梅雨のシーズンがやってまいりました。外に出るのもおっくうになる時期でございます。仕事が終わったらさっさと帰宅という方も多いのでは…。そんな方々にオススメしたい絵本が、大人カエル絵本でございます。
毎年、梅雨のシーズンになるとカエルの絵本が書店の絵本のコーナーに並びますが、ほとんどが子ども向けでございます。ところが、大人向けのモノもございます。それもかなり秀逸な絵本でございます。普段絵本を読まない方は、「絵本って、こんな大人向けの面白いモノのあるんだ」と思うこと間違いナッシングでございます。
そんな大人カエル絵本をご紹介させて頂きます。まずは、こちら。
「カエルのおでかけ」(作・絵:高畠 那生)
こちらは、絵がポップで大人の読者の多い絵本作家、高畠那生様の人気作でございます。第19回日本絵本賞も受賞しております。シュール度が秀逸で、大人好みの内容でございます。ちなみに、こちらの絵本のキャッチコピーは、「何もかもあべこべ、あべこべにもほどがある!?」でございます。一体何があべこべなのか…。梅雨、雨に対する気持ちでございます。カエルは雨が大好きなのでございます。絵本冒頭で、テレビの天気予報を見ていたカエルは、雨予報に大喜び、喜び勇んで外に飛び出します。この先がとにかく面白いのでございます。“あべこべ”アイデア満載の展開が、たまりまセブンなのでございます。
大人が面白がれるユーモアたっぷりなお話でございます。
「よるのおと」(作:たむら しげる)
こちらも、大人にオススメの絵本でございます。絵も素敵ですし、なによりゴイスーなのは、絵をみているだけで音が聞こえてくるのでございます。
舞台は、都会から遠く離れたひっそりと静まりかえった田舎。そこにあるのは自然の音、そして遠くに見える列車の汽笛のみ。物語は、そんななかにある池をぐるりと回って、おじいさんの家を訪問する男の子の数分間でございます。
その間に小動物達が登場するのですが、その羽音さえも聞こえてきそうな静けさが、まさに自分がその場にいるかのように感じられるのでございます。ちなみに、カエルが主役ではございません。登場人物の中のひとりなのですが、表紙に登場しているのと、あまりに素敵な大人向けの絵本なのでご紹介させて頂きました。梅雨時に、じめじめした外の世界を忘れさせてくれる一冊でございます。
余談ですが、作者のたむら様は、絵本作家としてもイラストレーターとしても超人気の作家様。長年、テレビ情報誌「TVステーション」の表紙も担当されております。
2冊とも、普段絵本を読まない方に是非一度読んで頂きたい絵本でございます。
(文:N田N昌)