芸術の秋、今年は絵本作家の“絵本美術館”で癒される

2018/09/14
N田 N昌

芸術の秋、デート、女子旅などの候補地として全国各地にある緑豊かな美術館を考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか…。

建物がオシャレ、カフェが素敵、風景が美しい…などなど様々な魅力をもった美術館がございます。そんな美術館のなかに“絵本美術館”といカテゴリーがあるのをご存知でしょうか。

ちなみに、世界初の絵本美術館はなんと日本の「いわさきちひろ絵本美術館」でございます。1977年9月開館でございます。東京・練馬区下石神井にあり、絵本作家のいわさきちひろ様が亡くなるまでの22年間を過ごし、数々の作品を生み出した自宅兼アトリエ跡に建てられております。その後、絵本人気とともに続々と絵本美術館は全国に開館されました。

そもそも絵本美術館って何?

ウィキによると、優れた絵本の原画の展示に合わせて、作品としての絵本コーナーなどが併設されたもの。絵を見るだけでなく絵本も楽しめるのでございます。つまり、「私、絵にはあまり興味ないんだけど…」な人でも楽しめるのでございます。

さらに、そんな“絵本美術館”の中に、“絵本作家の絵本美術館” というものがございます。先ほど、ご紹介した「いわさきちひろ絵本美術館」も、そのひとつですが、ある絵本作家をメインに、その絵本作家の作品だけを展示している美術展のことでございます。

まだまだ数少ないのですが、素敵な美術館が名を連ねております。そんな数少ない中から、さらに厳選!大人が満足できる“絵本作家の絵本美術館”を2館ご紹介いたします。周りの景色も最高でございます。癒し旅、デートに間違いナッシングなスポットでございます。

「いわむらかずお絵本の丘美術館」

世界でシリーズ1200万部超のロングセラー絵本、野ネズミ一家の日常を描いた「14ひきシリーズ」の作者、いわむらかずお様の美術館でございます。

館長でもある絵本作家のいわむら様が、絵本の世界と自然体験が共存する場所を作りたいという思いから開館。今年でちょうど20周年を迎える人気絵本美術館でございます。館内では、あの「14ひき」シリーズの貴重な原画を「あ、これ読んだことある」などと楽しみ、屋外では絵本の中に登場しそうな里山に暮らす生きものたちと出会う。そんな体験のできる贅沢な美術館でございます。

 

安野光雅美術館

安野様は、今年デビュー50周年。絵本界では、先日亡くなられたかこさとし様と並ぶ大御所でございます。とにかく絵がゴイスーでございます。児童文学のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞画家賞をはじめ、国内外の名だたる賞を総なめにしておられます。また、大人からの人気の高さもハンパないって!なのでございます。

そんな安野様の美術館は、ご自身の生まれ故郷、島根県の津和野にございます。

津和野の町並みに溶け込むものであって欲しいと、赤い石州瓦の屋根の純和風建築でございます。コンセプトは「子どものころの記憶」。館内には、昭和初期の学校の校舎を思い出させるような廊下、教室もございます。その教室の後ろの壁には安野様が書いた「子どもたちのお習字」も並んでおります。

さらに、館内にはプラネタリウムも完備。安野様の作品を鑑賞するだけでなく、子どもの頃の記憶、空想を楽しむ仕掛けがたくさん用意されております。安野様は、「子どもの心、空想というようなものは、ただだし、荷物にもならず、傷みもしない。この美術館を出て帰られる時、それを持って帰って頂きたい…」と語っておられます。

今年の芸術の秋は、“絵本作家の絵本美術館”、体験されてみてはいかがでございましょう。

(文:N田N昌)

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この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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