
少子高齢化を受けた人手不足は建設業界でも深刻化しており、若い世代の関心を高め、業界を活性化していく必要があります。そうした問題に継続的に取り組んでいるのが、住宅メーカーの一建設(はじめけんせつ)株式会社です。
定期的に建築科の学生たちに向け、特別授業を実施しており、2026年6月16日(火)には奈良県立奈良商工高等学校の建築工学科2年生36名を対象に開催しました。
今回はその「木造住宅の建築現場見学会」と「住宅設計体験会」の模様をレポートします。
■木造住宅の建築現場見学会~熱中症対策とタブレット施工管理に注目

午前中は、大和郡山市小泉町で建築中の2階建木造住宅にて建築現場見学会を実施しました。

開会の挨拶で、執行役員・土屋誠氏は、「この取り組みは奈良県では3年目。木造建築の現場を間近で見る機会はなかなかないと思います。普段の授業では得られない知識を実際に体感し、勉強に活かしていただければと思います。また木造住宅の建築の仕事や業界に少しでも興味を持っていただけたらと思っております」と学生たちに呼びかけました。

まずは現場における熱中症対策を説明。2025年6月から、建設業を含む高温環境下での作業現場では、熱中症対策が法的に義務化されたことを受け、同社では対策を強化しています。2022年の8月から大工等の技能者に支給していたファン付きウェアを施工管理職にも支給するようになりました。また「塩タブレット」の配布も行っており、学生にも配布されました。

建築中の現場では、奈良商工高校の卒業生である杢野氏が、基礎工事について説明しました。また大工による電動工具の安全な使用方法のレクチャー後、ビス打ち作業の体験など、見るだけでなく参加型の体験を提供しました。

またタブレット上で利用している施工管理アプリ「ANDPAD」を活用した現場管理業務を紹介するとともに、最先端のツールを駆使した仕事内容や建設DXによる働き方の変化について解説しました。

■住宅設計体験会~CAD操作やプラン作成の実体験も

住宅設計体験会は同社大阪店に移動して実施しました。
住宅設計の仕事内容の説明後、3D CAD(コンピューター利用設計システム)を活用した住宅設計を実演しました。実際に学生1名が代表して3D CADを操作する場面も見られました。

その後、学生は作図用方眼紙を使って“自分の住みたい分譲戸建住宅”のプランを作成。それぞれ自由な発想でプランを作成し、楽しみながら取り組んでいるのが印象的でした。代表して4名が自身の設計プランを発表し、工夫したポイントなどを語りました。

■生徒「現場の職人はすごい」、執行役員「少しでも興味を持ってもらえれば」

一日を通じた感想として、参加した男子生徒は「もともと設計や製図には興味がありましたが、大工には興味がなかったので、実際に現場を見ることができて良かったです。電動ドライバーを試させてもらったときに、全然できなくて、大工さんはめちゃくちゃすごいんだなと思いました」と率直なコメントを寄せました。
女子生徒からは、「建築の仕事には職人系と設計系があるのを知ることができて良かったです。昔ながらの製法を取り入れながら、タブレットを使った施工管理なども取り入れており、ハイテクだなと思いました。設計はCAD検定に活かしたいです」といった好評の声が寄せられました。
また執行役員・土屋氏は、現場見学会を終えた後に、手ごたえと開催の意義を次のように語りました。
「過去に開催した学校の卒業生が入社したケースもありますし、アンケート等で満足しているお声もいただいているので、開催の意義を実感しています。建設業界はこの先、人手不足がさらに進む課題がある中で、こういった取り組みを通じて、少しでも木造建築に興味を持ち、この仕事に就きたいという若い方々が増えてくれれば嬉しいです」
この特別授業は、“今”の建築の実情に触れられる貴重な機会となりました。参加した学生にとって学びの多い経験となっただけでなく、このような取り組みが広く知られることで、同様の教育機会が全国に広がり、建設業界への関心を持つ若者が増えていくことが期待されます。







