「若返りタンパク質」DEL-1とは?骨粗しょう症・腎臓病改善にも期待

2026/04/23
マガジンサミットライター

一般社団法人ウェルネス総合研究所は4月22日、抗老化や再生医療の分野で注目される「DEL-1(デルワン)」に関するセミナーを開催した。セミナーには、新潟大学大学院教授の前川知樹氏が登壇し、DEL-1の基礎から最新研究、そして今後の可能性について講演を行った。

DEL-1は体内で作られるタンパク質で、老化した細胞に働きかけてアポトーシス(細胞の自死)を促し、さらに免疫細胞に作用して死んだ細胞の除去を助ける。こうした働きから、体内環境を整えて若返り効果があるのではないかと研究が進められている段階だ。

また、DEL-1の量は年齢とともに減少してしまう。マウスやヒトのデータでは、30代以降から減少しやすく、高齢になるほど少なくなるという結果が見られた。

たとえば骨では、骨粗しょう症の原因である老化細胞を除去する働きがある。骨粗しょう症は、現在の治療法では骨破壊は止められるがリスクが高く、新たに骨をつくることはできない。しかしDEL-1には骨をつくり出す働きもあり、DEL-1を増やすことでリスクを抑えて治療ができる可能性が出てきた。

腎臓はDEL-1を作る臓器の一つで、加齢や病気によって機能が低下するとDEL-1の量も減ると考えられている。そのため、DEL-1を増やすことで腎臓の状態を改善できる可能性がある。

さらに、肌の回復や歯周病への影響のほか、認知症やリウマチなど加齢に伴う病気との関係についても調査が進む。実際に、DEL-1が多い個体では炎症が少なく、組織の回復力が高い傾向が見られるという報告もある。DEL-1が多いマウスは通常より寿命が長くなる傾向も見られた。

さまざまな健康効果が見られるDEL-1。前川氏の研究では、日常生活の中で増やすことができるという。

40〜50代を対象とした実験では、1日1時間のウォーキングを1か月続けることでDEL-1の量が増加した。また、オメガ3脂肪酸を含むアマニ油を摂取した場合にも、同じような変化が確認されている。アマニ油は熱に弱いため、味噌汁や納豆などにかけて食べる方法がおすすめとのこと。

前川氏は最後に「疾患に利用しようと思うと、DEL-1を増やす薬が必要になってくる場合もあるでしょう。しかし、もともと年を取ってしまっている人でも、後からいくらでも数値を上げられます」と語った。

今後は医薬品としての開発に加え、体内のDEL-1量を測定し、健康状態や将来のリスクと結びつける研究も進む。「DEL-1の値」が新たな健康指標になる可能性もあるのではないだろうか。

健康状態を維持するため、ぜひ毎日のウォーキングやアマニ油の摂取などから始めてみてはいかがだろうか。

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