JR新宿駅のLUMINE0で7月12日、SBIホールディングス株式会社(以下、SBI)とRIZAPグループ株式会社(以下、ライザップ)による事業構想共同発表会が行われた。
ライザップも注目!新しいヘルスケア成分
これは、人間の細胞を活性化させるアミノ酸(5-アミノレブリン酸)「ALA(アラ)」を主成分とした機能性表示食品を広く広めようとする試み。かねてからバイオ関連事業に参入していたSBIと、トレーニングジムのみならず健康食品やヘルスケアプログラムなどを展開しているライザップが、共同で「ALA」の認知向上を目指すために開催された。
「ALA」と聞いて、園芸を思い浮かべる人もいるかも知れない。植物の生育促進させる肥料として多く利用さている「ALA」だが、じつは健康系雑誌やメディアで数年前から取り上げられていた注目の成分だ。『日経ヘルス』2011年5月号のコラムでは“代謝を高める新成分 ”として紹介され、2013年2月号の『からだにいいこと』でもダイエットとの関係を説明している。
SBIは、2015年12月に「ALA」を含有する初の機能性表示食品「アラプラス 糖ダウン」を販売。北尾吉孝代表取締役執行役員社長は「このバイオ関連事業を5年後には全体売上の4分の1、10年後には3分の1ほどに拡大できるよう、ライザップさんと手を組んでいきたい」とし、「ALA」の認知率をビタミンCと同等である70%程度まで持っていきたいと話す。
「ALA」の重要性を説明する北尾社長
一方、北尾社長に「マーケティングの天才」と称されたライザップの瀬戸健代表取締役社長は「私たちは結果に対してしかフィーをもらわないという信念でやってきた。ALAは医療、医薬の領域まで事業を拡大できる成分。SBIグループと共同して、ALA市場の確立を目指したい」と語る。
また、瀬戸社長からは7月1日に会員限定で「ALA」を活用したサプリメント「RIZAP ACTIVE」を販売開始し即日完売だったことも報告された。
ドーピングの心配なし?五輪選手にも有効か
イベント当日に実施されたトークセッション「すべての生命にコミットするALAへの期待」には北尾社長、瀬戸社長のほか慶應義塾大学大学院教授の渡辺光博氏、SBIファーマ株式会社の中島元夫取締役執行役員専務も参加。自身が体験した「ALA」の効果や、今後のヘルスケア業界への影響などを語り合あった。
渡辺教授は「頭の回転が良くなる。肉体的だけでなく、精神的なサポートにもなる」と述べると、中島専務は「通常、富士山に登ると8合目あたりで頭痛が起きるが、ALAを取り入れると酸素を有効に使えるので、それを抑えることができる」とし、「ライザップのマーケティング力で知名度が上がることを期待している」と語った。
また、北尾社長は今後の展望について「3年に1商品はALAの機能性表示食品を発売したい。ドーピングの心配もないので、次のリオやその先の東京五輪出場選手にも勧めたい」とコメントした。
瀬戸社長も「生活習慣自体の改善を苦痛と感じる人もいる。それを最小限にできる成分だと思う」と賛同。
「結果にコミットする成分」と話した瀬戸社長
年齢を重ねるとともに基礎代謝が下がり、「ALA」量も減少する。また、「ALA」は一部の食品にも含まれているが微量なため、効果的な摂取が難しい。1日に必要な「ALA」を摂取するには赤ワイン6本、もしくはトマト150kgが必要とされているそうだ。
「ALA」を含んだサプリメントや医薬品などは、アンチエイジングから痴呆の予防まで幅広くコミットすることが期待できそうだ。