42.195キロを初心者が完走するコツ!『ランニングマガジンクリール』編集長インタビュー

2016/06/22
吉岡仁美

皆さんはマラソンされますか?フルマラソンは経験がなくても、健康維持やボディメイクのためにランニングをする方はいらっしゃると思います。体力もつけたいし、そろそろ走ってみようかな(でも、続かないかも)と考えている方へ。

 

今回は、『ランニングマガジン。クリール』(ベースボール・マガジン社)の編集長、樋口幸也さんにビギナーが“マラソンを楽しんで続けられるコツ!”を伺います。

樋口さんは、年間15回のフルマラソンに参加。現在までにホノルルマラソンを14回など、日本のみならず世界のマラソン大会に30ヶ所以上参加されるベテランランナーです。これからマラソンやランニングをはじめようと思う方、必見ですよ!

ビギナーがフルマラソンに挑戦するのに何をしたらいい?

―― 最近、カラダづくりのために走りはじめました。以前、ミスワールドの選考で皇居ランに挑戦したのですが、それ以外では全く走ったことがなくて。続けるためにも思い切ってフルマラソンに挑戦という目標をたてたのですが…5㎞が精一杯。本当に42㎞も走れるのか不安です。

 

「いきなり42.195㎞を目指すのではなく、5㎞、10㎞とじょじょに増やして目標をたてて走るのが大事です。とりあえず5㎞皇居一周を歩かず走り切ることを目標にとかね。ダイエットだって急に減らすのは辛いし、続かないでしょう?」

 

―― 自分の力に見合った目標を設定して、こつこつ積み重ねてゆく感じでしょうか?

 

「マラソンは多くの人がイメージするほど過酷なスポーツではありません。ビギナーがフルマラソンを完走できないのは、体力というよりもペース配分を間違えていることが多い。100mを1分で走ると考えるとして1㎞が10分。フルだと約4200分。約7時間あれば走りきることができます」

 

―― それって、早歩きの速度ですね!

 

「そう。完走した人がかならずしも運動神経が良い人とは限らないのです。完走できなかったのは、最初にとばしすぎたとか。トレーニングを頑張りすぎて当日、故障してしまったとか。記録に挑戦したい!という方でなければ、ゆっくり楽しめばいいと思います」

トレーニングは何ヶ月前から始めるのが良い?

―― 皆、仕事や家事、育児をしながら、そのあいま、あいまに練習を重ねるわけですが、平均どのくらい練習すればいいですか?

 

「例えば学生時代に部活で毎日運動していた人と、帰宅部で、ほとんど運動をしたことのない人ではスタート地点が違います。まったく運動経験のない人が、安全に、楽しく走るためには最低6ヶ月くらいの準備期間があれば充分。最初の3ヶ月は運動に慣れて基礎体力をつけること。ハイキングなどからはじめてもいいよね。そして後半3ヶ月で、週に1~2回、最低10㎞を走れば半年後の大会には間に合います」

 

―― まずは3ヶ月かけて体質改善をして、残りの3ヶ月で自分のランスタイルを発見する感じですね。

 

「性格や体質の違いもあります。ゆっくりダラダラと走れる人もいるし、性格的にゆっくり走れない人もいる。そういう人は、短い時間で速く走るというメニューを繰り返すのがいいですね」

 

―― 体質改善といえば、私、トレーニング中に足が“つる”のが悩みなのですが、走り方に問題があるのでしょうか?

 

「汗で塩分が出てしまうと体内のミネラルバランスが崩れて足がつりやすくなります。特にダイエットとかボディメイクのためにマラソンをしている人は、水分補給を充分しない方が多くナトリウム不足になりがちです。ナトリウム・カリウムの入ったスポーツドリンクを常備して、始める前に飲んでおくことが大切です。特に夏場は気をつけて。30分以上走るならば給水を欠かさないことです」

ダイエット手段としてのマラソンの定着

―― 最近、女性のランナーが増えた気がします。少し前までは、女性が「ランニングしてる」と話すと特別なことをしているように見られていましたよね。

 

「2000年ぐらいから各スポーツメーカーが、女性用の可愛くてオシャレなランニングウェアーなどを一斉に発売しました。雑誌【FRaU】で“走る女は美しい”という特集が生まれたりして、ファッショナブルにランニングを楽しめるようになったんです」

「あとスポーツというより、ダイエット方法として挑戦する人が増えた。長谷川理恵さんとかミューズ的な人が登場して“走って痩せるという考え”が定着した。それをきっかけに女性は走る快感を知ったのだと思います。さらに、東京マラソンという都市型のスポーツとして新しい楽しみ方もできました」

 

―― 東京マラソンを見て、市民がマラソンして良いんだ!と思いました。走ることへの敷居が低くなり、男女関係なくマラソンについて気軽に話せるようになった気がします。

 

「僕がはじめたころは男性しかいなくてね、走った後は銭湯に行ってました。でも、今は【ランニングステーション】※があるからシャワーも浴びられるし。「走った後にビールでも飲みに行こうよ」とか、色々な人とコミュニケーションがとりやすくなりました(笑)」

 

※ロッカーやシャワールーム、休憩スペースなどを備えたランナー向けの施設。東京や大阪、名古屋などのオフィス街を中心に各地で新設され、皇居周辺には20ヶ所以上ある。

マラソンから見える景色を楽しむ

―― カメラを持ちながらマラソンをされると伺いましたが…

 

「カメラを持ちはじめたのは、単純にカメラマンが伴走しながら写真を撮るのが大変だったからです(笑)。やっぱりランニングマガジンですから、マラソン大会の雰囲気や情報をリアルに伝えたいじゃないですか。ランナーが走っているその表情をカメラに収めたい。そこで走りながら写真を撮ることに決めたんです」

走っている時の笑顔や、コースから見える街の景色がランナー目線。とても臨場感があります!

 

―― 風景を楽しめる、おススメの大会はありますか?

 

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吉岡仁美
この記事を書いた人

吉岡仁美

モデル。準ミス・ワールド2015日本代表。教育学部生涯教育課程芸術文化コース音楽専攻フルート科卒業。元教員。現在もミス・ワールド・ジャパン・オーケストラで演奏を続ける。社交的な明るい性格と笑顔と向上心を持って世界の懸け橋となり、人と人の心をつなぐ活動をします!どうぞよろしくお願いします。

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