突然ですが、「スイミー」をご存知でしょうか…。絵本でございます。人気絵本作家レオ・レオーニ様の代表作でございます。教科書でもお馴染みでございます。
令和の前の平成の前の昭和52年(1977年)から小2の国語の教科書に登場しております。小さな賢い黒色のお魚のお話でございます。
「スイミー 小さなかしこいさかなのはなし」(作:レオ・レオニ 訳:谷川俊太郎 出版社 好学社)
世代を超えて世界中で愛されている絵本でございます。レオ様は、ユダヤ人としてオランダで生まれ、絵本作家、イラストレーター、グラフィック・デザイナーとして、アメリカでもっとも活躍した芸術家のひとりでございます。「スイミー」は、コールデコット賞やブラチスラバ国際絵本原画展など、世界的な絵本の賞を受賞しております。
そんな「スイミー」ですが、実はその謎の原画が日本初上陸なのでございます。
謎とは…。実は、スイミーの原画は存在しないのでございます。少々、複雑な事情があるのでございます。
スロバキア国立美術館はスイミーの原画を5枚所蔵しております。これが現在、存在しているスイミーの原画と呼ばれているものでございます。今回日本に初上陸する原画も、この原画でございます。
ところがでございます。絵本の絵とこの原画の絵は、よ~くみ比べると別物なのでございます。並べてみると一目瞭然なのですが、赤い魚たちの位置、スイミーの表情も違うのでございます。
一体なぜ…。これが謎なのでございます。この原画が美術館に収蔵されたのは、1967年、スイミーがブラチスラバ国際絵本原画展で「金のりんご賞」を受賞したのが縁と言われています。しかし、なぜ絵本で使われたのと違う絵が原画として収蔵されたのか…。それが謎なのでございます。その経緯が不明なのでございます。56年前に絵本に使われた原画も今だ行方不明なのでございます。
そんな謎の原画を実際に観ることができるのでございます。見比べることができるのでございます。
新潟会場では、小さいお子さんが元気にお話ししてもOK!な「おしゃべり優先タイム」を設けています(会期中毎日10時~13時)。ちなみに、この時間帯会場に流れている音楽は、J.S.バッハ《ゴールドベルク変奏曲》(グレン・グールド、1981年録音)です。#レオーニ展 #万代島美術館 pic.twitter.com/YYNXnOCyVt
— みんなのレオ・レオーニ展 (@lionni_everyone) 2018年11月13日
それが、「みんなのレオ・レオーニ展」でございます。もちろん、展示はこの原画だけではございません。絵本原画やグラフィック・デザイン、彫刻、アニメーション素材などなど、約200点の展示でございます。グッズもございます。
場所は、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(東京・新宿)。日時は、2019年7月13日(土)から9月29日(日)まで。夏休みにオススメのイベントでございます。
「スイミー」ファン、絵本好きの方には、刺さること間違いナッシングな展覧会でございます。
ちなみに、東京・銀座では、7月31日(水)までの期間限定でレオ・レオーニのコンセプトカフェも開催中でございます。(サンデーブランチ マロニエゲート銀座1・4階)
(文:絵本トレンドライター N田N昌)