平原綾香・山本彩・Daokoらが『メメントモリ』初の音楽イベントで熱唱!ライブリポートとインタビューを公開

2025/10/30
佐藤 勇馬

スマートフォン・PC向けRPG『メメントモリ』の初の音楽イベント「メメントモリ 1st Live ~The Singing of Laments~」が10月25日に東京ガーデンシアターで開催されました。大規模なオーケストラ演奏をバックに平原綾香さん、茅原実里さん、Daokoさん、山本彩さんらが歌声を響かせ、会場は熱狂の渦となりました。ライブリポートをお届けするほか、出演者の個別インタビューも公開します。

■ゲームの世界観が音楽・映像・照明でステージに具現化

同イベントは、計16名のアーティストたちが作中の“ラメント”(キャラクター専用曲)を歌い上げるコンサート。舞台上ではオーケストラとバンドの重厚な響きと映像・照明、そして出演アーティストたちの歌声により、作品の独創的な音楽と映像美の世界が現実空間に出現しました。

ライブは二部構成となっており、第一部はオーケストラの鐘により静寂の会場に幕が上がりました。白のドレスに身を包んだ佐々木恵梨さんが『Anemone』で口火を切ると、繊細な歌い出しから凛とした声が客席を射抜きました。続く霜月はるかさんの『Etoile』は、透明感のある中高域でまっすぐ言葉を届ける歌唱に。アモールを想起させる差し色のピンクも印象的でした。

Daokoさんは和柄を織り込んだ衣装で登場し、息を残した繊細なミックスから鋭い高音までを、静から動で往復する表現により『燐光』をしっとりと歌唱。Wakanaさんの『Flag』では雰囲気が変わり、力強い立ち上がりと繊細なフレーズの緩急でオーケストラと呼応。アップテンポに合わせて客席のペンライトもスピードが上がり、会場全体が前のめりになっていきました。

春奈るなさんはコルディと同じくお団子ヘアで臨み、『BLUE ROSE』から『ユリアザミ』へと続けてパフォーマンス。切れ味のあるアクセントと余韻を残す語尾で、ダークから涼感へと色合いを滑らかに切り替え、会場の熱量を一段押し上げました。『Ash Pile』を歌唱した天音さんは、息遣いを聴かせるミドルレンジから頂点で太い声へと開き、身体表現を伴う緩急で胸を打ちました。

ayaka.さんの『Asking for the Moon』では、サビでペンライトが一斉に灯る演出が決まり、会場の一体感が強まりました。+α/あるふぁきゅん。さんの『Dokie Doggy Night』は、可憐なささやきと早口を行き来する小悪魔的なボーカルで、赤と紫の照明とともに夜の揺らぎを表現。第一部の最後は、林仁愛さん〈Juice=Juice〉による『ShyなDestiny』。等身大のまっすぐな発声に艶のニュアンスが差し込まれ、黒縁メガネ×黒ドレスと相まって、アイリーンの謎めいたお姉さん像を体現していました。

■第二部は平原綾香からスタート!最後は大団円に

第二部は、平原綾香さんの『Lone Star』で静かに幕が上がりました。ピアノの静かな導入から、豊かな倍音で高音域を堂々と伸ばし、最後は余韻を残して静かに締める歌い上げが見事でした。続く大橋彩香さんによる『Ⅲ. THE RAIN』は、ピアノにストリングスが織りなすオーケストラ・バラード。バックモニターに投影された雨の映像が重なる中で、鋭くも澄んだ高音を気持ちよく決め、楽曲の悲雨感を丁寧に描き出しました。

斉藤朱夏さんの『IV. THE THUNDER』は、抑えた立ち上がりからサビで一気に解放。オーケストラとの一体感がピークで鳥肌が走り、歌い終わりの晴れやかな表情まで含めて強さと儚さを両立させるパフォーマンスでした。茅原実里さんによる『Ⅶ. THE RUST』は、この日唯一ナレーションを伴うドラマティックな導入から、ヴァイオリンとピアノが支える静と動の起伏が印象的。言葉の一つひとつを置く精密な発声で、A.A.の心象に踏み込む歌でした。

