【WSTストリート世界選手権2023東京】白井空良&織田夢海が優勝!根附海龍が準優勝 堀米雄斗&西矢椛が3位

2023/12/19
放送作家 小嶋勝美

パリオリンピックの予選を兼ねたスケートボードの世界選手権「ワールドスケートボード(World Skateboarding Tour以下WST)ストリート世界選手権2023東京」の決勝が12月17日に江東区の有明コロシアムで開催され、男子は白井空良(22歳)女子は織田夢海(17歳)がダブル優勝。

さらに根附海龍(20歳)が準優勝、東京オリンピック金メダリストの堀米雄斗(24歳)が3位となり、男子は日本勢が表彰台を独占!

他にも13歳の小野寺吟雲が6位に入賞した。

ナイジャ・ヒューストン/スイッチフロントサイドキックフリップ

怪我で棄権したUAEシャルジャでの世界選手権(今年2月に開催)以外、WST全ての大会で優勝しているアメリカのキングオブキングスこと、ナイジャ・ヒューストンは準決勝トップで決勝に進んだが、決勝のランを2本ともフルメイクすることができず、7位で今大会を終えた。

女子はブラジルのライッサ・レアウ(15歳)が準優勝、東京オリンピック金メダリストの西矢椛(16歳)が3位で表彰台に上がった。

日本勢は他にも、ベストトリックでキックフリップフロントサイドボードスライドやフロントサイドハリケーングラインドなどを決めた吉沢恋(14歳)が5位、バックサイドハリケーングラインドやバーレーグラインドなどを決めた赤間凛音(14歳)が6位、フロントサイドKグラインドなどを決めた中山楓奈(18歳)が7位にそれぞれ入賞。

ライッサ・レアウ/キックフリップバックサイドリップスライド

WST(パーク種目も含む)中国勢初の決勝進出となったチェンシー・ツイ(サイ シンギ13歳)が決勝8位でフィニッシュ。

ベストトリックでは最後までキックフリップバックサイド5-0グラインドという高難度トリックにチャレンジし続け、最後には前方のトラックが入ってしまい50-50グラインドになってしまったが、なんとか着地まで成功させた。

チェンシー・ツイ/キックフリップバックサイド50-50グラインド

今年9月に行われたアジア大会でも、日本の織田夢海や伊藤美優を破っての優勝をおさめている13歳。今後の成長が気になるところ。

クロエ・コベル/スイッチキックフリップ

そして同じく13歳、オーストラリアのクロエ・コベルはランで不運なスリップがあり、スコアを伸ばすことができなかったが、ベストトリックではメインステアでスイッチキックフリップを決めるなど、新世代のスイッチトリッカーとしての実力を見せ意地の4位入賞となった。

今大会はWST初となる日本開催であり、WSTフェーズ1の中ではパリオリンピックに出場するためのオリンピックポイントが最も加算される世界選手権(その他の大会はプロツアーという名称)、およそ50カ国、200名以上の世界各国を代表するストリート選手が有明に集った。

【日本勢同士の争いが熾烈!パリ五輪に出場するには】

オリンピックランキング7位、堀米雄斗

パリオリンピックスケートボードは1種目につき22名までの出場が予定されているが、1ヵ国最大3人までの出場となるため、オリンピックランキングで上位に入っていたとしても国内選手との上位争いも重要になってくる。

今年9月に行われたローザンヌ大会終了時点で日本勢男子のオリンピックランキング上位は、5位に白井空良、7位に小野寺吟雲、8位に佐々木音憧、12位に堀米雄斗、15位に根附海龍、17位に青木勇貴斗と位置していたが、今大会の結果を受けてオリンピックランキングは…

2位に白井空良、5位に小野寺吟雲、6位に根附海龍、7位に堀米雄斗、10位に佐々木音憧、17位に青木勇貴斗と変動した。

オリンピックランキング7位、吉沢恋/ビッグスピンフロントサイドボードスライド

日本勢女子のオリンピックランキングは、今大会前は20位以内になんと8人がランクインする大混戦。

上から1位西矢椛、3位に織田夢海、4位に赤間凛音、6位に中山楓奈、8位に吉沢恋、11位に上村葵、13位に伊藤美優、16位に中島野々花と続いており、

今大会の結果を受けて日本勢上位は…

1位西矢椛、3位に織田夢海、5位に赤間凛音、6位に中山楓奈、7位に吉沢恋、10位に伊藤美優、13位に上村葵、20位に藤澤虹々可が入り、21位中島野々花となり21位以内になんと9名がランクインする形となった。

