好きなことに夢中になると、健康的な生活が送れるんじゃないかとはじめたこの企画。
今回検証するのは、私-"腐女子"にとって「BLは健康にいいのか」という偉大な問い。いよいよ後半戦に突入。
BL天国な毎日を送っていた私に驚きの結末が!
◯実験概要
被験者……私
監 修……姉(看護学生)
ルール
・1日1冊以上商業BL作品を読む生活を一週間続ける。
・BL以外の娯楽作品は摂取しない。
・一週間毎日血圧と体温を測り、体調の変化を計測する。また、実験前と実験後にストレステストを行う。
以上の内容で、11月14日からの一週間を実験期間に充てた。
計測した基礎バイタルは血圧92/60、体温35.8℃、ストレスは45%。ここからいかに体調が変化するのかを観測していく。
11月18日(水) 読んだもの
血圧:100/50 体温36.6℃
本日は平常通り登校できたものの、持病の日中に強い眠気を催す過眠症がいつもより酷く、電車の中でも授業でも寝てしまった。
授業は午前だけだったので急いで帰宅し、BLを読みながらまた眠る。
大学の先輩(男性)が「雲田はるこのBLを読んで人生が変わった」と言っていたのを思い出して『新宿ラッキーホール』を購入したのだが、「受けのヒゲ」が「リバ」(注:受けと攻めの立場が入れ替わること。リバーシブルの略)という私の中の「許せない逆ストライクゾーン」ど真ん中だったので複雑な気持ちになる。いや、話は面白いんですけども……。
11月19日(木) 読んだもの
血圧:102/62 体温36.3℃
朝から授業を受けバイトに行き、もう一度学校に戻ってサークルの作業へ行って9時に帰宅。
今週一番の過密スケジュールだった。
自分の体力のなさがひしひしと実感できてしまっているのが怖い。
ここ数日しっくりくる作品に出会えていないので、昔一度借りて読んで最高だった『やたもも』を、今回は購入して読んだ。
はらださんの絵はいつ見てもセクシーで素晴らしいし、本を出すスピードも無茶苦茶に早いので、BL漫画を描かせるために神仏に遣わされた何者かなのではないかと思う。
11月20日(金) 読んだもの
血圧:102/68 体温:36.4℃
気圧の低下が直に体調に響いてきて、つらい。今月は全ての日に予定が入っているという地獄っぷりなので、今日のような午前休の日は目一杯寝るに限る……のだが、コンタクトの洗浄液が切れたので朝から街に出た。
ついでに一穂ミチの『ノーモアベット』を買ったらこれがもう凄まじい大正解だったので一気に元気がみなぎる。
キャラはあまり好みではないが、ギャンブルをテーマにきれいにまとめられた良作であった。
そして日付が変わる頃に続編『ワンダーリング』を読み始めたのだが、あまりの最高さに瞬殺で読破してしまった……。
『ノーモアベット』で主人公の彼氏の同僚として出てきたディーラーと彼の勤める公営ギャンブルを仕切る社長の、ハラハラして危なっかしい恋愛がかわいくてもう死にそう。
……しかし血圧はまさかの下68、これは大丈夫なのか〜?!
◯結果
この一週間のバイタルは以下のとおり。
「1」が平常時、「2」が実験を開始した日、「8」が実験最終日(20日)を指している。
看護学生の姉にこのデータを見せたところ、「全部平常値内に収まっているので問題はないし、変化があったとは言えない」とのこと。
微妙な上昇は気にするレベルではなかったようだ。
つまり血圧は現状維持。体温も問題無しとのことである。
しかし!ストレスチェックのほうは……まさかの12%!
実験前のストレスは45%だった。これはかなり下がったと言える数値だろう。
BLには健康状態を好転させる効果はないが、ストレス軽減には効果があると言えよう!(あくまでも筆者だけの実験なので個人差はある)
◯まとめ
BLがっつり読みまくり生活を送っている間、実際に街の風景を見るだけで「あっ、あの八百屋さん、攻めが受けのご機嫌取りのための果物買ってそう」「あのドラッグストアの看板の陰から“受け”が出てこないかな?」という思考回路になってくるので、毎日が楽しかった。
ストレスまみれでつらい、心が荒んでいる……そんな腐女子の方は、もしかしたらBLが足りていないのかもしれない。ストレスで体調を崩す前にBLを読もう。
そして、12月1日からはじまったストレスチェック制度。仕事ストレス改善策の一環として腐女子向けにBLマンガを置いてみるのもいいのかもしれない……。