【東京☆今夜はここで独り呑み】 ~九州の美味が集まる焼酎居酒屋へ~(五反田編)~

2019/03/29
遠藤 昇輝

『家呑みよりも、気になる町で独り呑み』今回は品川区の<五反田>に繰り出します。

それにしても、これほど気になる町があるでしょうか…。五反田って魅力のふり幅が大きい。いや、大きすぎるのです。最近は渋谷(ビットバレー)から流れてきた新興IT勢力が集まり、「五反田バレー」と名乗り始めた。なんてニュースもありましたが…

皆さんが五反田と聞いて真っ先にイメージするのはどんな光景でしょうか?山手線の駅?目黒川?ちょっとエッチな有楽街?駅前のパチンコ屋さん?それとも地面師の巨額詐欺事件の舞台となった廃旅館?

どれも正解ですが、五反田は有名企業の本社(POLA、学研、TOC)などがあるビジネス街で、豪邸がひしめく城南エリア屈指の高級住宅街(現皇后様の生家があった所)でもあるんです。

さらに、お嬢様学校で有名な清泉女子大学もあり、外国大使館も点在するエリアでもあることは意外と知られていません。これほど人によって抱くイメージが異なる町も珍しいのではないでしょうか。さて、まずは駅の西口を出て線路沿いへ。歩いて3分、ビルの1階に「花善」と記された木製の看板が見えてきます。

こちらは九州の食材と料理が評判の焼酎居酒屋。ものすごい数の銘柄が揃う店では、ほとんどのお客さんが焼酎を飲んでいました。(独りでもカウンター席があるので安心です)

一杯目は「(自家製)かぼす酒」をオーダー。あまりに美味しいので同店のブログをチェックすると、「かぼす酒づくりの様子」が丁寧にアップされていました。

桜の時期だったので春らしく「焼きそら豆」と「タケノコの土佐煮」の2品から。そら豆はほんのり甘く、「石垣の塩」がその甘さを引き立てます。タケノコもまた旨し。やわらかく焼酎との相性が抜群でした。

店の名物といえば雄大な阿蘇の麓で育てられた馬肉です。いくつか種類があったので人気No.1の「馬刺し3種盛り(上馬刺し、はらみ、たてがみ)」をチョイス。九州ならではの甘~い醤油ににんにくを少々つけていただきます。

「うぅっ…旨い」肉質のやわらかさに打ち震えていると、少し離れた席から「ここに来たら、馬刺し食わなきゃ帰れないよ」という声が聞こえてきました。(たしかに)

さすがは五反田界隈では屈指評判を誇る九州料理の店「花善」です。では、熊本の馬肉のあとは、鹿児島の鶏肉と参りましょう!

運ばれてきた「日向赤鶏焼き(桜島溶岩石使用】」のインパクトはかなり強烈。まるで溶岩から煙が出ているようです。(本物の桜島の溶岩だそうです)

焼きあがった日向赤鶏は…外はカリッと中はジューシー。ポン酢に自家製柚子胡椒を入れていただきます。「んー!これはたまらん…」創業時から変わらない人気メニューというのも納得です。

メニューを見ていたら「りゅうきゅう」という料理を発見。これはアジなどの鮮魚を特製ダレに漬けた「琉球」という大分の郷土料理のこと。味が染み込んだソレは刺身に醤油をつけて食べるのとは違って深い味わい。

でも、大分料理なのになぜ「りゅうきゅう」!?調理法が沖縄から伝わったなど諸説あるもののはっきりとはしないようです。(大分名物は、この他に「とり天」などがあります)

九州の美味に満足したところで、お会計を告げると「しじみの味噌汁」が出てきました。(うれしーい)あったかいお椀をいただきながら、しみじみ思ったは「五反田に住んだら楽しいいだろうなぁ」ということでした。(呑んでよし、遊んでよし、アクセスよし)

さて、店から駅までは約3分の距離ですが、店を出ると…人間の三大欲のひとつが存在感を主張してきます。はたして、無事にたどり着けるのか、それとも寄り道してしまうのか?うーん!五反田には不思議な磁力が働いているような気がしてなりません。

 

店名:『花善』

住所:東京都品川区西五反田2-5-14 中央ビル1階

電話:03-3495-2585

定休日:土曜・日曜・祝

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遠藤 昇輝
この記事を書いた人

遠藤 昇輝

1968年東京生まれ 放送作家として数々の「東京の町歩き番組」を手掛ける傍ら“情報収集”と称してテレビ業界の面々が通う「独り呑みの店」を渡り歩く。東京の町の貴重な遺産を紹介するため一般社団法人東京遺産協会を設立。 町歩きプランナーとして自治体の魅力発信事業等にも参加。

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