CIA(アメリカ中央情報局)がずっと極秘扱いにしていたファイルを大量にオンラインで一般公開した。その中に、1970年代、日本はもちろん世界に超能力ブームを巻き起こしたユリ・ゲラーのテレパス能力を実験したデータが入っていて話題となっている。
ちょっと不可解なのは、なぜ突然、今、公開したのだろう? ということ。その考察は後ほどとして、まず公開されたユリ・ゲラーの実験結果について触れておく。
ユリ・ゲラーといえば、スプーン曲げを筆頭に、壊れた時計などの機器を動かしたり、見えないはずのものを透視で言い当てたり、それらを「超能力」と呼んで我々を震撼させた人物。それを「トリック」「インチキ」と言う人も多かった。
CIAは能力を評価した
1973年、CIAと研究機関はカルフォルニア州スタンフォードにユリ・ゲラー氏を招き、8日間にわたって透視実験を行ったという。オカルト好きな方は「聞いたことあるけど本当かな?」レベルだった昔の話が、解明されたのだ。驚いた人も多いはず。
例えばどんな実験が行われたか。CIA局員がぶどうの絵を描いた。隣の密室でゲラー氏は「絵から水が滴っている」「紫の円がいくつも見える」と言って、見事にぶどうの絵を描いてみせた。粒の数は24個で一致していた。
出典:http://www.dailymail.co.uk/home/index.html
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45メートル離れた部屋からCIA局員が凧の絵を書いた。ゲラー氏はとても似た絵を描いた。CIA局員が「らくだ」を描いた。ゲラー氏は「馬」と言って描いた。しかし絵は似ている。
出典:http://www.dailymail.co.uk/home/index.html
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このような透視実験をいくつも行った結果、CIAは「超常的な能力を明確で説得力のある形で示した」とした。ゲラー氏を本物と認めたのである。
しかし、昔からゲラー氏をインチキと酷評する者は沢山いた。このCIAの実験結果に関しても、科学者は科学的な分析に着手したがトリックを暴くことに気が向かなかった可能性もある、という声も。また、ゲラー氏が自分のスタッフと組み、実験中に会話を交わす中で、アルファベットの暗号のようなものを入れて話すよう指示すれば絵は描ける、とトリックの方法を唱える声もある。
しかし、ぶどうの粒の数や動物の向きやフォルムまで完全に暗号で伝えられるのか? 44年前のマジックトリックの精度がそこまで高かったかは疑問。また極秘で行う実験でCIAに対してインチキをする必要があったか? そしてインチキがバレた時はどうなるかと考えたらトリックを使う勇気はあったか? とも思える。
私は超能力に関して肯定も否定もしない。世の中完璧な者などいない。超能力者だって100%じゃないはず。失敗すれば「インチキだ」と言われ、成功しても「インチキだ、トリックだ」といわれる。超能力の論争は延々と続くのである。
ユリ・ゲラーはスパイだった
今回、CIAがユリ・ゲラーの実験ファイルを公開してわかったことがある。ユリ・ゲラーがスパイだったという信憑性だ。今年70歳になるユリ・ゲラー。実は4年前、イギリスBBCが彼のスパイ活動に関するドキュメント番組を放送した。実際に本人も出演し赤裸々に語っている。
母国イスラエルで兵士た
そもそも彼は、ハンガリー系ユダヤ人で母国はイスラエル。正式名はウリ・ゲレル・フロイドと言って、精神分析学者ジークムント・フロイトの親類にあたる。
彼は13歳の時、両親が離婚しキプロスへと移り住む。新しい父親はホテル経営者で、ある日、考古学者だと言う男の心に入り込み「イスラエルから来たスパイ」だと言い当てた。ゲラーはスプーン曲げを見せると、男は才能があると見て協力を依頼。男は当時戦争状態だったエジプトとシリアを行き来していたが、情報を記した手紙をゲラーへ送り、ゲラーはキプロスのイスラエル大使館へ届けた。スパイ行為だ。