ここまでは、静けさの中に強さあり、という楽曲が続いていましたが、メルティーユと同じく髪飾りを付けて登場した西明日香さんの『世界中のすてきを』により、場内の空気がふっと明るく切り替わりました。軽やかなビートに乗せた等身大の発声で、旅路のときめきをそのまま運ぶように歌い、客席に柔らかな笑顔を広げました。片桐さん<Hakubi>の『Soumatou』は、強めの歌い出しと決意を帯びたトーンが心地よく、サビでの押し出しとオーケストラの推進力が相まって凛とした強さを描き、そのまま『Twilight』へ。静かな立ち上がりからサビで一気に爆発し、明るいコード感と伸びやかなハイノートで会場のボルテージをグッと押し上げ、終盤戦のカタルシスを作りました。

ここで登場したのは山本彩さん。『ラメント』は、言葉を立てる明瞭な歌い口で影から光への心情曲線を丁寧に描写し、続けて歌唱した『残影』では深い息遣いから高音のコアを響かせ「欲しいものは永遠なんかじゃない。ただあなたと過ごす一瞬」というフレーズを鮮やかに刻み込みました。フィナーレは佐々木恵梨さんによる『Anemone』(フル)。黒ドレスにカラーチェンジし再登場すると、導入からテンポを上げ、オーケストラと合流して大団円へ。繊細さと力強さを併せ持つロングトーンで余韻を作り、鳴り止まない拍手の中、深々と一礼して幕を閉じました。

■キャラや楽曲への想い…出演者個別インタビュー!

●Daokoさん

――イベントを終えられての心境を教えてください。

「フルオーケストラで、こんなに豪華な演奏の中で歌わせていただくことはあまりないのでありがたく、音もとってもリッチで贅沢な環境でした。終始荘厳な雰囲気で、幻想的かつ素敵な演出のなか歌わせていただきました。場所も編成も顔ぶれも含め、貴重な機会だったと思います」

――今回、このお話をいただいたときはどのように思われましたか?

「ローンチされてからずっとプレイさせていただいていたので、メメントモリユーザーの1人でした。ユーザーとしても皆様の楽曲をゲーム内でたくさん聴かせていただいていたので、お話を聞いたときは嬉しく思いました」

――ご担当されているキャラクターの感情で、最も大切にした部分はどこでしょうか。

「イリアの“ひたむきさ”をいちばん大切にしました。目の前に困難が訪れても決して折れない強さを持つ彼女ですが、歌唱や歌詞では、彼女の胸の奥で揺れ動く想いをそっと灯すように表現したいと思い臨みました」

――ゲーム音源をレコーディングするときと、生で歌うときの表現の違いについてお聞かせください。

「今回の楽曲は、バンド編成やアコースティック編成など度々ワンマンなどでも既に歌ってきているのですが、目の前にお客さんが居るかどうかというのは大きな違いになってきますね。アドリブ的なボディランゲージが表現の中に組み込まれてきたり、その場の雰囲気によって生き物のようにパフォーマンスが変わるのがLIVEなので、レコーディングブースで歌うのとはノリ感がやはり変わりますよね。どちらの楽しさもあるのですが、また別物という感覚です。燐光はレコーディングの際にもストリングスを入れさせて頂いているので、演奏は念願の原曲再現という形となりました」

――最後に、メメントモリファンに一言お願いします。

「(担当キャラクターを)これからもゲーム内でご愛用いただけたらなと思います。『燐光』、そして『Allure of the Dark』を引き続きよろしくお願いいたします。またいつかお会いできる日を楽しみにしております」

平原綾香さん

――イベントを終えられての心境を教えてください。

「お声掛けいただいてからすごく楽しみにしておりました。担当しているルークのラメントを披露しましたが、自分のコンサートツアーでも先行して歌っていました。ファンの皆さんの反応もすごく良くて嬉しかったです。ツアーが終わってからはなかなか披露する機会がなかったので、ゲームの公式1stライブで歌えて幸せでした」

――今回、このお話をいただいたときはどのように思われましたか?

