2016年5月27日、米大統領として初めてオバマ氏が広島原爆ドームを訪問予定。このニュースに関連してか、ネット上で【林田民子】という女性の名前をよく見かけます。
林田民子は【なぜ日本に原爆を投下したのか?とトルーマン大統領に詰め寄り、背負投げをかました武勇伝を持つ大和撫子】と紹介されています。昨年の夏頃にも少し話題になったのでご存じの方も多いでしょう。
そこで、この一件について詳しく調べてみようとしたのですが…なぜか殆ど情報が見つかりませんでした。林田民子という女性の詳細が出てこないのです。
まず、林田民子がトルーマン大統領を投げ飛ばしたという内容をおさらいします。
熊本県に林田民子という女性がいました
- 明治37年生まれの民子は25歳の時に、ピクチャーブライド(アメリカに移民した男性と写真だけでの結婚)でアメリカに渡ります。
渡米の船の中で、講道館柔道から派遣された太田節三と出会い、渡航中と渡米後に柔道を習います。当時は排日運動の激しかったアメリカで日米友好のため必死に働きますが、世界情勢は徐々に日本を開戦に追い込んでいきます。
太田節三と林田民子等は世界平和基金財団をつくり、敗色濃厚になった故国日本の今後のために、アメリカ政府に一生懸命働きかけます。
やがて、日本はポツダム宣言を受諾して無条件降伏をします。
その年の9月2日、ホワイトハウスに招待された林田民子はトルーマン大統領に小さな声で語りかけます。
林田「大統領閣下、何故広島と長崎に原爆を投下されたのですか?」
トル「20万人を超える若いアメリカ兵の命を救うためです」
林田「日本は既に無条件降伏を決めていました。何故、20万人ものアメリカ兵が死ぬのでしょうか?」
トル「抗戦派の抵抗も考えられ、これ以上戦争を長引かせては、若いアメリカ兵の命が危ないと判断したからです」
林田「大統領閣下、貴方は嘘を言われています。マリアナにある戦略爆撃司令部は、ポツダム宣言に対する返事があるまでは原爆の投下はあり得ないと明言していました」
トル「それは若いアメリカ兵20万人の命を…」
林田「大統領、貴方は日本が無条件降伏することを既に知っていた。それなのに、何故、原爆投下を命じたのですか?ヤルタ協定で日本に侵攻することになっていたスターリンへの警告のためだったのでしょう」
トル「そんなことはない。すべてアメリカ兵20万人の命を守るためだ」
林田「大統領、貴方には日本人の命などどうでもよかったのです。原爆投下によって20万人以上の人間が死傷することは、初めからわかっていたのです。貴方が虫けら 同然と思っている日本人が20万人死んでも、貴方にはどうということはなかったのです。
あなたは人体実験をしたかっただけなのです。
スターリンに、アメリカに逆らうとこの原爆がモスクワに落ちるぞと警告をしたかった。ただそれだけのために20万人以上の日本人を犠牲にしたのです。20万人のアメリカ兵の命を守るためなんかではない!
大統領、貴方は今世紀最大の悪魔です!」
民子は大統領の胸ぐらに手を伸ばすやいなや、綺麗な背負い投げで投げ飛ばした。
叫びとともに音楽が止び、慌てて民子を取り押さえようとしたスティムソン陸軍長官も一本背負いで宙を舞った。