フェーズ2に進めるのは各国6人まで、来年3月に控えるフェーズ1最後のUAEドバイ大会(プロツアー)まで熾烈な戦いが続く。

フェーズ2は現時点では5月に上海、6月にブタペストでの開催が予定されている。

【ストリート種目のルールと今後の予定】

45秒間自由にコース内を滑るランを2本と、一つのセクションで1発技を行う、ベストトリックを5本行い、ランのベストスコア1本と、ベストトリックの上位2本の合計得点で順位が決まる。

採点は前回の東京五輪までは1トライにつき10点満点だったが、パリ五輪予選では100点満点で採点され、小数点以下2点まで(最高得点は300.00点)となる。

東京五輪と大きく違う点はラン2本中、どちらか1本は必ず得点にカウントされるため、ランで大きくつまずいてもベストトリックで大逆転、という事はかなり厳しくなった。

今後は来年2024年3月3日10日にUAEドバイで開催されるプロツアーまでがフェーズ1となっており、フェーズ1が終わるとオリンピックランキングをもとに44人(各国最大枠6人まで、開催国枠などオリンピックならではの選考基準もあるため、一概に上位44人とは限らない)が選出され、パリオリンピックの出場枠をかけたフェーズ2の予選大会でパリオリンピックへの出場権を競うことになる。

フェーズ2は現在2024年5月16〜19日に上海大会、6月20〜23日にブダペスト大会が予定されており、最終的なオリンピック世界スケートボードランキングをもとにパリオリンピックに出場できるスケーター22名が決定される。

※12月17日時点、日付は現地時間

【気になるフェーズ2のポイントは】

出典:WORLD SKATEホームページより

https://www.worldskate.org/skateboarding/about/regulations/category/554-olympic-qualifying-system.html

そこで気になるフェーズ2でのランキングポイントだが、今大会期間中にワールドスケートから発表があり1位はなんと26万点!

2位は208000点、3位は176800点と今回の世界選手権(1位は8万点)と比べても大きな差がある。

フェーズ2に進んだ44人はフェーズ1で順位の高かった4大会分のポイントを持ち越してパリオリンピック出場をかけた争いを行うことになる。

※パーク種目は各選手上位3大会分のポイント持ち越しとなり、フェーズ2のオリンピックポイント1位は21万点。

【WST初優勝!パリ五輪向け準備万端・白井空良】

白井空良/ノーリービッグスピンバックサイドテールスライド ビッグスピンアウト

準決勝を3位で決勝に進んだ白井空良。

決勝のランでは、メインハンドレールでバックサイドシュガーケーングラインドやフラットレールでアーリーウープからのフロントサイド270ボードスライド、メインのハバレッジでソラグラインド(アーリーウープ フロントサイド180フェイキー5-0グラインド)、キャバレリアルバックサイドテールスライド フェイキーアウトを完璧に決め、侍ポーズまでフルメイクし、86.00点を獲得。

首位の根附にわずか0.97点差の暫定2位でベストトリックに臨む。

白井空良/ソラグラインド180アウト

以下、白井のベストトリック

1本目(メインハバレッジ)ノーリービッグスピンバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトを決め、95.66点を獲得。

2本目(メインハバレッジ)アーリーウープ バックサイド180スイッチKグラインドを決め、92.85点を獲得。

3本目(メインハバレッジ)ソラグラインド(アーリーウープ フロントサイド180フェイキー5-0グラインド)180アウト をミス

4本目(メインハバレッジ)ソラグラインド(アーリーウープ フロントサイド180フェイキー5-0グラインド)180アウトをミス

5本目(メインハバレッジ)ソラグラインド(アーリーウープ フロントサイド180フェイキー5-0グラインド)180アウトを決め95.15点

東京オリンピックでは悔しい予選落ちを喫した白井だが、パリオリンピックのためにプロスケーターにとっては不可欠なパート(動画作品)撮影などを封印して挑んでいるオリンピック予選の最高峰、世界大会で見事初優勝を果たした。

東京オリンピックでの悔しさをバネに、誰よりもコンテストに注力し、努力を続けた成果が実を結んだ1日となった。

【有言実行!WST初の表彰台・根附海龍】

根附海龍/ヒールフリップバックサイドノーズブラントスライド

準決勝を6位で決勝に進んだ根附海龍は1本目のランで3段のダウンレールでヒールフリップバックサイドテールスライドや、メインハンドレールでバックサイドノーズブラントスライド、ヒールフリップバックサイドリップスライド、クォーターパイプでキャバレリアルヒールフリップ、レッジでバックサイドKグラインドからノーリーフリップアウト、最後にはノーリーインワードヒールフリップリバートなど、とにかく高難度のトリックを全てフルメイクし、86.97点を獲得。

