改革」はある意味、組織の意識を変える改革でもある。それを物語るのが『〇〇さんばかり休んでいる』『私は休んでいない』というやっかみだ。産休育休で特定の人が休みがちな職場によくあると聞くが、これも個々人の意識を変えるほかない。
自分以外の人が休んでいたとしても、ある意味、“貸し借り”と思い、「誰かが休んだら、今度は自分の番」と思えばいい。同僚や後輩が休んだときの対応ひとつで、その人の心の余裕がわかるのだから、ひがんだところで何も変わらないのであれば、気持ちよく送り出したほうが、後々自分のためにもなるものだ。
休み方改革は結局のところ。自分の意識ひとつで大きく変わる。どんなに忙しくても十分にリフレッシュできている人がいることを考えれば、向き合い方を考え直してみるのもいい方法なのではないだろうか。