暴走族バイブル【チャンプロード】休刊を嘆く人の「年の差ギャップ」がスゴイ!

2016/09/14
放送作家 石原ヒサトシ

マンガ「こち亀」連載終了のニュースに衝撃を受けた数日後、一部マニアの間でそれを上回る衝撃的なニュースが駆け抜けた。

最後のヤンキー雑誌「チャンプロード」休刊

 

11月29日発売号を最後に29年の歴史に一旦幕を閉じる。

 

現在の40~50代が若かりし頃の、限られたステイタスを持つ者にとってバイブル的な雑誌だった。休刊の詳細は9月26日発売11月号に掲載されるという。

 

創刊は1987年(昭和62年)9月。

私にソッチの趣味はなかったけど友達が愛読者だったのでときどき見ていた。印象深いのは、改造したバイクや車の写真だ。

 

 

シャコタン、竹槍マフラー、ロングノーズ、デッパ、三段シート、デビル管、アップハンドル、ロケットカウル~etc

どこでどうやったらこんなシロモノに仕上げられるのかと感心した。

 

 

更に、そんな族車自慢で写真に写っている一般ヤンキーさんは、難しい漢字や謳い文句が書かれた特攻服にウンコ座りというスタイルで睨みをきかせ、男はリーゼントかパンチパーマ。レディースは特攻服をまとい胸にさらしを巻いて、キンパツやポニーテールというのがお決まりだった。

 

本誌には恋人募集(?)みたいなコーナーがあり、ハチマキにサングラス、マスクした男子の写真が載っていて首を傾げた思い出がある(笑)。

 

犯罪・暴走行為が原因で少年院に収容した経験者の手記、バイクや車の改造・整備を題材としたマンガなどなど、基本的に読者から寄せられた投稿を取り扱って一冊仕上げるのだそうだ。

 

ちなみに本誌等をきっかけに、アメリカやアジア圏など海外で日本の族車を真似て改造マシンを作る人が増えたという。そう考えると、ヤンキーは日本発のサブカルチャーなのだ。

 

この雑誌、大丈夫なの?

冷静な目で見て、暴走族・不良を助長するような雑誌を作ってイイの!? と思う人も多いだろう。

 

族車・改造車はだいたい違反車両だ。犯罪行為を推奨したり、犯罪者をある意味賞賛するような内容もある。実は、そこに日本国憲法における言論の自由というものがあるので、是非は出版社の見解に委ねられるらしい。

 

実際静岡県では、県の指定する有害指定図書類に分類されている。

 

紆余曲折あった

 

聞けば、2012年、読者ターゲットをこれまでの中高生から、大人になった元ヤンキー中心に変えた。これで徐々に売上が回復したとか。愛読者は永遠だったことに気付かされたわけだ。

 

私も久々に本屋で手に取って見たが、その号の特集は元ヤンが集合して改造車のコンテストなどを催すイベントの模様をレポートしたもの。往年のヤンキーたちが奥さんや子どもと一緒に撮った写真、やんちゃだった頃に乗っていたリバイバル改造マシンの数々。

 

きっとこの人達がチャンプロードを支えてきたんだろうなと、ちょっと和んだ。そして休刊の理由は言わずもがなハッキリした。

激減している“暴走族なう”

チャンプロードには今でも現役暴走族の集合写真、爆走中の写真などが掲載されているが、今や全国の暴走族は激減している。警察庁の公表によると、2015年の暴走族の活動状況は、構成員は6771人(前年比59人減)。

 

ピーク時の1982年4万2510人からは6分の1となり、17年連続の減少になるそうだ。グループ数も227(71減)。暴走、集合行為は2883(248減)だった。

 

若い読者が圧倒的に減った理由が数字から伺えるわけだ。

 

イロイロ積み重なり…

【暴走族が減った要因】

 

・警視庁では、「少子化の影響が強い」との分析も。 暴走族は地域仲間の集まりが主だったが、学校が統廃合を繰り返して仲間が集うにしても範囲が広い、つまり群れる人数が少なくなった。また地元への帰属意識が希薄になったことが考えられる。

 

・「上下関係が軍隊並みに厳しくてウンザリ」。軍隊の厳しさを知っているかは置いといて、そう話す人は多いらしい。カンパとかリンチとか、女関係の問題とか、内部での揉め事は耐えないなんてことも。

 

・グループはOBへ受け継がれてゆくものだが、後継者がいなくなった

・「チーマー」「ギャング」という欧米的なスタイルの不良が増え、そっちに流れた

・貧困で車やバイクが買えない。それ以前に、車・バイクに興味を示さない若者が増えた

・インターネット、SNSの普及で暴走行為などがやりにくくなった。(ネットに)アップされれば足がつきやすい。

 

 

__などなど、いろいろあるようだけれども、兵どもが夢の跡でヤンキー文化は衰退しているということだろう。

休刊を惜しむ読者の年の差

SNSなどネット上でも話題になり賛否入り乱れていた。そんな中、意外なところから残念がる声が。

なんとチビっ子だ。


チビっ子たちの足といえば自転車。実は「ヤンチャリ」と呼ぶ、“自転車を族車風にチューニング”して楽しむ子どもが増えているそうだ。

 

Twitterより @Wc4u8ALD60ZhAAK

 

たいがい、ハンドルをぐいっと曲げて高い位置にするアッパーハンドル(チョッパーハンドルと呼ぶ人もいる)にして、自作のパーツを取り付けて色を塗るなど、明らかに改造バイクのチャリ版に仕上げるのだ。夏休みの自由研究にした子どももいると聞くし、もはや研究の題材か!?

 

改造車も法に触れなければ立派なビジュアル系マシンだ。

 

フォルムやメタリックな色使いなどはアーチスティックだし、これが族っぽいか正当なカスタムか判断は分かれるだろうが、例えばアニメファンの痛車とどっちがイイ? と聞かれれば、格好良さで言うなら族車と言う人が多いだろう(痛車をディスって御免)。そう考えると時代が一周して子どもにとっては新鮮なのかもしれない。

 

その最新カタログが消えてしまうことになる。

チャンプロードの存在

不良や暴走族を助長する雑誌というアイテムがひとつ消えることで、世間から迷惑行為を減らすことに少なからず繋がるだろう。暴走行為を肯定はできない。

 

じゃあ、そもそもこの雑誌がなければ良かったのでは? というのはまた違う。

日本にワルの文化は古くから存在するし、ワルを生業にしている人間の人生まで否定はできないだろう。その歴史を伝え残すのも大切といえる。

 

でもワルにも流行り廃りがあるわけだ。飛躍しすぎた考えかもしれないが、休刊後もし暴走族が急激に減り早々と撲滅したら、それはチャンプロードの休刊効果かもしれない。となると、いかに存在価値が高く影響力の強い雑誌だったかを証明する結果になるわけだ。復刊を目指すチャンプロードとしては複雑かもしれないが。

 

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この記事を書いた人

放送作家 石原ヒサトシ

放送作家 「クイズ雑学王」、「ボキャブラ天国」等 バラエティを中心にイロイロやってきました。なんか面白いことないかなぁ~と思いながら日々過ごしています。野球、阪神、競馬、ももクロ、チヌ釣り、家電、クイズ・雑学、料理、酒、神社・仏閣、オカルトなことがスキです。

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