【注意】イジメ問題!SNS・LINEで陰湿な嫌がらせも。子どもと考える解決策

2017/04/11
放送作家 石原ヒサトシ

ダメと言っても、格好悪いと言っても、残念ながら学校から完全にイジメはなくならない。4月は、新入学、クラス替えが行われ人間関係が変わる。イジメていた者とイジメられていた者が離れた場合は関係がリセットできるが、しかし、逆に新しいイジメが始まるスタートラインに立ったとも言える。

 

 

そこで、イジメについて色々と調べてみた。

【イジメのターゲットにされやすい子どものタイプやパターン】

 

とにかくおとなしい子(人との交流が苦手でいつも一人でいる。無口。身体が細い。スポーツが苦手)

目立たないし怖くない。話しかけても返事もない。「何だよあいつ?」となって、何か嫌がらせをしてもやり返してこない・・・というような流れでイジメられやすい。

 

最初は仲が良かった仲間からイジメられるようになる

何がきっかけか様々だが、仲間内での上下関係ができて一番下がストレスのはけ口になってイジメられる羽目になっているパターン。“仲間”になってしまっているので抜け出そうにも抜け出せない。

 

最初は仲が良かった仲間のリーダー格がイジメられるようになる

クラスのリーダーグループの、そのリーダー格が、あまりにも威張り散らして性格が悪い。最初は皆従っていたが、あるときに陰で皆の不満が爆発して気持ちが結束。無死する雰囲気ができて徐々に孤立する。つまり自分が原因を作ってイジメられるパターンだ。

 

他にも、見た目の特徴・他人との特異性を攻められる(背が低い、有名人に似ている、名前が変わっている、等)、真面目すぎる子(冗談が通じない)、ミスが多い(何をやらせても遅いとかで迷惑がられる)、など、色んな意味で目立つ子はイジメの対象にされやすいそうだ。

 

客観的に見て、あなたの子どもはどれかに属すだろうか? 

 

春から子どもを観察

親は、春からの子ども様子を覚えておいて欲しい。新しい環境になって何かしら変化があるはずだ。先生の授業スタイルが変わるので持ち物が違うようになったりする。友達が変わると遊びや趣味も変わったりする、と言った具合に、何かと「変わったなぁ」と感じることも多くなるだろう。

 

そんな中、学級内では、徐々に仲の良いグループ、上下関係、確執などが出来上がってくる。そして最悪の場合イジメっ子とイジメられっ子の図式が徐々に出来上がっていくわけだ。

 

これ、イジメられているかも?! 

子どもは、自分が学校でイジメられていることを親や先生に知られたくはないもの。心配をかけたくない。恥ずかしい。プライドだってある。でも、得てして自分じゃ解決できないから永遠とイジメを受け続けることになるわけだ。そして最悪の場合死を選んでしまう。

 

自分から言い出せないならば、やはり気付いてあげなくてはならない。SOSは絶対に出ている。

 

こんな異変に気付いたら、数日観察してみて欲しい。すぐに問いただしたりはしないでいい。

体調不良を訴えて学校に行きたがらない

帰ると部屋に閉じこもる、外へ遊びに出なくなった

学校の話題や友達とのことを話したがらない

親の前で携帯メールを見なくなる、電話があっても目の前では話さない

自宅に友達から電話があっても出たがらない

服を汚してくる、破れている

身体に傷やアザ、打撲の跡がある

教科書などの教材が破れている、壊れている、無くす

お金を欲しがる、財布から盗む

怒りっぽい、暴力を振るうなど攻撃的になった

~など。

 

中には、精神的な部分から、不眠症、おねしょをするようになる場合もあるとか。とにかく、春頃と比べて様子がおかしいな? と気付いてあげられるかが鍵だ。

 

今回、イジメに関する専門家の本やネット記事などをいくつか見たけれども、「コレが一番!」という解決方法がわからなかった。実は以前、仕事でイジメに関する事を取り上げた際、子ども側の目線でリサーチしたことがある。親や大人が思っている事と、なんだか噛み合っていないな~という部分が多々あった。

 

子どもの、お母さん分析

子どもがイジメられている確証が持てた場合、親はどう対処したら良いのか? ここが一番難しい。ここで、ちょっと怖いことを言う。母を、子どもはどう分析しているのだろう? 実は、子どもが親に相談できない理由に「親に相談しても、あたり前のことしか言わないだろうな」「機転が利く対処なんてできないだろうな」というのがあるそうだ。

 

ずっと暮らしていれば、親のやりそうなこと、言いそうなこと、対処方法の良し悪しが、なんとなく感じ取れる。そして何よりも、子ども社会の空気を読めないだろうということ。子どもたちの間にも社会があるのだ。

 

例えば、勇気を出して母に相談したら、母は怒りに任せて【イジメている子の家へ怒鳴り込みに行った】なんてことが今でもある。昔はそれで解決できたかもしれないが今は絶対にNG。考えてもみてほしい、人をイジメる子どもを育てた親がまともかどうかわからない。若い親ならなおさらで「どんな証拠があるんだ?」と逆ギレされることだってあるそうだ。

 

そして、怖いのはその後だ、今やイジメの手口は巧妙かつ陰湿で、メールやLINE、ウエブ上のSNS、ブログなどを使って多方面から嫌がらせを仕掛けてくる。「親が殴り込んできたぞ」「親にチクったぞ」と即座に拡散されたら、更にイジメに拍車が掛かる。

 

このように、進化したイジメ、流行りのイジメに、母親が対処できる頭脳と感覚があると思えないというのも頷けるはず。

 

「一緒に考えよう」

そこで、子ども目線で考えたイジメ対処法をひとつ提案する。断っておくが私は専門家ではないので、一人の意見として参考までにとどめて欲しい。ただ、トンチンカンなことを言ってはいないと思う。

 

それは『親と子どもで話し合って解決策を考える』という方法。昔から思っていたのだが、提案している専門家を知らない。だからうまくいく確証などはない。ただ、子どもは“助けてほしいけれど失敗したらイジメに拍車がかかる怖さ”があるから、一歩前に踏み出す勇気がないのだ。親から、一緒に解決しようと子どもに提案するのは悪くないと思うのだ。

 

もし、子どもがイジメられているかな? そして、イジメられていると判明したなら...

