イチローさまが引退いたしました。
試合後、記者会見があるとの情報を知り、「イチロー選手のプレーが見られるのは最後かも…」と思い、普段、野球中継を観ない小生も急遽、テレビ観戦いたしました。そういう方、多かったのでは…。
通算安打数をカウントする手作りボード「イチ・メーター」で有名なエイミー・フランツさんも来日、観戦されておりました。
翌日は、ワイドショーも新聞もイチロー一色でございました。改めて、イチローさまの知名度、影響力を痛感いたしました。
ちなみに、絵本でも、イチロー関連の作品が日米で出版されております。昨年も日本で「レーザービーム」という絵本が出版されております。小生も、昨年3月に、「古巣にもどったイチロー選手に是非読んで頂きたい野球絵本とは」という記事を書かせて頂きましたが、しかに、1年後、まさか引退するとは…でございます。
記者会見で「野球のことを愛したこと。これは変わることはなかった」と語られておりましたが、そんなイチローさまに是非読んで頂きたい絵本がございます。
イチローさまに野球を始められた頃、野球を愛し始めた頃を思い出させてくれるに間違いない一冊でございます。それがこちら。
「ぼくにまかせて!」(作:デイヴィッド・ウィーズナー 訳:江國 香織 出版社:BL出版)
主人公は、野球を始めたばかりの少年。外野を守っていた少年は打球をキャッチしようとボールを追いますが、キャッチできません。その時点から不思議な世界が始まる絵本でございます。ボールをキャッチするまでのほんの数秒間の少年の心の変化が絵のみで表現されておりますが、その世界観が圧巻でございます。
プレッシャーが大きなボールに姿をかえて襲ってきたり、観客の姿が大きく見えたり、少年の心理状態が見事に描かれております。野球選手なら誰もが経験したことのあるワンシーンでございます。逃げ出したくなるような瞬間ですが、それが病みつきになって、野球が好きになっていく、そんな少年の青春の一コマが描かれております。イチローさまも絶対に経験があるはずでございます。
引退が決まって、これから野球を始めた頃に思いを巡らせることもあると思います。是非、そんな時、この絵本を観て頂きたいのでございます。
アメリカでも入手可能でございます。そもそもアメリカで最初出版された絵本でございます。日本では昨年、江國香織さまの翻訳で出版されております。
ちなみに、この絵本の作者もイチローさま同様、メジャー級でございます。アメリカで毎年、最も優れた絵本に贈られるコルデコット賞を3回も受賞している作家でございます。大人が満足できるクオリティでございます。
こだわり派のイチローさまなら気に入ること間違いナッシングでございます。野球絵本の中で、一番アートで一番クールな絵本かと…。とにかく、今のイチローさまに読んで頂きたい絵本でございます。
また、野球経験者の方、さらに、今大きな壁を前にプレッシャーを感じている方々にも読んで頂きたい絵本でございます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)