生活者の意識・実態に関する調査を手掛けるトレンド総研は、2019~2020年の鍋トレンドとして、快楽と背徳感を同時に味わえる『悪魔鍋』に注目。『悪魔鍋』が話題になりつつある背景を探るとともに、飲食店で続々と誕生しているインパクト抜群のメニューをリポートしています。
近年は「悪魔のおにぎり」をはじめとした『悪魔メシ』が大ブームになっています。『悪魔メシ』とは、食パンにチーズと砂糖をたっぷりのせてトーストしたり、おにぎりの具に天かすを使ったりするなどして「快楽と背徳感」を同時に楽しむメニューのこと。この流れは鍋料理にも波及しているそうです。
食トレンドに詳しいトレンドウォッチャー・くどうみやこさんは、「しばらく健康志向が続いていますが、だからこそヘルシーなものに飽きがきた消費者が、カロリー度外視で悪魔級のおいしさを追求する新潮流が生まれている」と分析。さらに「ここ数年はSNS映えを意識した『見た目』重視の鍋に注目が集まっていましたが、写真映えするグルメが当たり前のものになった現在では、鍋トレンドにも新しい動きがみられています。具体的には『見た目』だけでなく『味』もインパクトのある鍋に注目が集まるようになってきました」と指摘しています。
『悪魔鍋』は、グルメの一大トレンドになっている「チーズ」をたっぷり使ったメニューのほか、「揚げ玉」「ステーキ」「唐揚げ」「バター」といった普段は鍋に入れない食材を取り入れたり、「ソーセージ」「ベーコン」など食べごたえのある具材をふんだんに使ったりと、個性豊かなメニューが続々誕生。見た目も味もインパクト抜群の『悪魔鍋』はSNSでも人気になる可能性が高いとのことです。
続いて、10~30代の男女565名を対象に『悪魔鍋』に対する興味を調査したアンケートを実施しました。
『悪魔メシ』の認知度を調査したところ、8割近く(76%)が「知っている/聞いたことがある」と回答。さらに『悪魔メシ』の鍋バージョンである『悪魔鍋』について尋ねると、70%が「興味がある」と答えました。具体的な理由としては「ボリュームがあり、とても美味しそう」(18歳・男性)「友人達と食べると盛り上がりそう」(24歳・女性)「いつも同じ鍋になってしまうから、変わったものも食べてみたい」(30歳・女性)などの声が上がっています。
「『悪魔鍋』は今年の冬シーズンのトレンドになると思いますか?」という質問では、6割以上(約64%)が「そう思う」と答えており、アンケート調査でもブーム到来を予感させる結果となりました。
また、今シーズンは飲食店でも『悪魔鍋』を提供する動きが目立っています。
つくば鶏の鶏料理専門店「鳥福」では、10月中旬より「山盛り唐揚げととろーりチーズのトマト悪魔鍋~天使か悪魔か!?~」の提供を開始予定。揚げ玉をまとわせた「悪魔の唐揚げ」を、トマトベースのスープ&とろ~りチーズで仕上げた鍋です。
店自慢の鶏を500gも使用した唐揚げの山が大きなインパクトを放ち、鍋が煮えたら食べる直前にスタッフが目の前で「とろ~りチーズソース」をかけて仕上げてくれます。
そのまま食べるだけでなく「悪魔玉」「天使玉」でアレンジをすることも可能。トマトベースのスープに悪魔玉(ココア風味)を沈めると色が黒色に、天使玉(ミルクバター風味)を沈めると白色に変化。見た目も味もインパクト抜群です。
<提供価格> 1人前1690円(税抜)※2人前から注文可
<提供店舗> 全店舗(上野、御茶ノ水、水道橋、九段下)
<店舗URL> https://www.diamond-dining.com/shops/torifuku/
世界の文化が共存する街“New York”のストリートカルチャーをつめこんだダイナー「HangOut HangOver」では、10月1日より「厚切り牛ステーキ・ジャークチキン・生スパイスの石焼デビルチーズ鍋」が新登場の予定。さまざまな種類の肉と旨味たっぷりのチーズをこれでもかというくらい盛りつけた、サルサソースベースのメキシカン風鍋メニューです。
赤身の肩ロースを使用した「牛ステーキ」とスパイシーな「ジャークチキン」は食べごたえ抜群。肉汁あふれるジューシーな「厚切りベーコン」と「極太ソーセージ」も存在感たっぷりです。
トッピングには、コクのあるチェダーチーズと伸びの良いモッツァレラチーズの2種類をたっぷりとオン。さらに、トルティーヤチップスとバターものせて、背徳感をマシマシにしています。
スタッフが目の前で鍋に火をつけて炎が燃え上がる演出もあり、マグマのように煮えたぎるその様子は「悪魔鍋」という言葉がぴったり。シメはチーズとお米を加えてチーズリゾットとして食べることもできます。
<提供価格> 1人前1880円(税抜) ※2人前から注文可
<提供店舗> 渋谷店、西武新宿Brick St.店
<店舗URL> https://www.dd-holdings.jp/brands/hangout_hangover/
豪快な盛り付けと食べ応え抜群の具材で鍋料理の新たなムーブメントとなりそうな『悪魔鍋』。外食だけでなく家庭でも作りやすいというポイントもあり、秋から冬に向けての要注目グルメとなりそうです。