Twitterで話題のトラウマ級に怖い絵本「たべてあげる」が図書館に置いていないワケ

2017/04/10
N田 N昌

絵本「たべてあげる」がトラウマ級に怖いとTwitter、ネット上で話題になっております。

 

 

「たべてあげる」(作:ふくべ あきひろ 絵:おおの こうへい)

こちら、2011年に出版された絵本で、あらすじをざっくりとご紹介させて頂くと…。

 

ピーマンが大嫌いな男の子が主人公。そんな男の子の前に、小さな自分そっくりな男の子が現れます。その自分そっくりな男の子は、「嫌いな食べ物は僕がかわりに食べてあげるよ」と提案。男の子は喜んでその提案を承諾。嫌いなものは何でも自分そっくりな男の子に食べてもらうように…。

 

すると、そのそっくりな男の子は、嫌いじゃものまで食べるようになり、気がつくと、男の子より体が大きくなってしまいます。そして、男の子をパクリ。というお話。怖い部分を抽出してざっくり説明していますが、この後もお話は続くのでございます。

 

この後は、書店でご購入、もしくは図書館の絵本コーナーでご確認くださいませと、申し上げたいところですが!!実は、図書館に行っても、この「たべてあげる」はなかなか見つからないのでございます。

 

というのは、公共の図書館では、「この絵本は、うちに置くべきか否か?」という所蔵する絵本を審査する会議があるのでございます。そこで、この手のトラウマ系の絵本は却下される可能性が高いのでございます。たとえ人気があったとしても…でございます。

 

その判断基準は、その図書館次第なので、図書館によっては、この「たべてあげる」が置かれている図書館もあります。小生が都内で調べたところ、置いてある図書館は非常に少なかったです。

 

このてのトラウマ系(怖い系)の絵本を子供に読みきかせるべきか否か議論はたしかにございます。ちなみに、この「たべてあげるの」の作者のふくべあきひろ様は、「本来、日本の昔話にせよグリム童話にせよ、子ども向けの話というのは相当に怖いです。自分の理解を超えたものを信じさせます。実際の世の中は、そんなことばかりだからです。

 

だからこそ、個人的には、絵本にはあまり大人の世界のコンプライアンス的配慮を持ち込まない方が良いのでは? と思います。なまはげ万歳です。親が怖い。先生が怖い。絵本が怖いというのは、とても健全なことな気がしますね」とコメントされておりました。

 

実は、このふくべ様、大手広告会社H社のコピーライターをされており、テレビCMや新聞広告を手がけられる傍ら、絵本作家としても活動されております。「たべてあげる」の他にもたくさんのナンセンス絵本を出されており、小生も大好きな絵本作家様でございます。

 

特に、「いちにちおばけ」「いちにちのりもの」「いちにちこんちゅう」「いちにちぶんぼうぐ」、…など「いちにちシリーズ」は、とても面白く、大人の方々にもおすすめでございます。こちらは、男の子が1日だけ、いろんなお化けになったり、いろんな文房具になったりしてしまうナンセンス絵本で大人も笑える作品でございます。

 

「いちにちシリーズ」は、たいていの図書館に置いてあるはずでございます。これを機会に、是非是非、大人絵本の世界、ふくべあきひろ様の絵本の世界をご体験くださいませ。(NN昌)

 

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N田 N昌
この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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