ブルース・リーを大スターにした「燃えよドラゴン!」がリメイク版でスクリーンに復活する動き

2018/08/07
放送作家 石原ヒサトシ

1973年に公開され、ブルース・リーの名を世界に轟かせた映画「燃えよドラゴン!」(監督ロバート・クローズ)が、米ワーナー・ブラザースからリメイク版の新作として制作することになった。現在わかっている情報は、監督に「デッドプール2」「アトミック・ブロンド」のデヴィッド・リーチに依頼したという事くらいで、詳しいことはまだまだわからない。

「燃えよドラゴン」のストーリーを簡単にまとめる。

舞台は香港の小さな島。この島は、かつて少林寺の修道僧で麻薬密売組織の首領として支配しているハンの要塞島である。少林寺で修行を続けるリー(ブルース・リー)は、妹をハンの部下に殺されたため復讐を誓い、独り要塞島に乗り込んで、ここで開催される武術トーナメントに出場する。麻薬と陰謀が渦巻く要塞島でリーの怒りが爆発する…

これが世界で大ヒットする。映画の武術は少林寺拳法なのだが、実際の武術はブルース・リーが生み出した「ジークンドー」と分類される。素人にはなかなか違いがわかりにくいけれども。東洋人の武道ということで、他にも後に出てくるジャッキー・チェンのカンフー、日本の空手などと混同する外国人は多いそうだ。

どんなリメイク版に?

世界的に今でもファンが多いブルース・リー。リーは、「燃えよドラゴン!」公開直前の‘73年7月に不可解な死で本作を観ずして、32歳の若さでこの世を去ったため、伝説的な作品ともされている。だから、リメイク版でどんな感じになるのかファンは興味津々だろう。企画は立ち上がったばかりだが、ちょっと個人的に意見する。

ファンの空気感もふまえ、“なるべくアナログ”で作ってほしい、と思う。

世界に武術を知らしめたブルース・リー。ムダ肉のない均整の取れた肉体美、小柄な体ながら、パワフルかつスピード感あふれるアクションは、スーパーマンなどこれまでの人間技を超えたスペックを持つヒーローの概念を超え、生身の人間が鍛錬で身につけた真の強さを見せつけるものであった。

おそらく、生身の肉体だけで武器を手にしない(ヌンチャクなどの武術道具はあったけど)格闘ムービースターは、ブルース・リーが初めてだったはずである。そのブルース・リーのリスペクトだけは忘れないで欲しい。かといって、何もかも同じ内容にしてしまうわけにいかないので、どこらへんまで最新技術に寄せるかが難しいかもしれない。

主役は、武闘ができる俳優になるだろうが、現時点でそれができる俳優がいるかどうかだ。また、リーと同じ東洋人にするか、はたまた西洋人にするかだけでも悩むところのはず。ぱっと浮かぶのはケイン・コスギだが、それもちょっとなぁ~と思う(笑)。

そして、一番の見せ場は格闘シーンになるが、例えば、ドラゴンボールのカメハメ波みたいな手からビーム砲を出すとか、ワイヤーアクションで人間じゃできない跳躍をするとか、相手が宇宙人とか、CGをタップリ使うような現実離れしたバトルはあまり見たくない。逆に武術を駆使したアナログな戦いは、今や新鮮な気がする。

そんな中で、逆にこれだけは絶対に残してほしくないものがある、それはブルース・リーの発する「アチャ~! アチョ~!」という声。ただのモノマネになるから、これだけはリメイク版オリジナルでお願いしたい。

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放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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