「このゲームをやっている人なら誰でも見に行きたいと思ったんじゃないでしょうか。私もその1人で、やはりゲームをしていると、かわいいキャラクター一人ひとりにいい曲がたくさん実装されているので、『この子の歌が生で聴けるんだ!』という興奮がありました。お声掛けいただいたときからすごく楽しみにしていましたね」

――ご担当されているキャラクターの感情で、最も大切にした部分はどこでしょうか。

「死神と呼ばれてしまったルークという女の子の歌ですけれども、ちょうどそのときに父が病気を患っていて、すごく大変なときだったんです。いつもはレコーディングにも付いてきてくれる音楽家の父でしたから。そういった意味では、この歌をレコーディングしながら、途中の『木漏れ日に包まれていた優しい時は遠くへ、この指先に残るのは貴方の温もりの面影』という歌詞を歌うたびに、何回も泣いてしまって。そうやって泣きながら踏ん張って歌った曲でした。自分の悲しみや苦しみ、女性だけれども男のように育てられた彼女の苦悩、守りたい人を守れなかった後悔などを背負っているルークと自分の心がすごくリンクしていたので、彼女の生き様を大切に歌いました」

――ゲーム音源をレコーディングするときと、生で歌うときの表現の違いについてお聞かせください。

「コンサートに行くと『CD通りに聴きたいのに』って思う時があるので、今日は『CD通りに歌おう!』と思っていたんですけど、ライブのために若干違うアレンジになっていたので、今日は限りなくシンフォニックな歌い方で、この東京ガーデンシアターという大きな舞台に見合った歌い方を心がけてみました。CDだと眠る前にイヤホンで聴いて『おやすみ』って言えるような感じなんですけど、今日は叩き起こすぐらいの感じになりましたね」

――最後に、メメントモリファンに一言お願いします。

「キャラクターが増えれば音楽も作らないといけないですが、もうすでに120体以上が実装されています。制作陣のゲームに対する愛、そしてゲームに携わる音楽家の情熱。ゲームと音楽が一体化していて、世界中のどこを探してもない唯一無二のゲームだと思います。音楽とゲームが対等であるからこそ、今後はいつもとはまた少し違う作り方をしていくなどして、さらに世界中の人に愛されるような、音楽家も認めるようなゲームになっていってほしいと思っています。ファンの方々にはこれからもずっと愛してほしいですね。さらに愛してくれるような、音楽の質の高さにも期待していてください」

●片桐さん<Hakubi>

――イベントを終えられての心境を教えてください。

「めちゃくちゃ楽しかったです! 普段は、バンドのメンバーとしてギターをやっているのでライブハウスに立つことが多いのですが、自分がマイクを持ってピンボーカルで歌うことはなかなかないですし、こうやっていろいろな方と一緒にやらせていただくっていうのもないので、すごく新鮮な気持ちでやれました。今回の楽曲もライブで披露していたんですが、フルオーケストラで大きい会場、初めて聴いてくださる方がきっと多い中、精一杯できたんじゃないかなと思います。気持ちよくやらせてもらいました。ありがとうございます!」

――今回、このお話をいただいたときはどのように思われましたか?

「『Twilight』を書かせていただいたときに『いつかリアルイベントをやりたい』ってお話を聞いていたので、実際にこうして1stライブに立ち会うことができ、2曲も歌わせていただけてすごくありがたかったです。お話をいただいたときには『私が主役になれるぐらい頑張ろう!』みたいな気持ちで、すごく意気込んで。半年ぐらい前にお話いただいたんですけど、ずっと楽しみにしていました」

