クリエイティブディレクター佐藤可士和が初の飲食店ディレクション【焼鳥つかだ】

2018/03/22
Shoichi Sato

生販直結モデルの草分け的存在として、首都圏や関西地方で店舗展開している地鶏居酒屋チェーン「塚田農場」が新たなブランドをリリース。初の旗艦店「焼鳥つかだ」が3月22日から中目黒でオープンしています。

「焼鳥つかだ」オープンに先駆けて3月15日、都内で事業戦略発表会が行われました。当日は塚田農場を手がける株式会社エー・ピーカンパニー(東京都港区)の米山久代表取締役社長と、「焼鳥つかだ」のディレクションを担当したクリエイティブディレクター佐藤可士和氏が登壇。トークセッションを実施しました。

宮崎県でスタートし、塚田農場ブランドをリリースしておよそ10年。米山社長は今後の展開について悩みがあったそう。2年ほど前に佐藤氏に相談を持ちかけ、プロジェクトがスタートしました。

飲食店の仕事は初めてだという佐藤氏は「日本の外食産業は成熟してきた。チェーンストア理論は通用しない」と話し、「(塚田農場のビジネスモデルは)ユーザーとして難しいと感じていた。今回手がけた焼鳥つかだは自由度が持てるブランディング戦略。時代にあっているのではないか」と話しました。

ディレクションの際、農場や屠殺場にまで足を運んだという佐藤氏。「まず味が美味しいし、この理由がはっきりしている。上質な食材と職人。これに絞って、少し贅沢をしたいユーザーをターゲットとする“レアマス”のポジションを狙えるのではないか」とコンセプトを説明します。

新「つかだ」ブランド30〜50店、「塚田農場」は100店舗を見込む

中目黒に新たに誕生した「焼鳥つかだ」は、佐藤氏の戦略がそのまま店舗空間に落とし込まれています。内装はすべて国産杉を使用し、良い素材をそのまま提供するイメージを踏襲。店舗の3分の2ほどで仕切りを入れ、奥の部屋に掘りごたつを設えることで、違う空間を演出しています。また、店を象徴する鳥の絵は佐藤氏が墨で描いたもの。使われる有田焼の食器も、佐藤氏が一点一点絵付けをしました。

米山社長は「焼鳥つかだ」について「客単価3,500〜4,000円程度で最高級の地鶏を提供する、大人の焼鳥店」とし、戦略については「新たな“つかだ”ブランドは30から50店舗に。既存の塚田農場は業態転換をしながら100店舗ほどで展開していきたい」と話しました。今後は焼鳥だけでなく、炉端焼きやしゃぶしゃぶなども展開していくプランがあるとのこと。

「マスなんだけれどレア。この相反するものを見つけ出すことが難しかった。米山社長とは、1日に3店舗くらい見て回る飲みニケーションをしていた」と、ブランド誕生秘話を披露した佐藤氏。日本を代表するクリエイティブディレクターが演出した空間は、一見の価値ありです。

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この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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