具体的な花粉・アレルギー対策を知っている家庭は約2割。学校でも対策授業の必要性

2017/02/28
マガジンサミット編集部

 

花粉の本格飛散シーズンの到来にあわせて、NPO法人企業教育研究会(以下、企業教育研究会)と、メガネ・アイウエアブランドを展開する株式会社ジェイアイエヌが共同で「小中学生向けの花粉・アレルギーの啓発授業」を千葉県内の小・中学校で行いました。

 

 

授業では、花粉をはじめ生活の中に潜んでいる身近なアレルゲンを例に、アニメーションを使用しながらアレルギー疾患が起きるメカニズムや対策方法について協働学習を実地。また、子ども達自ら考えたアレルギー対策方法を考え発表し、意見交換を行うととともに、実際に花粉から身を守る体験学習などが行われました。

 

※アレルギーが起こるメカニズムや身近なアレルゲンの種類、アレルギーを防ぐための方法を学んだ。

 

明確な花粉、アレルギー対策を理解している家庭は少ない

 

今年1月にジェイアイエヌ(JINS)では、「子どもの花粉・アレルギーに関する実態調査」を実施しており、アレルギー疾患を抱える小・中学生の中でもっとも多いアレルギーは「花粉症」であり、その対策を詳しく知る母親は3割以下にとどまるという調査結果を発表。最も身近なアレルギー疾患であるにもかかわらず対策意識が低いことが判明しています。

 

※「詳しく知っている」と答えた親は全体の26.9%。それ以外では「基本的な対策を知っている程度(66.0%)」、「名前のみ聞いたことがあるがほとんど知らない、もしくは、知っているが自信は無い(6.3%)」、「全く知らない(0.7%)」と続く。

 

「子ども達の花粉やアレルギーに関する知識は断片的なものがほとんどであり、学校でもアレルギー疾患に関する授業が実地されていないのが実情です」と登壇した古谷成司氏(企業教育研究会 理事)はコメント。授業を通し、花粉やアレルギー疾患に関心をもってもらうためにも、総合的にアレルギー疾患のメカニズムや対策を学べる場を増やしていく必要性を訴えています。

 

アレルギー疾患に悩む小中学生を抱える20~50代の母親500名に実地したアンケートによると、小学校入学前には全体の48.2%の子供が発症し、中学校入学前には全体の92.8%の子供が発症。鼻水・くしゃみ・目の不快感などの症状や集中力の低下に悩まされていることが分っています。

 

花粉症やアレルギー対策には、規則正しい生活が大切

両国眼科クリニックの深川和己先生によると、「現代の子供は清潔な生活環境で育つため、花粉やハウスダストなどに対してアレルギー反応を起こしやすい傾向にある。また、夜更かしなどによりサーカディアンリズム(体内時計)が乱れると、免疫が弱体化してアレルギー疾患に繋がるとも言われている」とし、症状が表れたら早めに専門医に受診し、体内に入る花粉などの抗原を回避するとともに、早寝早起が立派なアレルギー対策になるとしています。

 

※花粉対策用メガネ【JINS花粉CUT】

 

2016年に厚生労働省が、ぜんそくや花粉症などのアレルギー疾患について国や自治体が取り組むべき方向性を示す初の基本指針案(http://www.mhlw.go.jp)を発表しています。

 

基本指針案では、学校の教職員や保育所職員らに給食をはじめとする食物アレルギーへの対応やアレルギー疾患の正しい知識の習得。食物アレルギーなどからアナフィラキシーショックが起きた場合の対策と、家庭、学校、消防、医療機関などとの連携のほか、相談事業の充実や地域の実情に応じた対策を進めています。

 

 

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