脳科学でつくられた眼鏡レンズがすごい!日本のモノづくり探訪

2018/10/30
マガジンサミット編集部

日々、長時間パソコンと向き合う筆者はメガネが手離せません。幼少時代からお世話になっており“メガネは顔のいちぶ”。いくつものメガネと出会い別れてきました。

でも、こんなに身近なメガネのことを何も知らないんです。新調する際にもメガネフレームにはこだわるのにレンズについてはお店に任せきり、特にレンズについては考えたこともありませんでした。

ところが最近、「今どきのメガネは、脳科学を取り入れているらしい」と小耳にはさみ俄然興味が! そこで、先日開催されたメガネ関連の展示会『第31回 国際メガネ展(iOFT2018)』に出展した「東海光学株式会社」さんの展示ブースに、最新メガネレンズを見学するためにお邪魔しました。

日本のメガネレンズを最もつくっている会社

東海光学株式会社(以下、東海光学)は、愛知県岡崎市に本社を置く眼鏡レンズ専用メーカーです。

世界最高屈折率1.76を実現した超薄型プラステック眼鏡レンズを開発するなど、技術力に優れたリーディングカンパニーとして注目されており、2009年には中小企業庁が選ぶ「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれています。

手がける商品もとてもユニーク! かけるだけで集中力が高まる「心冴Blue(ココブルー)」や、美肌に見せる女性専用の新カラーコート「肌美人BEAUTE」。眼のなかの“ルテイン”を守る「ルティ-ナ」など、見えることはもちろん、メガネレンズを通して人の健康や美しさを考える会社なのです。

なかでも、発売から10周年をむかえる「ベルーナ レゾナス」の新作「ベルーナ レゾナスX(テン)」は、脳が「見え心地・使い心地が良い」と反応するメガネ。“脳科学から生まれた遠近両用メガネレンズ”です。

脳科学でつくられたメガネレンズとは?

そもそもメガネレンズは、どういう評価基準でつくられているのでしょうか。

メガネは個人によって見え方が違い「主観評価」が主。見え心地を客観的に計測する方法はありませんでした。そこで、東海光学では10年前に“脳科学”を取り入れ、レンズの見え方を脳波で計測。装用感などを数値化し、より多くの人に対して性能の高いレンズを提供することに成功します。

写真)代表取締役社長の古澤宏和氏

特に、見え方が複雑な遠近両用メガネは、見えやすさに加え慣れやすさ(安定感)などの“見え心地”が大切。そこで「ベルーナ レゾナスX(テン)」は、脳波を計測し検証した「N式両眼リンク設計」を基に試作を繰り返し、ゆれ・ゆがみを抑えた遠近両用レンズを開発。両眼で見たときのゆれ・ゆがみを左右同じようになるように設計し、眼収差を従来品と比べ約70%も軽減しています。

また、同一レンズ内の遠近度数差から生じるゆがみも、従来品にくらべクリアになっています。人は近くを見る時は視線を下に、遠くを見る時は視線を上にします。その習性を活かしたのが遠近両用メガネであり、つまりレンズは上下部分で度数が違い度数条件により複雑に変化するため、ゆがみが生じやすくなります。この度数差を、同社独自の「両面累進+両面非球面設計」に、脳科学を活用した「N式累進形状クリアリー非球面」を採用することで自然な見え方を実現させています。

脳科学メガネレンズは検証によって、1枚のメガネレンズのかなで徐々に度数を変化させて、遠くも近くも自然に見えるように設計されているのです。すごい!

ちなみに、「ベルーナ レゾナスX(テン)」は、1人1人の目の個性にあわせて最適化する「マイチューン」もオプション指定でき「アイポイントデータ」と「フレーム形状データ」から自分だけのレンズが作ることも可能です。(眼の中にあるルテインを保護するメガネレンズ「ルティ-ナ」のレンズ素材にも対応可能)

写真)「ルティ―ナ+肌美人BEAUTE」の眼鏡。美しさとアイケアを同時にできる。社内の女性プロジェクトチーム「女子開(ジョシカイ)」が開発した。

筆者は、遠近両用レンズが必要になる年齢にはまだ時間がありそうですが、取材後はメガネレンズがとても身近に感じられました。一枚のレンズに最先端のテクノロジーがこんなにも駆使され、私たちは毎日を快適に過ごせるのですね。

東海光学株式会社さま、取材にご協力いただきありがとうございました。

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