音楽クリエイター・ヒャダインさんが、「乾癬(かんせん)」という皮膚病に悩む患者に向けた応援ソング『晴れゆく道』を発表しました。
これは、乾癬啓発普及協会と製薬会社アッヴィが「夢」をテーマに患者から募集したメッセージをもとに制作した曲で、歌詞のサビにある「この肌を誇ろう」は「病気と向き合って頑張っている自分を誇ってほしい」という気持ちを込めたもの。
ヒャダインさんは「曲を通じて乾癬への正しい理解が広がれば嬉しい」とコメントしています。
~「晴れゆく道」ミュージックビデオ~
実は、ヒャダインさんも乾癬に悩む一人の患者です。乾癬の症状が出始めたのは2012年ごろで、最初は肌が少し痒いな…くらいだった所が徐々に赤く盛り上がり、やがて皮膚がうろこのようにはがれるようになりました。
テレビなどで色の濃い衣装を着るときは剥がれた皮膚が服に付いて白く目立つため、よく手で払っていたそうです。また、人前で裸になりたくなくて大好きなサウナにも行かなくなったとのこと。
2015年から本格的な治療を始め、今は、症状はかなり落ち着いているそうです。
カミングアウト
日本に40~50万人の患者がいるとされる「乾癬」という病気、聞いたことがある人も多いはずです。病名が世間に広まったのは、モデルの道端アンジェリカさんがInstagramにアップした1枚の写真がきっかけとか。
ネットで「スーパーフードを食べているのに肌が汚い」と書き込まれているのを見て
「私は昔から乾癬という皮膚の病気を患っているんです」と打ち明けました。
その後、ヒャダインさんを始め、声優の鈴木裕斗さん、芸人の故・春一番さん。海外ではシンディ・ローパー(歌手)、アート・ガーファンクル(サイモン&ガーファンクル)、フィル・ミケルソン(プロゴルファー)など、乾癬に悩まされる多くの有名人がいることがわかり、認知度が高まりました。
そして、SNSで「私も乾癬です」という人がたくさん声を上げ、この病気の大変さが伝わることによって周囲の理解者も増えたと言います。
これが尋常性乾癬です!!!!
— よピコ (@piyopiyoyoshiko) 2019年2月20日
皆さん知ってください!!!!
こんなに赤く気持ち悪いかもしれないけど、乾癬は感染しません!!!!
そして、乾癬で、悩んでる方!!!!
時間ががかるけど、自分にあった薬を探していきましょう♪ pic.twitter.com/xjnrBNBiXX
シャレじゃなく感染はしません
知人に乾癬の男性がいました。彼と出会った頃、肘を見て「アトピーなんだ」と思っていました。そしてある時「これは皮膚病でけっこう大変なんよ」と話してくれました。7年ほど前でしたが乾癬を知ったのはこの時です。
“皮がポロポロ剥がれちゃうので部屋の掃除が大変。会社のデスク周りも汚すからちょっと申し訳ない”と話していました。自分の症状はまだ軽い方だと行っていましたが、でも、ちょっと驚いたことが。
「100%治せる治療方法が見つかってないんよ」。
そう、実は厄介な病気なんだそうです。治る人は治るけど、いろいろ治療法を試しても良くならない人も多いとか。医師と相談して最善の治療方法を見つけていくしかないそうで、費用も高額になる場合もあるそうです。
また、よく聞かれるのが「人に感染するのか?」だそうです。
乾癬「かんせん」と言うので、シャレじゃなくて「感染する病気」と誤解されることが多いそうです。部位に触れたりなどしても、人に感染することはないとのこと。
誰にでも急にかかる可能性
ヒャダインさんのように、なんの前触れもなく乾癬が襲ってくる場合があります。
原因は判明していません。皮膚を掻くなどの物理的な刺激や、薬、感染症、ストレスなど、さまざまな理由で乾癬の皮疹は起こりやすくなるそうで、特に、連続して刺激を受けやすい部位や日光の当たりにくい部位に出やすいという特徴があるとのことです。
最初に出やすいのは・・・
・頭皮や髪の生え際
・肘
・膝
・腰のまわり
多くの場合、はじめに頭皮に皮疹が出ます。しかしこれが乾癬だと気づくはずもなく、頭部のフケが異常に増えて頭が痒くてたまらない日が続きます。そこで「どうもおかしい」と気づく人が多いそうです。
特に小さな子供は、痒いので掻いているだけの行為が長く続き悪化してしまう恐れもあるので、親が気づいてあげられるかが重要だそうです。
乾癬は5種類
以下はネットで得た情報ですが載せておきます。気になる方は検索して専門ページで詳しく調べてみてください。勇気を出してTwitterに乾癬の症状の写真を載せている方がいらっしゃいますので、引用させていただきます。ご了承ください。
【尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)】(乾癬全体の約90%)
乾癬の中で最も多い種類。全体の約9割を占めます。主な症状は、皮膚が赤く盛り上がる「紅斑(こうはん)」、細かいかさぶたのような「鱗屑(りんせつ)」、フケのようにボロボロとはがれ落ちる「落屑(らくせつ)」です。一般に乾癬といえば、この尋常性乾癬のことを指します。
【乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)】(乾癬全体の約3~10%)
関節が腫れたり、痛んだり、関節の変形をきたす。関節リウマチのようですが違います。関節の腫れは、手や足の指の第一関節に多く見られます。
乾癬の皮疹が出た後に関節の症状が現れてきますが、それは皮疹が出てから数ヵ月後の場合もあれば、数年後、十年後というケースもあります。日本では、近年、乾癬性関節炎と診断される患者さんが少しずつ増えています。
【滴状乾癬(てきじょうかんせん)】(乾癬全体の約4%)
滴状乾癬と掌蹠膿疱症とのコラボ。。。https://t.co/9nxSzpxML2 #滴状乾癬 #掌蹠膿疱症 pic.twitter.com/8sbUuqaKUd
— つぶっくす (@tsubooks_com) 2019年3月21日
溶連菌感染(扁桃炎)の後などに、直径1センチほどの大きさの皮疹が、急に全身に現れます。多くの場合、溶連菌感染の治療で治りますが、慢性の病気である尋常性乾癬に移行する可能性があります。
【乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)】(乾癬全体の約1%)
左:トルツを打つ前
— bar (@_bar_rab_) 2019年2月21日
右:トルツを打った後
たった10日程でこんなに変化しました。 pic.twitter.com/dpCiZ8zEMN
尋常性乾癬の皮疹が全身に広がり、皮膚全体の80%以上が赤くなった状態です。最初から赤い“紅皮症化”の状態で発症するケースは稀ですが、不適切な治療、薬剤や感染症などの影響で、尋常性乾癬から乾癬性紅皮症に移行する場合が多いようです。
【汎発性膿疱性乾癬(はんぱつせいのうほうせいかんせん)】(乾癬全体の1%以下)
発熱、悪寒、全身倦怠感などを伴い、全身の皮膚が急激に赤くなります(紅斑)。さらに、膿疱(うみを持った水疱)が多数現れる場合もあります。これは重症で、放っておくと衰弱死してしまう場合もあります。
尋常性乾癬の患者に生じることもあれば、乾癬の症状がなくても突発的に発症するケースもあり、入院による加療が必要です。
発症頻度は非常にまれですが、難治性で、治療に急を要するため、厚生労働省難治性疾患克服研究事業の指定難病に指定されており、認定基準を満たせば医療費助成が受けられます。