
(C)HEROs AWARD 2025
スポーツを通じた社会貢献活動をたたえる日本財団のアワード「HEROs AWARD 2025」の表彰式が12月15日に都内で開催され、新たな取り組みとして「スポーツ×社会貢献」をテーマにしたさまざまなトークプログラムが実施されました。HEROsアンバサダーの中⽥英寿⽒さんらが登壇した基調講演の模様などをリポートします。
■「スポーツは⼈を動かす⼒がある」中田英寿さんが熱い意気込み
トークプログラムの⼀つである基調講演「世界を変えるスポーツの価値」には、元サッカー⽇本代表の中⽥英寿さん、ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団/ローレウス・ワールド・スポーツ・アカデミーのチェアマンを務めるショーン・フィッツパトリックさん、⽇本財団理事⻑の笹川順平さんが登壇し、岡部恭英さんがファシリテーターとして議論をリードしました。

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講演では、スポーツやアスリートが社会にもたらす⼒について、多⾓的な視点から議論が交わされ、中⽥さんは「スポーツは⼈を動かす⼒がある。その⼈たちが集まってさらに⼤きな⼒となって世の中を変えていきたい」と意気込みました。
フィッツパトリックさんは「スポーツは私たちに学びを与えてくれる。⼦どもや若者にとって重要なのはお互いに尊重することだ」とスポーツの意義を⼝にし、笹川さんは「⽇本のアスリートが持つ⼒は独特だと思う。この⼒をもっと分厚くしていきたい。可能性を広めるサポートをするので、徹底的に挑戦してほしい」と協⼒を呼びかけました。
■中田英寿が痛感した「チャリティーマッチ開催の苦労」
ラグビーのニュージーランド代表「オールブラックス」で主将として活躍したフィッツパトリックさんは「スポーツには世界を変える⼒がある」と切り出した上で、今の社会が抱える問題について⾔及。「スポーツを通して⼦どもたちの⼈⽣に変⾰をもたらしたい」と決意を⼝にしました。

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欧州でのプレー経験を持つ中⽥さんは、現役時代に多くのチャリティーマッチに参加。引退後に⾃⾝がチャリティーマッチを企画した際には、多くの苦労があったと明かしました。「⼀定の活躍をする選⼿は財団を持っている⼈が多いけど、彼らが何をしているか知らなかった。なので情報を集まる場所が必要だと思った」と話し、社会貢献における「HEROs AWARD」の開催意義を語りました。
⽇本財団理事⻑の笹川さんは、アスリートが持つ⼒に⼤きな期待を寄せ、今回で9回⽬を迎えた「HEROs AWARD」を通して、「アスリートが社会にとって不可⽋になった。トップアスリートは競技の枠を超えて社会問題を解決するリーダーだと思う」と熱弁。また、昨年1⽉に発⽣した能登半島地震の復興活動にHEROsは積極的に参画しており、笹川さんは「アスリートのみなさんの⼒は本当にすばらしい。夢がない⼦どもたちがいる中で、アスリートがいると夢や⽬標を持てる」とアワードのメリットを強調しました。
■池⽥めぐみさんや上原⼤祐さんらの講演も
また、HEROs AWARD 2025の受賞者であるフェンシング元⽇本代表の池⽥めぐみさんは、⽇本ファンドレイジング協会の鵜尾雅隆さんをファシリテーターに迎え、プレゼンテーション「ソーシャルアントプレナーとして挑む社会課題」をテーマに講演を実施。池⽥さんは「今後はフードロスや夏休みの学童の居場所づくり、産後ママの孤独ケア、学校教育との連携、企業の健康経営に取り組んでいきたい」と話しました。

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パラアイスホッケーの上原⼤祐さんは、同じく鵜尾さんをファシリテーターに「ソーシャルアントプレナーとして挑む社会課題」をテーマに講演。上原さんは「⽇本は障害者に体育館も貸してくれない国です。この環境を変えていきたい。当たり前のことが当たり前にできる社会にしたい」と決意を⽰しました。
そのほか、特定⾮営利活動法⼈全国こども⾷堂⽀援センター・むすびえ理事⻑の三島理恵さん、認定NPO法⼈カタリバ代表理事の今村久美さん、パーソルイノベーション代表取締役社⻑の⼤浦征也さんによる「⼦どもの未来を⽀える」と題したワークショップも⾏われ、建設的で有意義なトークプログラムが展開されました。