暫定トップでベストトリックに臨む。

根附海龍/ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライド

以下、根附のベストトリック

1本目(メインハンドレール)ヒールフリップバックサイドノーズブラントスライド(今まで見せたことない新技)を決め、93.75点を獲得。

2本目(メインハンドレール)ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライドをミス。

3本目(メインハンドレール)ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボード スライドを決め、92.88点を獲得。

4本目(メインハバレッジ)ヒールフリップバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトをミス。

5本目(メインハバレッジ)ヒールフリップバックサイドテールスライド ビッグスピンアウトをあと一歩のところで惜しくもミス。

最後のトリックは惜しくも決めきれなかったが、大会前に目標としていたメダル獲得を成し遂げ、初の表彰台入りとなる準優勝でオリンピックランキングも15位から一気に6位に浮上。

日本勢の中でも3番手につける大躍進で、ついにパリオリンピック出場が見えてきた。

【準決勝8位からの快進撃・堀米雄斗】

堀米雄斗/バックサイドディザスター

準決勝ではランでの得点がなかなか伸びず、決勝進出ボーダーラインぎりぎりの8位で決勝に進んだ堀米雄斗。

決勝のランではスイッチフロントサイド180 Kグラインドやノーリーバックサイド270ボードスライド、ノーリーフロントサイド270ボードスライドなどをメインハンドレールで決め、フルメイクの滑りを見せると、2本目のランではスイッチフロントサイド180 Kグラインドをノーリーヒールフリップバックサイドボードスライドに変えて、さらに難易度を上げたランを見せ84.62点を獲得。

暫定3位でベストトリックに臨む。

堀米雄斗/ユウトルネード

以下、堀米のベストトリック

1本目(メインハンドレール)ノーリーフロントサイド180 スイッチ5-0グラインド 180アウトを決め、89.50点を獲得。

2本目(メインハンドレール)スイッチ360フリップ リップスライドをミス

3本目(メインハンドレール)スイッチ360フリップ リップスライドtoレギュラーを決め、92.89点を獲得。

4本目(メインハバレッジ)ユウトルネード(ノーリーバックサイド270ノーズスライド 270アウト)を決め、95.77点を獲得。

5本目(メインハンドレール)新技となるノーリーレイトフリップ バックサイドボードスライドにトライするが残念ながらミス。

堀米雄斗/惜しくも決められなかったノーリーレイトフリップ バックサイドボードスライド

最後には新技を決め、東京オリンピックから数えてこれまで負けなしの江東区での大会で、ユウトショーのフィナーレを飾るかと思ったが、今回ばかりはそうはいかなかった。

しかし、準決勝から見事な巻き返しを図り、自身初となるWST初の表彰台へ上がった。

そして奇しくもこの日は、毎年堀米もエントリーはされるものの、まだ一度も受賞したことがないSkater Of The Yearスケーター・オブ・ザ・イヤー通称SOTY)の発表があったが、残念ながら今年もSOTYを逃す形となってしまった。

WSTだけでなく、ストリートリーグやX Games、タンパプロといった多くの世界最高峰と呼ばれる大会に出続ける一方で、毎年ビデオパートの撮影にも力を入れている堀米。

コンテストだけでなくリアルなスケートシーンでも世界最高のスケーターに選ばれる日が待ち遠しい。

【スキルだけでなく精神力も世界一に!念願の初優勝・織田夢海】

準決勝を2位で決勝に進んだ織田夢海。

決勝のランでは1本目をフルメイクすることができず、追い込まれた2本目のランでは、メインのハンドレールでいきなりキックフリップフロントサイドボードスライドを決める。

絶対にミスできない場面で、技の難難易度を上げてくるあたりが「今大会は絶対に優勝するんだ」という意気込みを感じる場面であった。

最後にはメインのハバレッジでバックサイドKグラインドをしっかり決め、84.22点を獲得し、2位のライッサ・レアウと僅か0.07点差ながらトップでベストトリックに進む。

