なにがあった?どうなっている?「ピタゴラスイッチ」のスタッフが作った科学絵本

2017/08/04
N田 N昌

絵本には、物語絵本と科学絵本とあります。科学絵本は、身近な自然や科学について語られている絵本。絵本だろ!とバカにすることなかれでございます。中年のオジサンも「へぇ~」と知識欲を満たしてくれるものがたくさんあります。

 

テレビの雑学バラエティに似ております。「難しそう」、「堅そう」と敬遠する視聴者に、芸人さんを使ったり、面白い実験を行ったりしながら、その知識を提供、知識欲を満たしてあげる。…絵本もまったく同じでございます。子どもの興味をいかに惹きつけるか、その演出が勝負でございます。

 

そんな科学絵本。なかでも、その演出が見事なのが、佐藤雅彦様とユーフラテスの絵本でございます。

 

ご存じの方も多いと思いますが、あの「ピタゴラスイッチ」の製作スタッフでございます。ピタゴラスイッチの監修を務める佐藤様は、「ピタゴラスイッチ」やクリエイティブ集団「ユーフラテス」の生みの親であり、「だんご3兄弟」「バザールでござーる」などの数多くのCM作品、ゲームソフト、書籍を世に送り出し、平成25年には紫綬褒章も受賞されております。

 

ちなみに、NHK Eテレの「考えるカラス・科学の考え方」、「Eテレ0655&2355」も、このメンバーが担当しております。

 

そんな佐藤雅彦様とユーフラテスの科学絵本、大人も「やられた」「そうくるか」と舌鼓をうつ演出、アイデアで溢れております。是非、大人に読んで頂きたい「大人科学絵本」でございます。

 

「中を そうぞうしてみよ」(作:佐藤 雅彦 ユーフラテス)

 

こちら、様々な物体の中がどうなっているのか?外からは見えない中身を紹介する絵本でございます。「中はどうなっているでしょう」というフリがあって、頁をめくると答え合わせがあるのですが、その答え合わせの仕方、演出がイケてるのでございます。X線を使ってレントゲン写真で見せております。普段、こんなものX線で撮らないでしょ、というものが続々登場いたします。大人も存分に楽しめます。例えば、木製をイスの写真を見せて釘の数を当てさせたりします。X線を通すと、外からは見えない釘の姿が白くくっきり見えるのでございます。

 

「このあいだに なにがあった?」(作:佐藤 雅彦 ユーフラテス)

こちらは、つい最近でたばかりの作品。頁をめくると、まず、3枚の写真が横に並んでおります。左から時系列(時間が経過した順)に並んでいて、真ん中の写真だけ隠されております。例えば、左の写真には、毛がふさふさしている羊、右の写真には、毛の短い羊。そして、テキストは「この あいだに なにがあった?」と問いかけます。大人なら、なんとなく答えはわかりますが、絶対答え合わせをしたくなります。その真ん中の写真をみたくなるのでございます。

 

そして頁をめくると、すべての写真(3枚)が明かされていて、真ん中には、毛を刈られている最中の羊の写真が登場しております。

 

さらに頁をめくると、また次のお題が登場いたします。こどもが楽しめることを想定しているのですが、大人もなぜか楽しいのでございます。「睡眠欲」「食欲」「性欲」この三大欲求の他に、推理する喜びのような本能、「推理欲」が人間にはあるのかもしれません。

 

是非、この夏休みは、大人科学絵本、初体験くださいませ。(NN昌)

 

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N田 N昌
この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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