ゲラーは1967年までイスラエル兵士として活躍。ケガを負って除隊し、イスラエルの諜報特務庁「サモド」に呼ばれる。そこで色々な超能力を披露し、多くの任務を果たしたという。
その後、友人とクラブなどでテレパシーショーを行うが、あまりにも稚拙で店から訴えられ、イスラエルでのショー禁止の判決を受ける。‘72年、ゲラーはアメリカに渡り、プハリッチという心理学者と出会って超能力に磨きをかける。その頃、モサドでの噂を耳にしたのかCIAに声をかけられ、実験に応じたという。今回公開されたCIAのファイルは、実際にこの頃接触していた事実の裏付けとなるわけだ。
超能力実験の背景に、当時旧ソ連で本格的な超能力の軍事利用に着手していた事実があった。アメリカは対抗を試みたのだろう。
超能力者とスパイの顔
この実験の事がどこからか漏れ、アメリカやイギリスでテレビ出演の依頼が舞い込む。スプーン曲げを披露し世界に超能力ブームを巻き起こす。CIAがゲラーにおとがめなしだったのは、「こっちには凄い超能力者がいるぞ」というソ連への挑発だったのかもしれない。
実は、当時のカーター大統領から命を受けて、ソ連に関するスパイ行為に手を貸していた。遠く離れたソ連の情報を透視したり、スパイに接近して念力を使い、考えを変えさせたり。スパイが持っていたフロッピーディスクの情報を消去するように言われ、飛行機の座席の後ろから念力を使って消した。
他にも数々の任務を遂行し、一旦は役目を終えるが、2001年の同時多発テロ以降、再びアメリカ当局から声がかかって協力したという。「このドキュメント番組がどこまで本当か?」「ここまで暴露していいのか?」疑わしいという声もたくさんあった。ウサマ・ヴィン・ラディン発見を手伝っただろうに何年かかっても見つからなかったのはどうなんだ!? という人もいる。
なぜこのタイミングで? トランプ警戒!?
とにかく、ユリ・ゲラーが本物の超能力者として凄い力を持っていると仮定しよう。ここに不可解な疑問が生まれる。なぜ今、このタイミングでCIAはゲラーの実験結果を、しかも一般公開したのだろう?
もしかするとトランプ氏に関係しているのでは? と、ちょっとうがった見方をしてみた。題して、
【CIA、ユリ・ゲラーを使ってトランプをこらしめる説】
トランプ氏は就任翌日、早々とCIA本部へ出向き「私は1000%(CIAの)皆さんを指示する」と発言した。CIAがゲラー氏を含む大量のファイルを公表したのはその数日前のことである。トランプ氏は大統領選でロシアが民主党側へのサイバー攻撃に関与したとするCIAなど情報機関の分析を批判、対立関係にあった。
この一連の流れから、もしかしてCIAはトランプ氏に対し「CIAをナメんなよ」「出すモノ出すぞ」と牽制・威嚇を示したのではなかろうか?
ゲラーを使って、
透視でスキャンダルを暴いてやるぞ
盗聴で機密文書を読んでやるぞ
触らずに大事なものを消してやるぞ
・・・とか、表沙汰になったらヤバイことの1つや2つ、簡単に入手して脅すなんて簡単なのかもしれない。マンガのようなサイコキネシス、テレパシー、テレキネシスを駆使して痛い目に遭わせるなんざ、実験結果からは可能(かもよ!?)という脅しには十分なっているはずだ。
例えば、未だ謎が多いJ・F・ケネディ暗殺にCIA関与説は根強い。トランプ氏も自らの支持率が低いこと、TPPやNAFTA、メキシコ国境の壁問題で強行姿勢を取っていることなど、自分の振る舞いに、周囲の不穏な空気を感じなくはないだろう。危険な目にいつ遭ってもおかしくない状況である。
なんせ相手は超能力者、手口いかんでは証拠を消すことだってできるのだ。サイキッカーレジェンド、ユリ・ゲラーが動き出す可能性は決して0%ではない。
最後はオカルトへ流れたけれど、果たして【CIA、ユリ・ゲラーを使ってトランプをこらしめる説】を唱える人は他にいるだろうか? けっこう真面目に考えたんだけど。雑誌「ムー」さんは感心してくれないだろうか(笑)。