ラオウ「セカンドの美学」(NHK・BSプレミアム)に登場

2019/07/04
放送作家 石原ヒサトシ

NHK・BSプレミアム『セカンドの美学』。主役を凌ぐほどの人気を誇る脇役(セカンド)にスポットを当て、その魅力を検証する番組だが、これに1980年代の週刊少年ジャンプを代表する漫画「北斗の拳」のラオウが特集される。

名ゼリフ「我が生涯に一片の悔いなし!」のラストシーンなど、漫画のラオウ全登場シーン2016コマを並べてラオウの美学を分析する。「北斗の拳」の熱狂的ファンという井ノ原快彦さんがスタッフの一員として参加するそうだ。放送は7月27日午後10時放送分。

【お前はもう死んでいる】

詳しい説明は不必要とも言える「北斗の拳」。1983年に連載がスタートし瞬く間に人気作となった。今の若い世代でも漫画やアニメを見てファンになったという人は多い。

惹きつける導入口は、主人公ケンシロウが一子相伝の暗殺拳“北斗神拳”で経絡秘孔を突き相手を倒すシーンだ。

「あたたたたたっ!」「お前はもう死んでいる」の決め文句。

「ひでぶっ!」「たわばっ!」「あべしっ!」など、秘孔を突かれた相手が破裂際に吐くセリフも笑いと話題を呼んだ。

 “闘う”漫画の主人公には必ず超えなければならない敵・ライバルがいるもの。ケンシロウの最大最強のライバルが兄「ラオウ」だった。

悲しき悪の背景

一九九X年、地球は核の炎に包まれた!! ―――― 。

無秩序になった世界は暴力が支配し、ラオウは巨大勢力を誇るその頂点に君臨していた。

最初の頃のラオウは、とにかく横暴で卑劣極まりなく簡単に人を殺める悪者の典型だった。意地汚く嫌なヤツで怖くてそして強い。そんな印象しかなかった。

そんなラオウのスピンアウト物語が少しずつ明らかにされていく。なぜラオウは世紀末覇者になろうとしたか? 実は、彼も彼なりの辛さや悲しみを抱えそれを乗り換えてきた厳しい過去があったのだ。

悪のイメージしかなかったラオウの人物像を大きく変えたのは、弟のトキ戦だったように思う。トキ優勢の展開でとどめを刺すべく放った技を受けたラオウだが、

「き…きかぬ、きかぬのだ!!」

涙を流しながら言い放ち反撃に出る。

そして、共に修行した幼少期の出来事が回顧される。北斗神拳という一子相伝の宿命を嘆くかのように複雑な兄弟愛の深さを知る、このシーンに胸を熱くした読者はたくさんいたはず。

このトキとの戦いを皮切りに、ケンシロウ以上にラオウの内面が描かれるようになっていく。

強いが無表情であまり心情が出ないケンシロウとは逆に、強いが故に苦悩し感情をあらわにするラオウ、その裏人生に読者は興味を惹きファンが増えていった。

テレビでは、その美学がどのように分析されるのか楽しみである。

最後に、きっとファンの心に残るラオウの名言のいくつかを挙げる。

「名もいらぬ 光もいらぬ このラオウが望むものは 拳の勝利!」

「恐怖など のみこんでくれよう!きさまの血とともに!!

この兄を超えたくば涙を捨てろ涙は拳に無用涙をおのれの望みと拳にかえるのだ!」

「心魅かれた女の情けは 男にとって最大の屈辱!!」

このラオウにもまだ涙が残っておったわ」

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この記事を書いた人

放送作家 石原ヒサトシ

放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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