メタバース展示場で展開するデザイン性の高い規格住宅。中小工務店のビジネス支援する「i-Style」とは

2023/10/10
Shoichi Sato

中小工務店やビルダー向けに建築コンサルティング事業を展開する株式会社ナック(以下、ナック)はこのほど、北関東エリアで住宅事業を展開する株式会社Style Design(以下、Style Design)と業務提携を実現。2023年9月27日には都内で、高いデザイン性に特化した規格住宅を安定的に受注できるビジネスノウハウを詰め込んだ新商品「i-Style」を発表し、「街をつくる建物のデザイン性」をテーマとしたトークセッションが開催されました。

「i-Style」はStyle Designが持つチームビルディング戦略や集客・営業におけるノウハウと、建築家の渡辺純氏が監修する高いデザイン性を表現した規格住宅をパッケージ化したもの。「モデルハウスを建てず、メタバースで展示場を展開する」という斬新な発想に、来場した中小工務店経営者らは真剣に耳を傾けていました。

コロナ禍が落ち着いてきた兆しも見え始めている中、建築業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。コロナ禍における売り上げ減少や、物価高、人手不足、資材の高騰、さらには、売り上げが上向きに転向しきらない中で、いわゆる“ゼロゼロ融資”の返済が開始となるなど、経営資源に乏しい中小規模の工務店やビルダーは廃業や倒産の危機に晒され続けているのが現状。Style Designは創業当初、社長であった稲葉氏(現会長)と現場監督、パート社員の3名体制という小さな工務店であったものの、年間12棟の受注に成功しました。

時代や顧客のニーズに合わせて会社をスピーディに変化させ、トライ&エラーを繰り返しながら事業スタイルを確立し、エリアで選ばれる工務店に躍進。現在では茨城県内に4店舗を展開、年間50棟を受注し15億円を売り上げるという成長を続けています。

年間数千万円のコスト削減が可能に

ナックが今回発表した新商品「i-Style」は、“Style Designの経営手法を自社へ”とのコンセプトのもと、“社長がいなくても回る”少数精鋭のチームビルディングの極意や、健全な収益性のあるビジネスモデルのノウハウを伝授する経営支援パッケージとなっています。

注目すべきは「モデルハウスを建てずに受注を獲得する」こと。資源の有効活用や脱炭素といった、社会課題の解決に貢献するビジネスモデル確立への取り組みです。「i-Style」では、メタバース上に住宅展示場を展開し、自社の商品ラインナップを一括で見せることが可能。販売している全タイプの規格住宅商品の完成イメージを内外から見学でき、顧客が求める提案をスムーズに進められます。また、バーチャルモデルハウスでは、それぞれの住宅内に入り込んで好きな場所を好きな視点からじっくり閲覧できます。営業・提案ツールのDX化により“顧客が見て楽しいもの”を提供し、営業担当も簡単にデザイン住宅のプラン提案ができるシステムとなっています。モデルハウスを持たないことで環境配慮のみならず、年間維持費数千万円ともいわれるコスト削減も可能。まさに、時代に即した集客・営業システムといえるのではないでしょうか。

もう一つの大きな特徴は、中小規模の工務店では実現しにくかったデザイン性の高い住宅施工を手掛けられるという点です。デザイントレンドに敏感で最新のライフスタイルやテクノロジーが盛り込まれたデザインに魅力を感じる顧客は多くいます。エリアでの優位性を獲得するためには、これらのニーズに応えることが不可欠。住宅商品という高額な買い物をする顧客にとって、オリジナリティや価格に見合う高級感、そして住み心地のよさを実現できる商品力も「i-Style」の強みです。

顧客満足度の観点、そして工務店側も常にアップグレードされたデザイン提案が求められている中で、ナックが打ち出す経営支援パッケージ「i-Style」は中小工務店の強い武器となることが期待されています。

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Shoichi Sato
この記事を書いた人

Shoichi Sato

地域ミニコミ紙の編集記者、広告代理店を経てフリーライターとして活動中。趣味は山登りなど、スポーツ全般の元高校球児。未確認生物や宇宙、戦国時代 などが好きなロマン追求型。座右の銘は「気は遣うものではなく、配るもの」。 ブログ:s1-thats-WRITE

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