平成29年大相撲春場所は17年ぶりの4横綱時代に突入。優勝争いは新横綱・稀勢の里か、白鵬を筆頭とするモンゴル3横綱か? 誰もが注目するところ。その一方で、幕内の土俵に春風を巻き起こしそうな、あの男がついに新入幕を果たした。去年このマガジンサミットでも取り上げた“アクロバット相撲” 宇良(前頭十二枚目 木瀬部屋・24才)だ。
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身長173センチ、体重128キロの小兵。先場所、十両以上では史上初となる決まり手「たすき反り」で星を挙げ注目を浴びた。入幕した今場所は今まで以上に土俵は湧くだろう。
そこで、宇良の見逃せないポイントを紹介したい。
ウラウラ“軽量”対決「石浦VS宇良」!
石浦(前頭十一枚目 宮城野部屋 27才)は、宇良と同じ身長173センチで、幕内最軽量114キロ。格闘家を目指した経験もあり、持ち味は軽量ならではともいえるスピードだ。無精髭を生やす男臭い風体に、時折ギラッとした目で相手を威嚇する。
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ほのぼのした顔つきの宇良とは対称的だが、宇良もレスリング経験があるため互いの動きが相撲を超越してしまうのでは? なんて想像してしまう。アクロバット相撲対スピード相撲という、マンガのような攻防が土俵上で展開されると面白い。打撃戦? まさかのサブミッション、スープレックス的投げ技が飛び出すか?(笑)とにかくわくわくする。今場所からはこの2人の一番が、ある意味スペシャルマッチとなりそうだ。
ちなみに石浦対宇良は、去年夏場所に十両で一度だけ対戦があり、押し出しで宇良が勝利している。
とにかくこの対決にはぜひぜひ注目して欲しい。
ついに出るぞ、必殺「居反り」!
幕内ともなると当然相手の体格は大きくなる。肉弾相打つ重量戦に慣れた関取ばかりなので、宇良のようなアクロバチックな力士との対戦経験は少ない。となると、ついに必殺の「居反り」が飛び出すチャンス。
立ち合いからサッと懐に潜り込んで足を取り、背中に相手を乗せて裏返しにすれば、居反りの完成だ。特に、身長190センチを超えるような大型で、手足が長い外国人などは懐に潜り込みやすいだろう。
魁聖、栃ノ心、碧山、旭秀鵬
あたりが狙い目!? とにかく大型力士との対戦は期待値が高い。
「居反り」は、十両以上では61年間でたった3回しか出ておらず、しかも24年出ていない幻の大技。得意技と公言しているにも関わらず、初土俵以来いまだ封印したままの
宇良の「居反り」がついに飛び出すだろうと予感している。本人も狙っているに違いない。
珍しいピンク色のまわしがトレードマークの宇良。なぜピンク色なのかというと、どうやら「母がピンク色が好きだから」という理由らしい。ほのぼのしてしまうのは顔だけじゃない。
春場所に桜のピンク色が土俵を舞い踊るか。とにかく一番でも多く勝って早く横綱、大関との対決を見せてほしいものだ。