責任感が強く完ぺき主義な人は鬱病になりやすいと言われています。はたから見ると自立心がありしっかりしているため、発症するまで周囲も本人もうつ病になるとは微塵も思ってもいなかった人がほとんどです。
日照時間が減ってくると「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが減少し、鬱になりやすくなります。鬱病が発症しやすくなる冬に向けて、健康な精神状態をキープする術を身につけましょう。
2つの原則のバランスを保つ
人の心には2つの原則があり、この原則のバランスによってその人の行動が決まります。
そして、健常な心を保つためにはこの2つの原則のバランスをとることが欠かせません。
ひとつめは「現実原則」
マナーやルールを守ろうとする意志のことです。「いつまでにこの仕事を終わらせなければならない」「人に迷惑をかけてはいけない」などです。
こちらに偏ると、欲求を満たせず押しつぶされてしまいます。
ふたつめは「快楽原則」
食べたい・寝たい・休みたい・愛されたいなどの欲求やそれを満たそうとする意志のことです。
こちらに偏ると、自己中心的になり社会適応ができなくなります。健康な心を保つには、どちらの原則に偏ってもいけません。
たとえば、車がほしい場合。現実原則に偏ると「車がほしいから借金してでも買おう!」となり、現実原則に偏ると「車はほしいけど貯金しないといけないから買わない」となります。
バランスがとれていれば「車を買ってドライブしたいけど、今はお金がないからレンタカーにしよう」「ボーナスまで待とう」など柔軟な考え方や適度な我慢ができるようになります。
自分がどちらかの原則に偏っていないか、時々振り返るようにしましょう。
他人の意見や行動を肯定する
たとえば上司から注意を受けたり、友人と口論したりした際に「自分が否定された」「そんなこと言う必要ないじゃないか」など反感を抱くことはありませんか?このような否定的な捉え方をすると、自分の心にも負担がかかります。
相手の行動や言葉が自分の考えと異なっていても、なるべく肯定的に捉えるようにしましょう。「言い方はともかく、心配してくれているんだろうな」と見方を変えるだけでも、新しい気付きを得て自己成長につなげることができます。
また、もしプラスに捉えられなかったとしても、そのとき自分がどう感じたかを客観的に考え、自己理解につなげていくと反感を消化することができます。
「なぜ自分はいやだなと思ったのだろう?」と自問自答していくと、今目の前にいる相手にではなく、過去の出来事と重ねあわせて不快感を抱いていることも多いです。
「自分はこういうことをいやがる人間なんだな」と知り、自分は同様のことをしないよう心がけるだけでも、自己成長につながっています。
心が幸せになることをする
鬱病の人は、心が幸せを感じる物質であるセロトニンやノルアドレナリンの量が不足しています。以下の行動はこれらの量を増やす最善の方法なので、日々実践しましょう。
・日の光を浴びる
・美味しいものを食べる
・美しい景色を見る
・いい香りをかぐ
・運動で汗を流す
・趣味を楽しむ
こういったことを行ううちに、心が幸せを感じられる状態に回復していきます。