SKIP FACTORYがグランドオープン!世界レベルのスケートパークを目指し“411オープンに込めた想い”とは

2021/04/12
放送作家 小嶋勝美

埼玉県所沢市に位置するSKIP FACTORY(スキップファクトリー)が、約1か月の休業を経てグランドオープン!

世界クラスのストリートコンテストにも対応出来る、スケートパークが完成し4月11日に、オープニングイベントが行われた。

SKIP FACTORYは、室内スケートパークでは国内最大級の広さを誇り、その広さは613平方メートル。2016年にオープンして以来、多くのコンテストやイベントが行われている。

イベントでは、複数のスケーターやライダーが入り乱れて、次々とトリックを競うジャムセッションが、スケートボードとBMXに分かれて開催され、五人組の打楽器アーティスト“勝氣煙”の太鼓の音と共に、会場は大盛り上がりを見せた。

【勝氣煙】

今回の新パーク設計と、施工を担当したSKIP FACTORY店長の、立本和樹氏に新たなスケートパークに対する想いなど、コメントを頂きました。

411の理由

【立本和樹(左)と、この日からSKIP FACTORYのライダーとなった中野虎大郎(右)】

まず、この時期に急きょパークの全面リニューアルを決意した、きっかけを伝えさせて下さい。

今、世界的に深刻な状況が続いていますが、我々のようなスケートパークは国に合わせて休業しても、給付金なんてものは出ません。時短営業をしながら何とかパークを存続させるも、当然ながら減り続ける利用者。何の解決策も見出せずもがく中、今出来る事を第一に考え、昨年末に「休業をするくらいなら、パークを一部リニューアルしよう」という話になりました。

そこからどうせなら、お店もパークも全面改装しようという話になり、1月から設計を練り始め、納得いくまで図面を引き直してから動きはじめる事に。みんなに滑ってもらえることが一番大事なので、初心者から上級者まで滑れるパークという絶対条件の元、セクションのサイズや配置など、自分のこれまでのパーク作りの経験をフルに活かし“今、必要なスケートパーク”を何度も練って設計しました。

3月1日から休業宣言し、1ヵ月でパークを全面作り直す事を決意。まずは店舗の物を移動させたり、既存のセクションの解体や材料購入などから始めて、施工に入るんですが、施工中は何度もアプローチの距離感や高さなど、現場判断で決定していき、社長とも4回ほどガチでやりあいつつ(笑)たった2日の休みで体を癒しながら、毎日作業を進め、結果的には21日間でこのパークを完成させました。

いろいろあったからこそ、4月11日に素晴らしいオープニングを飾る事が出来たと思います。ちなみに、なぜ4月11日のオープンにこだわったのかと言うと…自分を育ててくれたと言っても過言ではない、90年代の伝説的なスケートビデオマガジン411VMから取りました。

世界に通用するスケーターを

たった1カ月で全てを完了させる事が、超絶大変な事だと承知の上で、パークビルダーのキノッピー(木内明男)に依頼しました。理由は、自分が最も信頼しているパークビルダーだったからです。

そしてもう一つの理由が、5年前にSKIP FACTORYを作ったのは彼で、その時の自分は手伝いだったんです。その歴史を壊したくなかったというのが、一番の理由。

【木内明男】

鬼ハードな工程と、決められた予算で頼み込んだ所「社長や立本君に頼まれたら、やるしかない」という返事と気持ちを頂き、二人でパーク作りをスタートさせる事に。

スタートは二人でしたが、たくさんのスキップライダーや、周りの仲間、ローカルの親御さんなどが次々と手伝いに来てくれて、差し入れを頂いたり、気づけば多くの人がSKIP FACTORYを支えて、愛してくれていました。

【多くの人々がパーク作りに関わった】

新しく生まれ変わるスキップは、ビギナーからエキスパートまで楽しめるのはもちろんですが、世界に通用するスケーターを誕生させるという、使命も担っています。実際に今まで自分が面倒を見てきた子達で、今では世界のトップを争う2人のスケーター(堀米雄斗・白井空良)がいます。まだまだアンダーグラウンドな、日本のスケートシーンにおいて“もっと多くのスケーターを世界に輩出していく!”このコンセプトを大事にし、シーンに貢献していくのでよろしくお願いします。

最後に実際は350万円の予算だったのですが、どうしても予算をオーバーしてしまい、400万円になりました(笑)だけど、気持ちよく縦に首を振ってくれた社長にはリスペクトしかないです。

【オーナー・輪島一司(ひとし)店長・立本和樹】

鬼工程に付き合い、支えてくれたキノッピーにも頭が上がりません。そして、差し入れやお手伝いをしてくれたSKIP FACTORYライダーやTUFLEGライダーをはじめ、スクール生や親御さん、お客様達には何度ありがとうを言っても足りないくらい、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとう!

今後はさらに2号店3号店を目指し、居心地のいい最高な場所を増やしていきたいと、思っています。これからも、よろしくお願いします。

スケートボード&BMXジャムセッションの優勝者

【スケートボード・中野虎大郎 BMX・中谷駿仁(アグネス)】

【アグネスのライディング】

湾曲した形状のセクション、R面から一気に壁の上に飛び乗り、そのままR面に降りるトリックで、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。

所沢から世界へ

スケートボードは今、東京オリンピックを機に今までにない盛り上がりを見せている。東京五輪が開催されれば間違いなく、日本人スケーター達が大活躍するだろう。そんなスケーター達も日々、ローカルパークで腕を磨き、スーパースターへの階段を一歩一歩、歩んできた。

「日本から世界へ」言葉にすればありきたりだが、そんな夢を実現させようと裏方で支え、日々悪戦苦闘する人達がいる。

夢の叶う場所の第一歩として、5年後10年後、スキップファクトリーからどんなスケーターが生まれてくるのか。「ローカルスポットはスキップファクトリーです」と胸を張って答えるスケーター達の、今後の活躍に期待していきたい。

SKIP FACTORYホームページ【https://skipfactory.net/】

写真・文 小嶋 勝美

スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。

約10年間芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。

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放送作家 小嶋勝美
この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

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