破産する前に相談して救われた会社が多数。解決糸口を一緒にみつけだす事業再生コンサルティングを行う株式会社アセットアシストコンサルタント 代表取締役 大森 雅美氏

2022/04/12
マガジンサミット編集部

経営が傾き、資金繰りがうまく回っていない会社に対して立て直すためのコンサルティングを行っている株式会社アセットアシストコンサルタントの代表取締役である大森 雅美さん。事業再生コンサルティングについてお話を伺った。

会社が起動に乗っている時はいいが、事業や売り上げが縮小した時、借入の返済が重たくのしかかる。そんな時、多くの経営者は悩み、本やセミナー、仲間の経営者に相談して解決の糸口を切り開こうとする。しかし一般論としての解決策しか得られず、最終的に弁護士に相談することが多い。その時に法的処理しかなく破産の選択を突きつけられるパターンがほとんどだ。そんな人々に向けて最後の砦として経営者が主体となって、事業を再生できるよう解決の糸口を一緒に見つけ出すお手伝いをするのが事業再生コンサルティングだと大森氏は話す。

例えば借金の返済額が月30万円の契約にも関わらず、事業縮小の影響で10万円しか返すめどが立たない場合。弁護士に相談すると返済不可とされ破産を進められる。しかし株式会社アセットアシストコンサルタントでは今の延長上でやれる方法を探す。この場合なら、しばらくの間は10万円の返済額に下げてもらい、資金が用意できるようになったら金額を増やして返済できるように様々なところに協力を求める。そのためには資金繰り表を作成して今後の見通しを相手に伝えて交渉していく必要があると言う。

事業再生コンサルティングを受けにきたお客様は「もう死にたい」と、どん底の状況でやってくる人が多い。そんなお客様を相手に大森氏は多くの中小企業の事業再生のコンサルティングを行ってきた。そして実際に携わることでノウハウも培ってきた。これは事業再生の手助けだけでなく自己破産を決めた経営者に対してのアドバイスにも役立っていると話す。苦しい経営状況から早く抜け出したいと思うものの、破産後は自分主導で何もできなくなってしまうので破産前に仕事の割り振りなど全て片付けた上で自己破産するようにアドバイスなども行っている。

今までの事例を聞いてみると、売り上げ60億円規模の会社がリーマンショックで売り上げが減ったことで、事業再生コンサルティングを行った事例を話してくれた。管理不足による営業マンの高額な交際費やずさんな会計によって発生した粉飾決算などいくつかの問題点が決算書に見つかった。そこから再生のため、月々の返済可能額含めた細やかな資金繰り資料を作成して事業を続けながら返済をしていきたいとメガバンクに頭を下げに行った。そして再起の道が開け、社員の雇用も守られたという成功事例となった。粉飾決済という問題があったものの、しっかりと原因究明をして返済の見込みも説明すればメガバンクですら協力してくれることもある。このケースに対して弁護士に相談していたら粉飾決算の時点で会社の信用も落ちて大変なことになっていただろうと話す。

また、他の事例だと従業員が5人ほどの小さな会社の場合、家族のような関係が築かれていて従業員の給料を優先しがちになる。そして代表やその家族の生活がボロボロになるケースもある。その場合も各所に同行しながら今後の支払いについてや継続のための協力を求めにいく。また協力を仰ぐための伝え方のアドバイスも行う。こうやって事業再生のノウハウを伝えていくと自殺すら考えていた経営者も安心して次の日を迎えるようになり顔が明るくなっていくと大森氏は話す。

このように、様々なケースを見てきているが、倒産する会社は働いている人の内部分裂が理由になることがほとんどで借金が理由で倒産することは、ほぼないと言う。会社の資金繰りが悪くなり、給料やボーナスが払えなくなると社員の心も離れていってしまう。すると仕事の質も下がり、会社が回らなくなり倒産するケースが多いと大森氏は言う。多くの会社の事業再生コンサルティングを行っている大森氏だからこそ、様々なケースを分析、対応できるのだ。

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