「もちろん。誌面でご紹介するものは、なんでも実際に体験します。ひとつ、ひとつ検証しないと、本当のところは分らないじゃないですか?ちなみに、私の検証では婚活リップをつけると本当に男性から声をかけられます」
―― ホ、ホントですか?!
「(笑)ナンパされる、とかではないですよ。でも、やはり、巷でイイといわれているアイテムや、評判が良い商品には必ず理由があって。それに試さないでいるよりも、試したほうが良いじゃないですか?なによりも試すことでデーターも蓄積されて、それが経験や勘になります」
―― 編集長は、学生時代からファッションにご興味があったのですか?GINGERに関わるきっかけは?
「GINGERは創刊から1年目で入り、美容系を担当してきました。自分は、決してファッションリーダーではなかったです。でも、好奇心旺盛で、さまざまなものに興味がありました。今考えると耳年増だったですね」
―― 毎日、お忙しいと思いますが、健康管理や美容など特に気をつかっていることはありますか?
「入稿・校了の前は忙しくて睡眠不足になりがちですが、なるべく規則正しい生活を心掛けています。食べ物のこだわりは、五穀米や麦飯とか炭水化物の質くらいでしょうか。そんなに特別なことはしていないです(笑)それに、皆さんから「忙しいですよね?」と、声をかけていただくのですが、じつはスタッフである時の方が忙しかったです。ただ、編集長になると、確認やディレクション作業が増えてくるので、時間の使いかたが変わるというか…いかに案件を素早く要領よく捌くかが大切です。あとWebメディア “Spark GINGER”の原稿チェックを毎朝するので、それは以前になかった仕事ですね」
Webメディア “Spark GINGER” https://www.spark-ginger.jp/
「Webメディア“Spark GINGER”は、GINGER世代が、今すぐ欲しい!知りたい情報などを配信しています。今日は晴れているけれど明日は雨だから、最新雨グッズの紹介といった、旬よりもさらに“瞬”な情報ですよね。通勤中や昼休みなどにモバイル端末を操作しながら60秒で読める内容をこころがけています」
GINGERを開くことで妄想力を膨らませてほしい
―― 雑誌ならではの良さや、これからGINGERを手に取るアラサーの方々にメッセージをお願いします。
「雑誌はトレンドを発信するだけでなく、読者の時間を豊かにするものです。誌面で紹介するアイテムを身につけたり、食事や旅を楽しんだりすることで、どのような毎日が過ごせるのか。ライフスタイルを含め提案し、ストーリーと女性像をしっかりと創りあげて紹介します」
―― 確かに。GINGERを読むと、その気になってしまうというか…次のシーズンの予定表が埋まってゆく感じがします。これ着たい!ではなく、これ着てあそこに行きたい!あれ食べたいとか。
「雑誌は一冊創るのに2ヶ月以上かけます。編集部はショーや展示会を回り、半年後のトレンド予想をしながら、そこに読者からの声や本音を反映させて企画を練ります。そうして創りあげたGINGERという世界のなかで、ウィンドウ・ショッピングやレジャーなどをバーチャル体験してもらいたいんです。ページをめくりながら(あ、これ買いたい)と思う、もっと言うと“この生活が欲しい”と感じていただきたい。もし、自分が着たらどんな毎日が待っているのかと、ぜひ、妄想力を膨らませてほしいです。だからモデルさんも、仕事をしながら家庭をもち、子育てもするような、なるべく読者が共感・共鳴しやすい方にお願いしています」
書籍から出発している幻冬舎。そのためGINGERは雑誌でも、言葉による提案や世界観を大切にしている。ちなみに会議室のスリガラスは、原稿用紙のデザイン!
女性をトキメカセテくれる人。生き方を刺激してくれる人
―― 最新号ではGINGERカバーボーイに、TAKAHIRO(EXILE)さん、登坂広臣(三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)さんを迎えていらっしゃいますね?
「そうなんです。今回は、わたし達女性をトキメかせて刺激してくれる存在ということで、カバーを飾っていただきました。GINGER誌上初の試みです」
―― こんな男子とデートするなら、こんな服を着て、こんなアクセサリーをつけて……あはは、欲張りですね、女って。
「大丈夫。GINGERは、その欲張りに、ぜんぶ応えますよ」
「モードなアイテムは格好いいけど実用的でない、でも一枚くらい欲しい」「コストパフォーマンスが高いのが一番!でも貧相に見えるのは困る…」「職場で浮きたくないけど、自分らしい働き方がしたい」「流行りのブランド物が欲しいけれど、皆と一緒はダサい!」
この矛盾した、ごちゃごちゃとした欲望こそが、女性のシビアな本音です。そんな本音をぶつけて、困ったときに相談できる。すごく身近にいる、ちょっと年上の憧れの先輩。それがGINGERだと思いました。そんな、憧れのお姉様は、30代になったら、流行におぼれず、自分が本当に良いと感じるものを身に着けなさい。と教えて下さいました。
自分の芯がしっかりしていれば、多少、欲張りだって空回りすることはないはず! 運を味方につけながら、素敵な大人を目指して頑張ります。
渡邊編集長様 ありがとうございました。
渡邊千帆 わたなべ ちほ
数社の出版社にて女性誌のファッショや美容を担当。婦人画報社(婦人画報社・現ハースト)を経て、GINGERには創刊一年後から美容副編集長として参加。
2015年1月よりGINGERおよび、WebメディアSpark GINGERの編集長に就任。
インタビュアー 吉岡仁美 よしおか ひとみ
女優、モデル、タレント
Miss World Japan 2015 準ミス・ワールド。ラジオパーソナリティや、ナレーターなど、マルチに活動の幅を広げている。Miss World Japan Orchestra では特技のフルートを担当。