織田夢海/キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド

以下、織田のベストトリック

1本目(メインハンドレール)バックサイドオーバーKグラインドを決め、86.73点

2本目(メインハンドレール)キックフリップフロントサイドフィーブルグラインドをミス。

3本目(メインハンドレール)キックフリップフロントサイドフィーブルグラインドをミス。

4本目(メインハンドレール)キックフリップフロントサイドフィーブルグラインドを成功させ、94.80点を獲得。

5本目(メインハバレッジ)バックサイドテールスライドをミス。

4本目のフリップフロントフィーブルを決めた際には、ライッサ・レアウやナイジャ・ヒューストンからも大きな拍手が送られ、会場中は大歓声に包まれた。

最終トリックでは90.70点以上を決めればライッサ・レアウが逆転という場面で、ライッサは決まれば確実に90点以上が期待される、キックフリップ フロントサイドブラントスライドにトライするが惜しくもミスしてしまい、織田は5本目を滑る前に世界女王が確定した。

【貫禄さえ感じる高いレベルの安定感・西矢椛】

西矢椛/ヒールフリップ

準決勝を6位で決勝に駒を進めた西矢椛。

決勝のランでは1本目のランでスタイルの入ったバックサイドスミスグラインドやヒールフリップ、サラダグラインド、バックサイドKグラインドからのノーリーヒールフリップアウトなどを完璧にフルメイクし82.15点を獲得、暫定3位でベストトリックに進む。

西矢椛/バックサイドKグラインド ノーリーヒールフリップアウト

以下、西矢のベストトリック。

1本目(メインハバレッジ)サスキグラインドを決め、80.15点を獲得

2本目(5段ハバレッジ)バックサイドKグラインド ノーリーヒールフリップアウトを決め、83.46点を獲得。

3本目(メインステア)ヒールフリップを乗りゴケ。

4本目(メインステア)3本目同様ヒールフリップを乗りゴケ。

5本目(メインステア)本当に本当に残念ながらヒールフリップを着地でミス。

残念ながら最後のヒールフリップは決めきれなかったが、3本目に決めていたらその後はどんなトリックを見せてくれたのかと大きな期待が残る、3位表彰台入りとなった。

決勝の映像はVPNを経由すれば、こちらからご覧になれます(YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=3Agsrq7nFOs)

【WSTストリート世界選手権2023東京・男子リザルト】

1位 白井 空良(日本)-276.81(86.00/60.37/95.66/92.85/0.00/0.00/95.15)

2位 根附 海龍(日本)-273.60(86.97/74.48/93.75/0.00/92.88/0.00/0.00)

3位 堀米 雄斗(日本)-273.28(81.34/84.62/89.50/0.00/92.89/95.77/0.00)

4位 コルダノ・ラッセル(カナダ)-266.31(81.52/63.81/0.00/0.00/94.49/90.30/0.00)

5位 アレックス・ミドラー(アメリカ)-262.93(59.56/80.07/91.87/0.00/90.99/0.00/0.00)

6位 小野寺 吟雲(日本)-262.03(39.32/83.25/88.92/89.86/0.00/0.00/0.00)

7位 ナイジャ・ヒューストン(アメリカ)-251.38(68.05/0.40/90.19/0.00/0.00/93.14/0.00)

8位 ブレイデン・ホーバン(アメリカ)-231.48(49.58/18.81/0.00/0.00/91.85/0.00/90.05)

【WSTストリート世界選手権2023東京・女子リザルト】

1位 織田 夢海(日本)-265.75(36.25/84.22/86.73/0.00/0.00/94.80/0.00)

2位 ライッサ・レアウ(ブラジル)-261.90(84.15/13.76/86.84/90.91/0.00/0.00/0.00)

3位 西矢 椛(日本)-245.76(82.15/8.50/80.15/83.46/0.00/0.00/0.00)

4位 クロエ・コベル(オーストラリア)-245.11(59.11/62.70/87.79/86.88/0.00/94.62/0.00)

5位 吉沢 恋(日本)-242.45(68.40/36.95/83.14/86.17/0.00/0.00/87.88)

6位 赤間 凛音(日本)-241.95(72.36/40.36/84.01/85.58/0.00/0.00/0.00)

7位 中山 楓奈(日本)-239.61(54.54/70.16/83.39/0.00/86.06/0.00/0.00)

8位 チェンシー・ツイ(サイ シンギ)(中国)-138.43(48.95/48.99/0.00/0.00/0.00/89.44)

 

写真 文・小嶋勝美 

スケートボードに関する情報を幅広く執筆する、スケートボードライター兼放送作家兼スケーター。10年間のお笑い芸人生活を経たのち、放送作家をしています。

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放送作家 小嶋勝美
この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

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