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アメリカ・フロリダ州タンパにて5月1日(現地時間)に開催された、プロスケーター達の祭典Tampa Pro(タンパプロ)2022(今年で28回目)で、根附海龍(ねつけかいり)が8位、堀米雄斗が11位と大健闘。
2人は4月24日のX Games Chiba出場後すぐの大会だったが、2日間(初日が予選、2日目に準決勝・決勝)に渡り見事な滑りを見せてくれた。
優勝はタンパの特徴的なセクションでもある、キンクレール(途中で折れ曲がっているレール)でフロントサイドクルックグラインドからフロントサイドフィーブルグラインドなどの滑りで、見事パーフェクトランを見せたジェイミー・フォイ。2位にヴィンセント・ミルウ。3位はジェイク・イラーディとなった。
タンパプロは、予選ではコース内を自由に滑走する1分のランを2本行い、その内のベストスコア(最高得点は100点満点)で順位を決め、トップ1.2位は直接決勝へ進み、3位から30位までが準決勝へ進む。
準決勝は予選突破者に加え、過去のタンパプロチャンピオンが加わり、60秒のランを2本行い、上位10名が決勝へ進む。
決勝は準決勝進出者と、予選1,2位の合計12名が1分のランを3本行う。
今大会で活躍したスケーターには、世界最高峰の大会であるストリートリーグ予選出場の機会が与えられた。
【Tampa Proとは〜他では決して見られないスケーターの為の大会〜】
(YouTube:https://youtu.be/TTUiwaVqAY0)
※予選の映像
タンパプロは、タンパアマの優勝者やグローバルなカンパニーに所属するプロスケーターにのみ参加資格がある大会。スケーターがスケーターの為に行う歴史あるコンテストで、歴代の優勝者もそうそうたる名前が並ぶ。
2010年ポール・ロドリゲス 2011年デニス・ブセニッツ 2012年トーリー・パドウィル
2013年ルアン・オリベイラ 2014年ナイジャ・ヒューストン 2015年ルアン・オリベイラ
2016年シェーン・オニール 2017年ルイ・ロペス 2018年ジャガー・イートン
2019年カルロス・リベイロ(この年の3位は池田大亮) 2020年・ナイジャ・ヒューストン
2021年シェーン・オニール
スケートボードが好きな人なら1度は憧れたスター達ではないだろうか?
個人的にはレジェンドクラスのスケーターの滑りも楽しめる所が、タンパプロの醍醐味でもあると思っている。
スケートボードシューズNike SB、不朽の名作であるジャノスキーモデルのスケーター、ステファン・ジャノスキー(42歳)や40代前後のスケーターなら若い頃にToy MachineのWelcome to Hellというビデオでその滑りを目にしたであろう、ブライアン・アンダーソン(45歳)など、往年のプロも現代のトップスケーター達と一緒にコンテストを楽しんでいる。
※2人共、予選の映像ヒート1に登場
そして今大会、最年長出場者はなんと59歳のロン・アレン。
80年代スケートシーンの進化に大きな役割を果たしたレジェンドで、今大会では見事なポップショービットレイトフリップという技で会場を沸かせた。
予選の映像2:57:00辺りからランを見る事が出来ます
彼らは何歳になってもチャレンジする楽しみを教えてくれる素晴らしいスケーターであり、これは他の大会では見られない光景だ。
【大健闘するも〜スケートコンテストの聖地に潜む魔物〜】
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堀米雄斗は予選を見事な滑りで2位通過し、決勝進出を果たす。
根附海龍も準決勝でパーフェクトランを披露し、首位で決勝に進んだ。
昨年のタンパプロでも根附は、準決勝首位で決勝に進み7位の成績を残しているが、この時フルメイク(1度もミスする事なく滑り切る事)する事が出来れば間違いなく表彰台といった滑りを見せている。
今年こそはフルメイク!とはいかなかったが、ビッグスピンフロントボードや、代名詞でもあるヒールフリップからのバリエーション溢れるトリックと予選、決勝を通して1度も外さなかったバックサイドクルックドグラインド・ノーリーフリップアウトで会場からは歓声があがっていた。
以下、根附海龍3本目のラン
1 バックサイドスミスグラインド
2 ビッグスピンフリップ フロントサイドボードスライド フェイキー
3 フロントサイドテールスライド ショービットアウト
4 バックサイドK(クルックド)グラインド ノーリーフリップアウト
5 キャバレリアルヒールフリップをミス。
6 ヒールフリップフロントサイドブラントスライド フェイキー
7 トレ(360)フリップ
8 ヒールフリップフロントサイドノーズスライド
9 ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライドをミス。
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堀米は予選で完璧なランを見せ、圧倒的なオーラを見せた。
先日のX Gamesでも感じた事だが、トリックに入る時の構え、スタンスの取り方、すべてが美しい芸術のようで、見ていて“絶対に決めるだろうな”そんなオーラを感じさせる滑りを予選でも見せたが、決勝ではミスが続き11位に。
タンパの大舞台で何が2人にそうさせるのか?
実際には当日、本人のコンディションに何か問題等があったのかもしれない。
そしてもちろん2人共予選、準決勝よりも高難度のトリックに挑んでいるのだが、東京五輪、X Games金メダリストでさえもフルメイクさせない何かが、聖地には潜んでいるのかもしれない。
とはいえ、タンパプロという素晴らしい大会で8位と11位は大健闘であり、素晴らしい滑りを見せてくれた2人に大きな拍手と賛辞を送りたい。
(YouTube:https://youtu.be/RYMpwZ7E0aU)
※準決勝と決勝の映像
【Tampa Pro2022結果】
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1位・ジェイミー・フォイ
2位・ヴィンセント・ミルウ
3位・ジェイク・イラーディ
4位・フェリペ・グスタヴォ
5位・ナイジャ・ヒューストン
6位・ケルビン・ホフラー
7位・カルロス・リベイロ
8位・根附 海龍
9位・アクセル・クライスバーグ
10位・アレックス・ミドラー
11位・堀米 雄斗
12位・ルーカス・ラベロ
タンパプロ賞金
1st - $10,000 2nd - $5,000 3rd - $3,000 4th - $2,000 5th - $1,000
6th - $800 7th - $700 8th - $600 9th - $500 10th - $400 11th - $300 12th - $200
文・小嶋勝美
スケートボードに関する情報を幅広く執筆する、スケートボードライター兼放送作家兼スケーター。
10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。