
Hyundai Mobility Japan (ヒョンデモビリティジャパン)株式会社が、10月22日に都内で開催された特別イベント「INSTEROID Night by Hyundai」で、コンセプトカー「INSTEROID(インスタロイド)」を世界初公開しました。
これは同社が初出展する10月30日(木)から11月9日(日)まで東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」に先駆けて行われれたもので、単に電動化という既成概念だけではなく、感性とテクノロジーが融合する新たなモビリティデザインを象徴するものとなっています。
感覚的・文化的価値を重視した新しいコンセプトカー「INSTEROID」

ヒョンデはこれまでも電気自動車(EV)や燃料電池車(FCEV)を通じて持続可能なモビリティを追求してきました。
「INSTEROID」はその延長線上にありながらも、より感覚的・文化的価値を重視する試みと言える車です。ベースとなるモデルは都市型EV「INSTER」で、そこに「Gritch」の精神(作って、遊んで、壊してを繰り返す)と「ガレージで組み立てられたマシン」という思想が反映され誕生しました。

「INSTEROID」というネーミングは、ベース車両「INSTER」の持つ遊び心と、強化する=STEROIDを掛け合わせた造語で、コンパクトなEVに大胆な造形とエネルギーを注ぎ込んだことを意味しています。フレアフェンダー、リアウィング、ディフューザーや大径ホイールなど、スポーティで遊び心のあるデザインが特徴です。
欧州デザインチームが主導したこのコンセプトカーは、ゲームカルチャーやデジタルアートからの着想を得ており、仮想空間と現実を横断するようなデザインを目指しています。

インテリアにもコックピットのような演出を採用し、より没入感を高めており、さらに乗降時や待機中などそれぞれのシーンに応じた「インスタロイド・ユニークサウンド」により車とドライバーのコミュニケーションという新たな切り口を生んでいます。
そして、ドリフトモードによってドライビング体験を変革し、運転の楽しさとレースのスリルを体感出来るのが最大の特徴。
10月22日の発表会では、ヒョンデ・モーター・グループのデザインセンター長サイモン・ロスビー氏が登壇し、「日本は世界で最も厳しい目を持つ市場。だからこそ、我々は感性を刺激する“エモーショナル・デザイン”で挑みたい」と語りました。
モビリティを超えた“体験としてのクルマ”

発表会では、DJ SO-SO、DJ Ryotaによる音楽ライブや、専用キャラクター「Boost(ブースト)」を使ったインタラクティブ演出も行われ、モビリティを中心に据えた総合的な没入型カルチャー体験を実現。
さらに今回の発表は、10月29日から開幕した「Japan Mobility Show 2025」での出展内容とも連動しており、ショーでは水素・電動化・想像力を軸とした3つの挑戦「Daring Moves」をテーマに掲げ、SUVタイプの高性能EV「IONIQ 5 N」や次世代水素車「The all-new NEXO」などを展示します。
特に「Daring Moves for Hydrogen」では、製造から利用までの水素バリューチェーンを一体的に紹介し、HTWOブランドによる、来る水素社会のビジョンを提示しています。
一方、「Daring Moves for EV」では、INSTERやKONA、IONIQシリーズなど、日常を変えるEVラインアップを通して“EVのある暮らし”を体験的に提案。さらに、創造性とデザインを融合させた「Daring Moves for Imagination」では、今回の「INSTEROID」を中心に、ヒョンデが描く未来の感性モビリティを具現化しています。

今回の「INSTEROID」は量産モデルではありませんが、その存在はヒョンデのデザイン哲学を象徴的に表しています。ロスビー氏は「このクルマは未来の“可能性”そのものであり、数字や効率だけでは測れない、人の心を動かす力を持つと信じている」と語っています。
ヒョンデは技術革新だけでなく、感性に訴えかける姿勢を通じて日本市場におけるブランド価値を改めて定義することを進めており「INSTEROID」が表現したのは、モビリティを超えた“体験としてのクルマ”です。Japan Mobility Show 2025では、今後その答えがどのように発展していくのかに注目が集まります。