 

「何があってもお母さんが守ってあげる」と言ってあげること。これで安心感を与える。

 

その際、「どうして言わなかったの?」などと責めたりしてはダメ。勇気を出して教えてくれただけでも褒めてあげる。逆に、「気付いてあげられなくてごめんね」「つらかったね」と慰めてあげる。

 

・そして、肝心な一言を「どうしたら良いか一緒に考えよう」さらに、母が勝手な行動を取り、先走らないことを約束する。

 

辛いと思うけど経緯を聞く

「いつごろから? 誰が? どんなふうに始まった? 何をされる? 原因は何だと思う?」イジメに至るまでの「流れ」があるものだ。

 

対処法に「あなたが悪かったんじゃないの?」と言ってはいけない、とよく書いてあるが、子どもが元々イジメていた側で立場が逆転してしまうパターンもある。だとすると、“あなたが”というより“あなたも”悪かった部分があったかもしれない、という可能性もある。

 

親の教育にも責任があったと受け止め、「そういうことを教えられなかった私も悪かった」と一緒に反省する。とにかく、どんな原因があろうともイジメる人間が絶対的に悪いことは言ってあげる。

 

とにかく、話しを聞いてあげることはとても大事なのだそうだ。イジメの経緯をプレイバックし、母が客観的に原因を探ったり辛い部分を同調してあげたりすると、子どもは精神的に楽になり、また冷静になって自分見つめ返すことができるとか。人から言われてはじめて気づくことなんていっぱいある。

 

子ども自身が、「あの時、ああすればよかった、こうすればよかった」と気づけば、解決方法を導けるかもしれない。

 

具体的にどうしたら良いか策を練る

ここからは、子どもが置かれた状況によるので一概にアドバイスは送れない。というのも大きく分けると、小学校低学年・高学年、中学生、高校生、とイジメの質が違うため、対処法が変わってくるそうだ。

 

先程も言ったが、年齢が上になればなるほど、使うアイテムが増え、メールやLINESNSなどで誹謗中傷したり、という感じで陰湿かつ巧妙化するので慎重に。また、相手が少人数か、大勢なのか? リーダー一人だけなんとかすればいい、とか子どもなりに感じる力関係や雰囲気も話し合いから見えてくるはず。

 

 更に、金銭の要求や暴力はイジメの域を超えて犯罪になる。このように、イジメにもレベルがあり、進化して、流行りだってあるわけだ。

 

なので、子どもから一通りのイジメの内容を聞いたらメモに残すなどして、「専門家に相談する」と子どもにハッキリ言い、内容も報告してあげること。ただし、相談中も子どもは学校でイジメられるので早急に。あまりにもひどい場合や登校を拒絶するなら休ませてもかまわないと思う。

 

出典:http://stopijime.jp/

 

担任、学校を信頼しすぎないで

 

慎重にしたいのは担任の先生。最も相談したくなる相手だが、それも子どもと話し合うこと。先生が児童に慕われているか嫌われているかで大きく違う。あなたも思い返して欲しい、イジメをうまく対処してくれそうな先生、頼りになりそうもない先生、いたでしょう?

 

また、学校もいじめ被害をなかなか認めないケースが多く、相談を受けると、なかったことにしようという解決方法に走りやすいそうだ。

 

このように、子供と話し合うことで、今までのイジメからどう逃げるかというベクトルを、イジメをどう終わらせるかというベクトルに変える。意識を前向きにさせることが大事なんだと思う。

 

解決したら忠告を

 

イジメから開放されたら、子どもに絶対に言ってほしい事がある。それは、「イジメられる人の痛みがわかったはずだから、あなたは絶対に人をいじめる人間になってはダメ」そして「あなたが誰かをイジメたら、あなたはあなたをイジメた人間と同じレベルに成り下がる」

 

実は、イジメられっ子がイジメから開放されて優位に立ったと思い込み、イジメたやつに仕返しするケースも多いそうだ。

 

勇気の使い道

 

小学6年の時、クラスにヤスタケ君という子がいた。おとなしくて痩せていてスポーツはできなくて弱そうなイジメられっ子タイプだった。あまり喋ったことはなかった。

 

そのヤスタケくんが、ある時、教室のドアをドンと開けてツカツカと教壇に立った。皆が注目し、空気が止まった。そして気迫ある声で話しだした。「僕の事を、ヤス子、ヤス子と言う人がいますが、ボクはヤス子ではありません!ヤス子と呼ぶのはやめてください!」

 

彼は泣いていた。あんな姿を見るのは初めてでみんな驚いた。その様子を離れた場所から担任の男の先生が見ていた。きっと誰かから「ヤス子」と呼ばれ泣いているヤスタケ君を見かねた先生が「勇気を出して言ってこい!」と背中を押したに違いない。おそらく彼が初めて使った勇気というカードだ。それからヤスタケ君をヤス子と呼ぶ者はいなくなった。

 

イジメの解決法に正解はないかもしれない。ただ、イジメられている子は、いつか勇気を使わなければ終わらないんだ。

 

 

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放送作家 石原ヒサトシ

放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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