42.195キロを初心者が完走するコツ!『ランニングマガジンクリール』編集長インタビュー

2016/06/22
吉岡仁美

 

「(関東圏に住んでいるなら)やっぱり東京マラソンですね。マラソンは自分に馴染みや縁のある場所を走ると楽しいんですよ。大会に参加することで仕事や通勤、買い物で慣れ親しんだ街を車道から眺めると発見も多いです」

 

―― ビギナーは何を基準に大会を選んだら良いでしょう?

 

「まずは制限時間が7時間ぐらいあるところがいいですね。ホノルルマラソンは制限時間がありません。時間に余裕を持って走れる大会を探してみたらいいです。特に初マラソンは、いい思い出を残してもらいたいな」

 

―― 初めての大会が楽しかったら、ものすごくハマりそうですね。

 

「そう、だから故郷とか地元とかのマラソン大会に参加するのもいいですよ。知人から声援をもらえるじゃない?この声援が大切なんです。地元といえば“ご当地グルメマラソン”も楽しいですよ」

 

―― グルメマラソンですか?!食べること、走ることって遠いような気が…

 

「地方のマラソン大会ではご当地グルメが楽しめたりします。例えば吉岡さんの故郷のとくしまマラソンでは“そば米”が振る舞われます。それって徳島にしかないご当地グルメじゃない?富山では“桝ずし”とか“蛍イカ”が出るし、長崎の五島では“五島牛”が最後に食べられるんです」

 

―― それは楽しそう!特に女性に人気の大会はあるんですか?

 

「フルーツ系マラソンは人気です。スイカマラソンには“給スイカ所”っていうのがある。秋田のメロンマラソンはメロン食べ放題だし、サクランボマラソンはサクランボ畑のなかを走るんですよ。運がよければ、私設エイド※の農家のおばちゃんから、サクランボを凍らせたサクランボシャーベットとか貰えます」

 

―― うわァ、俄然、参加したくなりました。旅行もかねてマラソンなんかも素敵ですね!

 

「旅行先でマラソン大会に参加すると、観光客でなくてランナーとして地元の方に受け入れていただける。応援してもらうことで、地元の人と観光ではできない交流ができるのが醍醐味ですね」

 

※ランナーを応援するため、個人が私設で給水所を出すなどの行為。タイムを競う前半を走るランナーより、タイムが遅い後半の集団に飲食を提供することが多い。

雑誌『クリール』はここを読む

「2002年に創刊したのですが、走ることが特別じゃない世の中になったらいいな、と思って編集しています。もちろん競技としてのマラソンは簡単ではないけれど“健康のために楽しく走る”ライフスタイルの提案をしたい。だって、やっぱりマラソンって特別なことだと思っていたでしょう?」

 

―― お話を伺うまで、フルマラソンなんて無理かも…と。でも、焦ってはダメでランナーそれぞれに見合ったトレーニング方法があると思いました。

 

「何を目指すかで練習メニューが違います。例えば『クリール』では【サブ4】※を目指すならこのメニューとか、段階ごとに、これをやれば“目標を達成出来る”という情報を伝えることで、マラソンを続ける後押しをしたい」

 

※42.195kmを4時間以内で完走すること。サブ5ならば5時間以内。ランナーのレベルを図る指標の一つ。

 

―― 私は、5㎞で25分~30分なんですけど、それが20キロとかになると…想像したくないですね。初めとばしすぎて、あと続かないタイプ…

 

「5㎞でそのタイムのビギナーさんならば、【サブ5】くらいのメニューを目指すといいですよ」

マラソンをはじめたきっかけと、良かったこと

「マラソンをはじめると、いろいろいらないものが出てゆくんです。それは身体だけでなくココロも。走り終わった後は本当に自分に必要なものだけ残る。実は、マラソンを始めたのは本誌の編集長になったことがきっかけで、それまで走ったこともなかったんですよ」

 

―― そうなんですか?!

 

「辞令をもらったからには、やるしかないよねぇ。でもね、マラソンをはじめたお蔭で、考え方がシンプルになりました。走るために、無駄な時間を整理したら、必要なものと不必要なものと、自然と分けることができたし」

マラソンを継続させる意外なアドバイス

「スタートする前に、ランニンググッズをいっぺんに買わないこと。シューズを買って2~3回ぐらい走る。そのうち陽射しが気になってサンバイザー買おうかなと思う。で、買って3回くらいは走りたくなる。さらにサングラスがほしくなる…というのを続けてゆくと習慣づいてきたりします。お店の人は一揃えで薦めて来るかもしれないけれど、大人買いはグッとこらえて(笑)」

 

――カタチからはいっちゃダメですね!あと、記録を残すのも大切ですか?

 

「最近はGPSつきなどのランナー専用の時計※があるので、そういうものを身に付けたり、アプリでモチベーションをキープするのもいいですよ。地図なども出るので知らないところも走りやすいし。仕事がらいっぱい入れているんですが…」

※写真はTOMTOM社の時計

 

――私もインストールして今日から頑張ろう!

 

「あ、頑張っちゃだめです(笑)。頑張って、無理するから故障したりするわけで、ランニングは頑張らないってことが重要。好きなことって頑張らなくてもできるじゃない?(週末、天気が良いから、走ったら気持ちいいだろ~な。終わったらビール美味しいだろうな~)とか、そんな感じがちょうどいいんです」

 

アドバイス、肝に銘じます。樋口編集長、ありがとうございました!

 

インタビューさせていただいた当日は、偶然にも編集長のお誕生日。ささやかながら花束とケーキをプレゼントしました。

 

マラソンを始めたのがきっかけで友達が増えました。ランナー仲間から「おめでとう~!」なんてコメントをもらったりして、ちょっと照れくさいけど嬉しいね」と樋口編集長。

 

樋口幸也  ひぐち ゆきや

 

ランニングマガジン・クリール(courir)編集長

1986年、ベースボール・マガジン社に入社。テニスマガジン、陸上競技マガジンなどの編集長を経て、2002年、ランニングマガジン・クリール編集長。40歳から走り始め、ベストは5000m19分0秒、10000m39分46秒。フルマラソン3時間10分55秒(ネット3時間8分5秒) 100km11時間55分

 

 

インタビュアー 吉岡仁美 よしおか ひとみ

 

女優、モデル、タレント

Miss World Japan 2015 準ミス・ワールド。ラジオパーソナリティや、ナレーターなど、マルチに活動の幅を広げている。Miss World Japan Orchestra では特技のフルートを担当。

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この記事を書いた人

吉岡仁美

モデル。準ミス・ワールド2015日本代表。教育学部生涯教育課程芸術文化コース音楽専攻フルート科卒業。元教員。現在もミス・ワールド・ジャパン・オーケストラで演奏を続ける。社交的な明るい性格と笑顔と向上心を持って世界の懸け橋となり、人と人の心をつなぐ活動をします!どうぞよろしくお願いします。

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