出たか!10億円!? テレビでよく見る「西銀座チャンスセンター」デビュー顛末(前編)

2016/01/27
わたなべもも

『ジャンボ宝くじ』の発売の際、行列ができることで話題の【西銀座チャンスセンター】。平成に入ってから470名の億万長者が誕生したという。もちろん、2016年も続々と高額当選が出ているらしい。

 

ニュースで「ン時間待ち」「地方から来た」などと聞くと「どこで買っても同じでは?」と思うし、人気の売り場なら「そりゃ、それだけ枚数が捌ければひとつくらい当たりが出ても…」と並ぶ気もしなかったのだが、1等が10億円と聞き発奮。

 

「どうせ買うんだったら…」と、6歳の息子を連れて、暮れも押し迫った去年、12月中旬の夕方に西銀座チャンスセンターへと向かった。今回は、その人生初の宝くじ購入顛末をお伝えしたい。

 

窓口によって待ち時間が全く違う

有楽町駅に降り立つと、こちらも有名な、JR有楽町駅中央口宝くじ売場(通称:有楽町大黒天宝くじ売場)が、サンタ姿のキャンペーンガールが華やかに呼び込み。そのにぎやかさにつられて並ぼうとしたが、ここは初志貫徹。横目に西銀座チャンスセンターへ。

 

着いたところ、有楽町駅前の売り場と比べて、なんか地味な感じで行列の整理員が誘導しているだけ。しかもなんだかすぐに買えそうなくらいまばらな人影。

 

「あれ?あのテレビで見た大行列は…?」と思いつつ行列に並ぼうとすると、「7番窓口はこちらです!30分待ちです」という誘導の声が…「人気の窓口で30分なら楽勝だね!」と並び始めたところ、さらに左奥から「1番窓口はこちらです!!」という声がした。

そして振り返ると、なんとビックリするくらいの大行列が晴海通り沿いの歩道に並んでいるではないか!!

 

そうだ、ここは1番窓口に多く人が並ぶのだった!

過去の曖昧な情報の引き出しの奥から記憶がよみがえる。「ただ今なら1時間待ちです!」の声に「どうする?息子よ」と訊くと「金持ちになりたいから1番に並ぼう!」という前向きな声が。そこで決意も新たに大行列の最後尾に並んだ。

 

しかし、気温7度……

日没とともに急に温度が下がっていく。

暖冬が仇となり、着のみ着のままでノリで駆け付けた親子を待ち受けていたのは“寒さ”だった。息子が「今、気温7度だよ」という。振り返るとビルの電光掲示板に7度の文字。「ラッキーセブンだからラッキーだよ」と力なくつぶやく母。ペラペラの薄いローファーを履いてきたせいで足元から冷える。

 

しかし、いっこうに動く気配のない行列。

行列の真横にある『臨時窓口』なるものを眼の端でとらえる。(こちらは並んでいる人が殆どいない……。)誘惑に駆られるが、1番窓口に並ぼうと集まってきた猛者たちに“脱落者”は1人もいなかった。日本一の『西銀座チャンスセンター』の“1番窓口”で何が何でも買ってやる!という我々は、やはり気合が圧倒的に違うのだ。

 

1番窓口の隠れトラップ??

並び始めて、1時間半。通称【億の細道】とのぼりが立った小道へ。なんだかやっと窓口に近づく。ここで二列に別れるように勧められるが、片方の列はパラパラとしか行かない。「あれ?何で二列になるんだろう。」それに片側に圧倒的に列が並んでいるということはどういうことだ!?と答えられるはずもない息子に話しかけると、前に並んでいた男性が「1番窓口は2つあるんですよ」。

 

えっ!

 

ここにきて、まさかのトラップ。億への道は細いだけでなくなんと2又に分れていた。寒さと疲労のあまり、無口になる息子。後ろに延々と続く人達の視線を感じながら「ここが人生の岐路」と、どちらを選択して良いのか迷う母。

 

すると先ほどの男性が「どちらも1番窓口には変わらないけど、どうせなら1番端の窓口に並びたいとみんな思っているから」とご親切に教えてくれた。ここまで寒空の下で並んでいたら「1番の1番」以外考えられない!ということで、まだまだ列に並ぶ。

知ってか知らずか2列になるように言われて、空いている方に急いで進んでいる人がいたが、1分でも早く買いたいという人もいるだろう。なんせ気温7度の下、待ち続けていたのだから…。

 

ここまで来れば、あとちょっと!と息子を励ましたが、しかし、この“ちょっと”が永遠かと思うほど長かった。窓口にたどり着いた人には、各々に験担ぎの流儀があるらしく買い方を細かく指定。

……

10億円を手に入れるのは、そんなに楽なことではないのだ。宝くじの神様、どうか息子と私に今世紀最高の運を下さい!

 

【参考】
・みずほ銀行宝くじ当選番号
http://www.mizuhobank.co.jp/takarakuji/tsujyo/jumbo/0688.html
・西銀座チャンスセンター公式ホームページ
http://nisiginzacc.com/

 

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開運帖(かいうんちょう)
 イースト・プレス

 

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わたなべもも
この記事を書いた人

わたなべもも

構成作家。外資系企業を渡り歩いた後に、テレビの新人作家オーディションのファイナリストになったことがきっかけで構成作家に。かつて年間200冊以上の本を読んで培った雑学や一般常識を活かし、地上波・BS・ラジオ・ネット配信までメディアにこだわらず幅広く活動。

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