コンサルティングや研修を通して、組織開発や人材育成の支援を行なっている株式会社HRインスティテュートの代表取締役 三坂 健さん。パートナーとして目標を達成するシナリオを描くという考えについてお話しを伺った。
どんなプロフェッショナルなアスリートにもコーチがいる。名経営者と言われる人にも必ず、参謀がいる。同様に企業や働く人にとっても客観的に見てくれ、アドバイスやフィードバックをしてくれる存在が必要だ。当社はそのようなことを求めている企業のパートナーとして位置付けてもらえるよう、努力していかないといけないし、関係づくりをしていかないといけないと思っている。パートナーとして何を期待されているかというと、その組織が何か目標を達成する上で助けになるポジションであることが大切だ。そのためには話をよく聞くことも重要。何をしたいのか、何に困っているのかなど聞かないで判断するようになってしまうのが一番よくないので、興味深く話を聞くようにしている。
続いて、どのような方々に向けて会社を知ってもらいたいかと聞くと次のように語る。現在、当社は大手企業との仕事が多い。長く仕事をする上でぶつかる壁でもあるが、今後の仕事について悩み、くすぶっている従業員が当社の研修に出会い、受講されると晴れやかな表情に変わる姿を見てきた。そのため、これからも、このような人々に当社が必要である存在でありたいと思っている。もう一つは従業員に強いるのではなく、人の可能性を信じて羽ばたかせようとしている経営者や企業との接点を増やしていきたいと三坂氏は話す。
今まで関わったお客様で印象に残っていることを聞くと、15年ほどお付き合いしているクライアントについて話してくれた。この会社には合併してから社内風土をよくしたいとのことで当社がサポートに入った。毎年、次世代のリーダー候補を集めて、会社をよくするためのプランを練り、最後は社長に提案するというプログラムを行っている。
普段の業務で忙しいのに、会社のことをみんなが考えて、時間をつくって討議を繰り返していく過程で言動も変わり、人が育っていくのがわかるのが一つの嬉しい瞬間だ。研修を受けた卒業生がOBとして新たな受講生を励まし温かい目で見守っている姿は、会社で学舎のような副産物ができあがっているようで印象的でもある。また、採用の時にこのプログラムについて話すと学生が興味を持ってくれることも、会社全体にポジティブな影響を少なからず与えられているのではないかと三坂氏は語る。
最後に今後の目標を伺った。
人の可能性や主体性に着目して引き出していく研修やコンサルティングを行っているのが株式会社HRインスティテュート。その先を考えると、当社のメンバーも時代と共にコンサルティングをやりながら会社の経営者になったらいいのではないかと思っている。自分がやりたいことを事業としてやり、その事業を動かしながらも企業のコンサルティングや研修も行っている。そのような実践的な人の集まりになっていく。すると、お客様も経営者自身から学べて研修にも厚みが出る。ありがたいことに30年続いているので、今の事業も続けつつ、内外に投資や出資をして、人や主体性に関わる事業を少しずつ広げていきたい。そしてそこで人が育って、その人がお客様に還元するという循環をつくっていきたいと今後のビジョンを教えてくれた。
株式会社HRインスティテュート
https://www.hri-japan.co.jp/