――ご担当されているキャラクターの感情で、最も大切にした部分はどこでしょうか。

「アイリスは自分とリンクするところがたくさんあるんです。その部分では、こう演じるっていうより、自分と同じ気持ちを持っていたのかなっていうところから引き出しを開けてる感覚。悲しい過去を持っているので、その暗い部分に光を灯していって、領主様に出会ったときに感じた一筋の光、そのコントラストみたいなものをすごく大事にして曲は作りましたし、歌うときも意識していました」

――バンドとフルオーケストラで歌うときの表現の違いについてお聞かせください。

「ライブではHakubiの曲になってくるので、自分たちのライブの一環でやっていくことになる。アイリスとして歌うというよりは、アイリスの引き出しを開けつつ、私多めみたいな感じで歌っています。ですが、今回のようにアイリスのこと、物語を考えながら歌っていくっていうときは、感情はもっと優しく弱々しくして、そこから見つけ出した光みたいに歌えたらいいなと思っていました。オーケストラの皆さんもやっぱり強さがあるんですけど、柔らかさもすごかったですし、しなやかさがあると思っています。バンドはどちらかというと切り裂いて、押し出す感じがあるので、そのときは小さくナイフのように歌う。それに対して、オーケストラではしなやかにかつ寄り添うように、気をつけながら歌っていました」

――最後に、メメントモリファンに一言お願いします。

「皆さんがとても大事にしているメメントモリ。今回3周年ですもんね。皆さんが大好きなゲームの一部になれてとてもうれしいなと思っていますし、リアルイベントが開催されるときに自分も立ち会えてほんとにうれしいです。これからもアイリスのこと、アイリスの楽曲をぜひ愛してください!」

●山本彩さん

――イベントを終えられての心境を教えてください。

「もう本当にすごかったです。ゲームの世界観がこれ以上ないぐらい表現されているステージだったので、見ている側としてもすごく豪華で気持ちが高ぶりましたし、いい意味で緊張感があったんですけど、あまり立つことがないステージだったので、本当に貴重な機会だなと思いながら歌わせていただきました」

――今回、このお話をいただいたときはどのように思われましたか?

「楽曲を書かせていただいたときに、他の方の楽曲を聴かせていただいたりもしていて、本当にどの曲もすばらしくて、個人的にはリアルでライブをしてもいいのになって思っていたんです。普段、自分のライブでメメントモリの楽曲を歌わせていただいていることも多いので、それがこういう形で表現できたのは、きっとゲームファンの皆さんにとっては喜ばしいことなんじゃないかなと思っていました」

――ご担当されているキャラクターの感情で、最も大切にした部分はどこでしょうか。

「ロザリーは他のキャラクターと違って、もう何百年も生きている。それでもずっと変わらない想いを持ち続けているっていう健気なところに私はすっごく惹かれて、楽曲を作る上でも1番核となる部分だなと思っていたので、そういう切実さや健気さをとにかく楽曲に詰め込む形で制作しました。その想いが届いていたらうれしいです」

――オーケストラ編成で歌唱するにあたり、意識したことをお聞かせください。

「自分のライブはバンド編成だったりするんですけど、オーケストラになると本当に一気に厚みが出ますね。深さっていうものがあるので、自分の歌が淡々とならないように、聴いている方によりドラマチックに届くように、いつも以上に気持ちを込めて歌わせていただきました」

――最後に、メメントモリファンに一言お願いします。

「メメントモリでお会いしてくださっているファンの方々の中には、きっとこのゲームから私の楽曲を知ってくださった方も多いと思います。プレイしてくださっている皆さん、本当にありがとうございます。改めて、こんなにすばらしい作品に携わることができて本当に光栄だなと、今回のライブを経て感じました。これから先もすべてを愛して、楽曲とともにゲームを続けていただけたらうれしいなと思います」

 

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佐藤 勇馬
この記事を書いた人

佐藤 勇馬

新宿・大久保在住のフリーライター。個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にスカウトされて以来、芸能、事件、ネットの話題、サブカル、漫画、プロレスなど幅広い分野で記事や書籍を執筆。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など。 Twitter:ローリングクレイドル

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