「どんな時でも笑うこと」。様々な困難を乗り越えてきた株式会社国保住建代表・小久保俊也氏が語る人生哲学とは

2020/10/29
マガジンサミット編集部

「どんな時でも笑っていること」。言葉でいうのは簡単ですが、実際に嫌なことや辛いことがあっても笑い続けるというのは難しいことです。しかし、笑うことは私たち人間にとって強い力になります。笑っていれば楽しくなってくるし、周りの人間もつられて笑顔になってくれます。

今回はそんな笑うことのパワーで、逆境に立たされても力強く進んでいくある一人の経営者の方にお話を伺いました。

株式会社国保住建代表取締役・小久保俊也

小久保俊也さんが代表を務める株式会社国保住建は、地盤調査、地盤改良工事、各種申請、不動産全般業務を行っている会社。同社の強みは品質と人であり、顧客への接し方や考え方が他社と大きく違うと小久保さんは語ります。

また、小久保さんのモットーは「常に笑っていること」だそうで、そのことについて小久保さんは次のように語ってくれました。

「私はどんな時でも笑うことを大切にしています。笑っていれば人が集まりますし、その場も明るくなります。人が集まれば色んな話を聞けますし、そこから様々なアイデアが膨らみます。もちろん色々なことが起こる日々の中では、笑っていることが難しいときもあります。それでもやっぱり笑うしかない。笑っている人が一番強いと思います。」

そして、笑うことの他に小久保さんが大切にしているのは「自分にも相手にも正直でいる」こと。不動産という言葉を聞くと中には「人をだまして利益を得ている」と考える方もいるかもしれません。これは一般的な不動産会社は成功報酬でしか売り上げが立たないことが原因。営業の人間は売り上げを意識して価格を交渉するため、契約後に不満を訴える人もいるのです。

しかし、国保住建では顧客に対する正直な対応を心掛けていると小久保さんは語ります。

「弊社は不動産事業以外にも色々な部署があるので、その時の情勢に応じて社内で売上の比重を調整することができます。社員は安心と自信を持つことができ、お客様に対しても正直に対応できるわけです。嘘をつかないことは、弊社では大前提です。すべての情報をお客様に開示し、『この金額は悪いですね』といった意見も正直にお伝えします。」

現在経営者として活躍している小久保さんですが、その原点は高校時代にあったそう。

「実は私、高校1年生の時はボクシングの世界チャンピオンを目指していました。しかし、その後世界チャンピオンになった人に叩きのめされたことがあったのです。ここで『自分は特別ではない、人の何倍も努力しないと成長できない』と認識したことが、今の私の原点です。その後、自分で事業をするための何かを得ようと高校を中退して就職したのですが、いざ働き始めてみるとそんなことを言える立場ではありませんでしたね。ひたすら仕事をこなして認めてもらった先にしか起業は無いと痛感しました。」

小久保さんはその後、個人事業として地盤調査事業を開始し、2008年に法人化。しかし、そのわずか3カ月後にリーマン・ショックが起き、仕事の9割が無くなるという事態に直面してしまいます。

「当時のピンチから学んだことは、人に助けてもらわないと、特に企業は無理だということ。当時は多くの方にアドバイスをいただきました。今私が大切にしているのは『すべてにおいて裏切らないこと』と『助けられる事が恥ずかしいと言う人がいますが、私は逆に助けてもらえない事が恥ずかしいと思っています』の2つあります。

依頼された仕事は責任を持ってやり遂げています。ときには過度な要求もありますが、その事実をきちんと伝えて、期待していただいている範囲は必ず形にしています。そうしていれば信頼されますし、お互いに楽しく仕事できるはずですから。」

小久保さんは自分自身の強みを人に頼んだり人を信用できたりするところだと語ります。

「私自身は中卒なので学がありませんし、できないことも多いです。でも、そのことを逆にプラスにしたいんです。『私にはできないからよろしくね』と、できる人や信頼できる人にお願いして任せる。社員には感謝していますし、全員を尊敬しています。何より、社内には笑いが多い。笑っている人は向上心が強いですし、仕事の面においても『もっと良くしたい』と突き詰めるタイプが多いです。若者の皆さんにも、ぜひ意識的に笑って欲しいですね。笑うことは人間が持っている最強の武器。それを使わない手はありませんよ!」

「どんな時でも笑うこと」。「自分にも相手にも正直でいること」。これまでの逆境に打ち勝ってきた小久保さんだからこそ、大切にしていることに説得力があるのではないでしょうか。今を生きる多くの方の参考になるであろう小久保さんの人生哲学でした。

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